宣教師たちのご苦労 −久保田典彦−

*写真:高槻城跡公園の「髙山右近像」

『キリシタン史からのメッセージ』
 高槻・Ucon:第24回 

 

 

久保田 Ucon 典彦

阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰

宣教師たちのご苦労

「日本巡察記」(「日本諸事要録・スマリオ」)

[ ヴァリニャーノ・著]  第20章

「日本の習慣、法律その他はきわめて新奇であるから、これを判断するに際しては、何びとも、ガエターノやナバーロその他のヨーロッパの神学者の説によって導くことは出来ない。
日本においては、学問(神学)以外に、日本の習慣、統治、態度、動作に関する豊富な経験から得た思考や思慮が、物事を判断するのに必要である。」
 
● キリシタン達は、日常のくらしの中で、身近な・切実な・具体的な問題に対して、司祭たちに質問を寄せてきます。
 ・仏教徒である親族の葬式に、キリシタンとして参列してもよいか?
 ・キリシタンである娘を、同等の身分の仏教徒と結婚させてもよいか?
 ・夫がキリシタンで、妻が仏教徒であり、妻がキリシタンになる意志がない場合、どうしたらいいのか。離縁すべきか?
 ・やむを得ない状況では、キリシタンに、切腹は許されるのか?
 ・教名の「アフォンソ」 が日本語の「阿呆」に、「ジュリアナ」が「十里」に通じるので、教名を変えてほしい!
・・・・・・・・・・・・・

● こうしたことは、実は、キリスト教会の初めの頃・新約聖書の「使徒の働き・使徒行伝」の頃にも、当然、いろんな質問が使徒パウロやペテロ・・・などのもとに寄せられました。
 それらに答えていったものが、“パウロやペテロたちの手紙”として、質問してきた教会に届けられ・近隣の教会で回し読まれ・最終的に、「新約聖書」にまとめられていきました。
「コリント人への手紙」では、
 ・信者でない夫を持つ女性は、離婚していいか?
 ・偶像にささげられた肉を食べてもいいのか?
 ・女性が祈りをする時、頭にかぶり物をしないといけないか?
 ・異言について、復活について、献金について ・・・・・等々々
コリントにある教会から寄せられた質問に対して、使徒パウロがていねいに答えていっています。

● 現代においては、どうでしょうか?
 最終・絶対のものとして与えられている「聖書」(新約・旧約)がすべてです。
聖書のことばに、“ 付け加えても・取り去ってもいけない”━━と警告されています。 (「ヨハネの黙示録」22章18~19節)

神のことばである「聖書」にてらして・「聖書」から判断していくことになります。

“ 「聖書」には、どのように記されているのだろう?”
個人的な思いこみや確信では、まちがいを犯してしまいます。
でも、心配はいりません!
そのために、信じる私たちには、“ 助け主”(たすけぬし)として、「聖霊なる神」が与えられ、私たちに内住してくださっていて(私たちは「聖霊の宮」)、
罪について・義について・さばきについて・真理について・・・・・ あやまりなく導いていってくださいます。
そのためにも、「たえず、聖霊に満たされていなさい!」と勧められていますよ!

ハレルヤ!

 

[ 参考図書] 「日本巡察記」
(ヴァリニャーノ・著、東洋文庫229 平凡社)
写真は、高槻城跡公園の「髙山右近像」
天高く 天国近し 右近像


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久保田 Ucon 典彦

阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰

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「髙山右近研究」をライフワークにしています。
髙山右近やキリシタン達を通して、いっしょに考えていければと思います。