「その時に備えて」に備えて(2) ナショナルセンターの名を借りて政治的な冊子を出すこと自体が間違い -田口望-

ヴィクトリア女王一家(フランツ・ヴィンターハンター画)
田口望
田口望

 

 

 

田口 望
大東キリストチャペル 教役者
大阪聖書学院 常勤講師
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY- 論説委員

日本福音同盟とは何ぞや?

 読者諸兄には日本のクリスチャンギョーカイ(業界)について詳しくない方もいらっしゃるでしょうから、ご存じな方には冗長な説明になること承知の上であえて解説しておきます。

 今回、天皇制に疑義を呈する冊子「その時に備えて」は日本福音同盟社会委員会の名によって出版されました。この「日本福音同盟」とは単一の教会名でも、教団名でもありません。小さな、日本のキリスト教界の中では極めて大きい団体であり、多くの教派が加盟しています。労働組合でいえば、労働者個人が、種々雑多な多くの企業別労働組合に加盟し、その企業別労組が、産業別の労働組合が加盟し、さらにその産別労組が加盟する組合として日本労働組合総連合会(連合)というの存在しますよね。その国中の労働組合の総元締めを「ナショナルセンター」といいますが、言ってみれば日本福音同盟というのは、日本のプロテスタント・福音派の教団教派の大部分が加盟するプロテスタント教団・教派版ナショナルセンターのような存在なのです。
(※ 以下、日本福音同盟はJEAと略する)

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