大学の講義によって刑事事件の犯人とされた柳錫春教授事件を憂慮する −西岡力−

写真:柳錫春教授(YouTubeから)

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆

歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

*この記事は、著者の依頼により、Japan Forward より転載しました。

「大学の講義によって刑事事件の犯人とされた柳錫春教授事件を憂慮する」

2021年9月19日

「韓国は重要な隣国だが、価値観を共有しているとは言えない」。これが、現在の日本政府の隣国に対する評価だ。

2014年までは価値観の共有を認めていた。当時の安倍晋三首相は、「韓国は、基本的な価値や利益を共有する、最も重要な隣国」と演説している。だが、その後、朴槿恵大統領(当時)に関する記事をめぐって産経新聞のソウル支局長が起訴されるという事件が発生し、安倍首相は、2015年の施政方針演説で「韓国は、最も重要な隣国です」として「価値観共有」という評価を取り下げた。

その後、2018年10月に韓国最高裁が1965年の国交正常化の際に両国が解決したと合意した日本統治時代の清算について、日本の統治が当初から不法なものだったから賠償責任が残っているという国際法違反の判決を下す等の出来事があり、日本政府は継続して韓国に対して、「価値観を共有する」という評価をしていない。

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最近の韓国のアンチ反日の動きについて(3)−西岡力−

<写真> 2019-1211_午後、日本大使館前慰安婦像付近で抗議行動をしている李宇衍博士たち。向かって右が李宇衍博士。李宇衍博士が持つ看板には左上から「歴史歪曲、反日助長、慰安婦像撤去せよ」、右上から「歴史歪曲、反日助長、水曜集会、中断せよ」と書かれている。 ( JINF 12/16 の記事より

 

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

*『 歴史認識問題研究 』 第8号 (2021年3月19日)より転載

<その2より>

 

Ⅱ 「アンチ反日」運動の誕生と活発な活動

(1)2019年のアンチ反日デモ

『反日種族主義』出版と並んで、2019年にはもう一つ、見逃せないアンチ反日の大きな動きがあった。それは慰安婦像と「徴用工」像の撤去を求める街頭行動が始まったことだ。これまで韓国では、歴史認識問題をテーマにした反日デモはくりかえし行われてきたが、反日に反対するアンチ反日デモはこのときが、史上初めてだった。

 その端緒は、2019年の文在寅政権による露骨な反日キャンペーンに対して、文在寅政権に反対する在野の保守勢力が街頭で行った、大規模な集会とデモだった。

 2019年8月15日の午後、激しい雨の中で、約10万人が集まる反文在寅デモが行われ、そこで、公然と文在寅政権の反日が批判された。反文在寅デモ参加者の多くは、韓国の 国旗である太極旗を持っていた。また、それよりは少ないがやはり目についたのは、韓国の同盟国である米国の国旗だ。しかし、中には片手に太極旗、もう一方の手に日の丸を持つ参加者もいた。同じ日の夜、左派が反日、反安倍デモを行ったが、面積から割り出 した参加者数は約5万人で、反文在寅デモの半分しか動員できていなかった。

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被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その3)−西岡 力−

・写真:

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長
モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その3)−西岡 力−

<その2>より

  • 4つの疑惑―まずは寄付金の行方

 元慰安婦の李容洙氏が30年間共に活動してきた反日運動体の挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会、最近、正義連に改称)とそのリーダーで令和2年(2020)4月の総選挙で国会議員に当選した尹美香・元挺対協代表を激しく批判したことが契機になり、挺対協と尹美香氏の偽善ぶりが連日暴露され、ついに検察が挺対協への家宅捜査を断行する事態になった。

 韓国マスコミが暴いた尹氏と挺対協の疑惑は大きく分けて4つだ。

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元慰安婦の挺対協批判と日本の教会 −西岡 力−

・写真:ムクゲの花(韓国)と桜(日本)

西岡 力 教授(SALTY 主筆)

 

 

 

西岡 力

日本キリスト者オピニオンサイト
-SALTY-  主筆
国基研企画委員兼研究員
・麗澤大学客員教授

 

元慰安婦の挺対協批判と日本の教会

 牧師が教会員から献金を集め、ある問題の被害者を支援する団体に寄付した。ところが、被害者が「集められた寄付金は団体リーダーが勝手に使っていて、自分たちの支援に使われていない、団体は自分たちを資金集めに利用してきた、もうその団体主催の行事に参加しない」と批判し、連日、マスコミがその団体とリーダーの不正を暴露し、検察が本格的に捜査に入り、団体事務所が家宅捜索を受けた。そのような事態が起きたとき、その牧師はどうすべきか。少なくとも、献金をしてくれた教会員に現状を報告し、団体に対する評価を間違えてしまったことを謝罪すべきではないか。私はそう考える。

 今、韓国で約30年間、元慰安婦のおばあさんたちを前面に立てて、日本を含む全世界から莫大な寄付を集め、継続して反日活動を展開してきた挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会、数年前に正義連と改称)とその前代表で国会議員当選者の尹美香氏が、30年共に運動をしてきた元慰安婦李容洙氏から激しい批判を浴び、それが契機になって連日、会計不正と政治的偏向などが暴かれ、ついに検察が事務所を家宅捜索する事態が起きている。

 李容洙氏は挺対協が30年近く、ソウルの日本大使館前で続けているいわゆる水曜集会についても、憎悪を煽るだけで解決につながらないと批判して不参加を宣言した。

 日本の牧師やキリスト教関係者で水曜集会に参加して謝罪を行い、寄付金を渡してきたものはかなりの人数になる。それらの方々が現在の事態について考えを公表したものをいまだ、私は目にすることができない。

 私はキリスト者学者として慰安婦問題に30年取り組んできた。その立場から、現在の事態について書いた拙文二つをクリスチャン・オピニオン・サイトであるソルティ(SALTY)にアップする。主の前にタブーのない、議論をして行けたら幸いだ。

 

・暴露された慰安婦支援団体の偽善(2020-5/25)

・【韓国情勢】韓国でも暴かれ始めた慰安婦問題の虚構(2020-5/25)

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慰安婦問題で韓国にいかに反論すべきか – 西岡 力 –

 

 

西岡 力
 「救う会」:北朝鮮に拉致された日本人を救出する全国協議会 会長
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY- 主筆

慰安婦問題で韓国にいかに反論すべきか

 「慰安婦問題は戦時に幼い少女を性奴隷として連行していった人権と正義に関する自然法の問題であり、契約法論理を適用できないと伝えた」。2017年6月12日、韓国の与党「共に民主党」秋美愛(チュ・ミエ)代表が、訪韓中の二階俊博自民党幹事長らと会談した後、SNSに書いた内容だ。

 秋代表の説明によると、二階幹事長は両国間の約束なので慰安婦合意は守らなければならないと主張したという。それに対して秋代表は「約束なので守らなければならないというのは、契約法上の論理に過ぎない。被害者を脇に置いたまま、真実の発見にはいかなる努力もしなかった国がいくばくかのお金を出して合意したことに韓国国民は同意できないとはっきりと声を上げている」などと反論し「韓日慰安婦再交渉を要求した」とSNSに書いた。 “慰安婦問題で韓国にいかに反論すべきか – 西岡 力 –” の続きを読む