教会にはなぜ女性が多いか? −亀井俊博−

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

「教会にはなぜ女性が多いか?」

2021・5・19

宣教師の質問

「阪神宣教祈祷会」と言う、大阪と神戸の間・阪神地域の福音派を中心とした牧師会があります。半世紀近く阪神地域の福音宣教と教会相互のために祈る交わりです。私も40年以上その交わりに与っており、ありがたく思っています。近年は足が弱くなり、毎月地域教会持ち回りの集いに参加が難しくなり、加えてコロナ禍で感染の危惧のためなおさら足が遠のいていました。しかし、5月はズームでの牧師会と言う事で、久しぶりに参加、色々刺激がありました。懐かしい常連の先生方、新しく加わった牧師方もあって活気があります。

 その中で、ユー・チューブ伝道をなさっているユニークで大変有能なH牧師が、質問をなさり気になったものですから、ここに考えてみました。先生は、米国の宣教師であり所属の宣教師団体からの要請があったと言うのです。それは“日本の教会は女性が多いが、何故なのか?”と言う質問で、皆さんにお尋ねしますとの事。会議ですので、答える時間を取る余裕がなく、司会者が後日、質問書を送るので、お答えくださいと引き取ったのです。後日届いたメイルには、質問の背後に男性伝道策のシェア要請があるとの事でした。

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新型コロナウイルス感染拡大と教会(1)−大橋秀夫−

・写真:武庫大橋と皇帝ダリア

この度、大橋秀夫牧師が、SALTYからの執筆依頼に快く応じてくださり、『新型コロナウィルス感染拡大と教会』の一文を寄稿されました。
世界各国の危機的な状況の中で、日本の教会が直面している課題を明らかにしつつ、今後の歩むべき道を問いかけ指し示しておられる内容です。

3回の連載として掲載いたします。
皆様、ぜひ、ご一読くださいますよう、ご案内いたします。

● 3回の連載:<第1回>

 

 

大橋秀夫
「日本教会成長研究所」
(現、JCGIネットワーク)
コメンテイーター、理事、全国講師
日本福音自由教会
クライストコミュニティ教会  顧問牧師

 

新型コロナウイルス感染拡大と教会

はじめに

 それは2019年11月末の新聞の国際面一番下に15行前後の小さい記事だった。 新しいタイプの「ウイルスか?」と言うような見出しだった。WHOは、毎年その年のインフルエンザウイルスを特定するために中国へ調査団を派遣している。しかし、この新型ウイルスを発見したのは、WHOの調査団ではなく、中国の医師だった。
私は、これはきっと大きな問題となるに違いないと思い、その後も新聞に目を凝らしていた。案の定、12月に入ると中国で感染拡大のニュースが広がった。新たな事態をSNSで拡散させたとして、周医師は拘束され、自身が感染して亡くなってから、中国は国際的な非難を避けるために同氏を「英雄」に仕立て上げた。WHOがパンデミックを宣言したのは3月12日だった。この時にすでに感染はヨーロッパからアメリカへと拡大していた。

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変わりゆく世界の教会と変わらない日本の教会(1) − 大橋秀夫 −

・写真:秋の花_エルサレムアーティチョーク

この度、SALTYからの執筆依頼に快く応じてくださった、大橋秀夫牧師から寄稿文が届きました。
長らく伝道・牧会に携わり、また、「日本教会成長研究所」の講師として、様々な教団教派の牧師の継続教育や育成に尽力されてこられた、大橋牧師の論説は、世界の教会の動向に対して、日本の教会の課題を明らかにしつつ、危機感を持って問いかけておられる内容です。

3回の連載として掲載いたします。

● 3回の連載:<第1回>

 

 

大橋秀夫
「日本教会成長研究所」
(現、JCGIネットワーク)
コメンテイーター、理事、全国講師
日本福音自由教会
クライスト・コミュニティ教会 顧問牧師

 

変わりゆく世界の教会と変わらない日本の教会(1)

はじめに

 過去2000年にわたって教会は変化し続けて来ました。ここで言う変化とは<刷新>と言う方が適当かと思います。そこには二つの刷新、すなわち霊的刷新と構造的刷新がみられます。

 そもそも教会が誕生したペンテコステの出来事を通して、そこに誕生した群れを最初の教会と呼ぶならば(*注1)、誕生した教会はそれまでのユダヤ人社会の中に存在していた形態、コミュニティーの伝統と形を全く変えてしまうほどの教会でした。

「信者となった人々はみな一つになって、一切の物を共有し、財産や所有物を売っては、それぞれの必要に応じて、皆に分配していた。そして、毎日心を一つにして、宮に集まり、家々でパンを裂き、喜びと真心をもって食事をともにし、神を賛美し、民全体から好意を持たれていた。主は毎日、救われる人々を加えて一つにしてくださった。」(使徒の働き2章44~47節)

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(*注 1)
「教会」と訳されている言葉は、旧約聖書では「全会衆」であり、やがてそれはギリシャ語で「共同体」と訳されます。したがって、教会は旧約聖書の時代から存在していた と主張する人たちもいます。
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 こうした当時のユダヤ人社会ではありえない出来事、革新的な掟破りの行為が教会の誕生でした。以来教会は、2000年の間に様々な変化を経験して今日に至ってきました。私たちのプロテスタント教会もその変化=刷新の結果誕生したと言えます。(無論、「私たちの教会の精神は、初代教会から連綿と引き継がれてきた」と主張する人々がいないとは申しませんが、所詮それは、被宣教国である日本でいくら主張したところで意味を持たないことです。)

 そこで私は近年起こっている教会の変化について考えてみようと思います。

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