一森牧師事件を報じず、「従軍慰安婦」という不適切用語を使い続けるクリスチャン新聞を批判する −西岡力−

<写真> 『正論』6月号(2021年)

 

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長

一森牧師事件を報じず、「従軍慰安婦」という不適切用語を使い続けるクリスチャン新聞を批判する

 日本基督教団の教職である一森文彰(いちもり ふみあき)先生は、北朝鮮による拉致被害者家族の声を聞いて解決のために、救う会が主催する集会や街頭署名運動に参加されていた。私も集会後の懇親会などで何回か一森先生とお会いし、当時先生が牧会していた教会の礼拝に出させていただいたりした。

 ところが、数年前、同教会を辞した後、母校の関西学院大学の神学部教授会が拉致問題編取り組みを理由に新しい赴任先斡旋を拒否した。事実上、牧師職のクビだ。

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慰安婦問題の嘘と戦う新動向 −西岡力−

令和3年3月1日 産経新聞「正論」コラム(一部修正)

 

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授、
歴史認識問題研究会会長

慰安婦問題の嘘と戦う新動向

 戦前わが国は公娼制度を持っていた。慰安婦はそれを戦地に持ち込んだものだ。慰安婦となった女性たちは貧困の犠牲者だった。そのことは日本人も韓国人もみな知っていた。ところが1990年代初め日本の一部反日勢力が、日本軍が国家総動員法に基づく挺身(ていしん)隊として奴隷狩りのように朝鮮女性を連行し慰安婦にさせたという荒唐無稽な嘘を大々的に発信した。

 ≪嘘と戦う韓国の学者ら≫

 激しい論争の結果、国内では権力による強制連行ではなく公娼制度の一環だったという見方が支配的になった。外務省も重い腰を上げて2019年から外交青書とホームページで強制連行、性奴隷、20万人という3つの嘘に反論を加え始めた。しかし韓国と国際社会にはまだ「朝鮮人の若い娘20万人が日本軍によって強制連行され、性奴隷となった」という嘘のイメージがはびこっている。わが国にとっての慰安婦問題とはこの嘘をどうやって打破するのかなのだ。

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拉致問題で「ともに闘ってきた」首相の辞任「とても残念」−西岡力−

写真:首相官邸のホームページより 2020- 8/28

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長

 

拉致問題で「ともに闘ってきた」首相の辞任「とても残念」

 たとえ健康上の理由だとしても、北朝鮮による拉致問題が解決していない段階で安倍晋三首相が辞任を表明したことはとても残念だ。

 今年2月、拉致被害者の有本恵子さん(60)=拉致当時(23)=の母、嘉代子さんが94歳で亡くなったときも、6月に横田めぐみさん(55)=拉致当時(13)=の父、滋さんが87歳で亡くなったときも、安倍首相は「ともに闘ってきた」と悔しさを口にしていた。

 いま、首相辞任により問題解決の闘いの場から離れることは私たちも悔しいが、本人が一番、心残りだろう。

 安倍首相は北朝鮮に対しては先に圧力をかけ、その後で交渉する「先圧力、後交渉」という戦略で拉致問題に臨んだ。 これはかなり成功したと思う。

 まず経済制裁と国際包囲網で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権にかなり圧力をかけた。さらに安倍首相の努力もあり、米国のトランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長に拉致問題解決を直接迫るところまでこぎつけた。

 だから、安倍首相は圧力段階は完成したと考え、昨年5月、金委員長に無条件での首脳会談を提案していたところだった。

 

 拉致問題は単に安倍政権の最優先課題ではなく、日本の最優先課題のはずだ。

 後を継ぐ政権には、安倍政権が造った制裁と国際包囲網の枠組みをいかして、必ず拉致問題を解決してほしい。

 

(産経新聞 8月29日掲載)

キリスト者の社会的責任とは? −西岡 力−

・写真:横田拓也さん提供(2020年6月8日 葬儀)

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長
モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

キリスト者の社会的責任とは?

〜横田滋さんの決断と召天に寄せて〜

 横田滋さんの召天により、北朝鮮による拉致問題に対する関心がまた、高まり出している。その中で、安倍政権が結果を出していないことを激しく批判する一部の政治家やマスコミに対して、横田めぐみさんの弟の哲也さんが、安倍政権はよくやっている、拉致を否定していた勢力が、その結果、被害者救出が遅れているのに、今になって安倍政権批判をするのは卑怯だという趣旨の発言をされた。
(6月9日:横田滋さん死去で家族が記者会見)

その会見の席にいた私は全く同感だった。

 そして、2002年に北朝鮮が拉致を公式に認めるまで、大多数のキリスト教関係者が冷たい態度をとっていたことを想起して、様々なことを考えた。

 キリスト者の社会的責任とは、一部の政治勢力に同調して政権批判をすることなのか。自分の頭でしっかり現実を認識して、サタンの手先とも言える北朝鮮個人独裁政権、中国共産党政権による重大な人権侵害、そこには信教の自由侵犯も含まれている、に声を上げることこそ、日本のキリスト者に今求められている社会的責任ではないかと強く思っている。

 安倍政権をいま批判する勢力が過去に横田めぐみさんたち救出運動をいかに妨害してきたのかを、産経新聞に寄稿した。ぜひこれを読み、キリスト者の社会的責任について深く考えるきっかけにしてほしい。

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