旧統一教会事件から学ぶ −亀井俊博−

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「芦屋福音教会」名誉牧師
「聖書を読む集い」牧師

“旧統一教会事件から学ぶ”

2022年12月1日

一年を振り返る時期

 キリスト教会では待降節を迎え、2022年も終わりに近づきました。一年を振り返る時期です。各自個人的な忘れがたい出来事があった事でしょうが、社会的には多難な年でした。世界的にはコロナ禍が続き、ゼロ・コロナからウイズ・コロナへと、頑なにゼロ・コロナ政策にこだわる中国を除いて、多くの国々で舵を切り替えました。またロシアによるウクライナ侵略に、欧米・日本等グローバル・ノース(主に北半球の先進諸国で帝国主義時代の旧宗主国が多い)先進諸国は憤りロシア制裁・ウクライナ支援を開始。中国・インド始めグローバル・サウス(主に南半球の発展途上国で、旧植民地が多い)の国々は結構な数が中立を決め込み、かつてのグローバル・ノースの植民地支配へのトラウマと反発を思い知らされました。

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キリスト教信者から見た旧統一協会問題 −西岡力−

 

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
歴史認識問題研究会会長・国基研企画委員兼研究員
モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

キリスト教信者から見た旧統一協会問題

2022.10.31 (月)

 私事で恐縮だが、私はキリスト教信者だ。その中でも新旧約聖書は間違いのない神の言葉であり信仰と生活の唯一の規範だと信じるプロテスタント福音派だ。
イエスは処女マリアから生まれ、死人を生き返らせ、十字架で処刑された3日後に復活した、などと聖書に書かれている超自然的な内容をそのまま信じている。

 キリスト教の立場からすると、文鮮明を救い主だと教える旧統一協会の教えは到底受け入れられない。また、日本人は朝鮮支配の原罪があるから韓国に仕えなければならないとする旧統一協会の反日思想に対して、私は日韓関係研究者として歴史的事実に反すると人生をかけて反論してきた。

 我が国にはカトリックとプロテスタントを合わせ100万人程度のキリスト教信者がいる。だから、1億2000万人の全人口からすると、100人に1人のごく少数だ。毎週日曜日に教会に集まり神への礼拝を行い、少なくない金額の献金もしている。これらすべては自発的に行っていることだ。信じている内容も行っている行動も、大多数の日本人とはかなり異なっていることを自覚している。その立場から、政府と国会が現在進めている旧統一協会への対応に恐怖を感じている。

●信教の自由が侵される

 なぜなら、信教の自由という憲法で保障されている大原則によってこれまでできないとされてきたことが、次々とできることにされているからだ。

 岸田文雄首相は、宗教法人解散の要件は「刑法の不法行為」(刑事犯罪)だけとしてきた従来の立場を突然変更して、「民法の不法行為」も含まれると国会答弁を修正した。過去に宗教法人の解散命令は2件出されている。地下鉄サリン事件のオウム真理教と霊感商法詐欺事件の明覚寺だが、両者とも代表役員が刑事罰を受けている。

 しかし、旧統一協会の幹部が刑事罰を受けたことはない。文科省は首相の突然の立場変更を受けて、解散命令を視野に入れた質問権行使の準備をやはり突然開始した。
その上、国会では与野党が旧統一協会被害者を救済することを目的にして、本人に代わって家族などが献金を取り戻せるようにする新法を制定する協議を行っている。

●宗教的少数派が感じる恐怖

 これらが突然実行される理由は、世論の変化とそれに伴う岸田政権の支持率低下だ。ではなぜ世論が旧統一協会に急に批判的になったのか。誰が見ても許しがたい被害事例が最近明らかになったからではない。安倍晋三元首相へのテロ犯人が20年ほど前に母親の多額の献金によって生活が苦しくなったことで旧統一協会を恨んでいたという情報が奈良県警からリークされた後、ワイドショーを中心とするマスコミが旧統一協会たたきを始めたことが契機になったのだ。

 世論が変われば憲法に定められた信教の自由、私有財産処分の自由などの枠組みがいとも簡単に崩れていく。多数派の日本人とはかなり異なる少数派の信仰を持つ私は、それを目撃して、その矛先がいつ私たちに向くかもしれないという恐怖を感じるのだ。(了)

JINF:国家基本問題研究所
2022.10.31 (月) 掲載記事より

憲政史上最長の宰相…それだけで国葬にふさわしいのでは −田口 望−

写真 安倍元首相の国葬儀の会場となる日本武道館
ウィキペディアより

田口 望

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  論説委員

安倍元首相を国葬にすべき、最大にして十二分な理由

 国葬の是非について「世論を二分している」とマスコミがいいます。岸田首相は安倍元首相を国葬にする理由として国会の閉会中審査で繰り返し「国政選挙において6回にわたり国民の信任を得ながら憲政史上最長の8年8カ月にわたり首相の重責を担った」ことを説きました。筆者としては憲政史上最長の首相、正直これだけで国葬にすべき十二分な理由であると思っています。

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平壌宣言20年に思う拉致の戦い −西岡力−

写真:2017年11月6日 · トランプ大統領とメラニア夫人、安倍首相、
拉致被害者の御家族(首相官邸 facebook より)

平壌宣言20年に思う拉致の戦い

(産経新聞令和4年9月16日掲載)

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆

歴史認識問題研究会会長・モラロジー道徳教育財団教授・麗澤大学客員教授

平成14(2002)年の小泉純一郎首相の訪朝から20年が経(た)つ。いまだに北朝鮮に拉致されている横田めぐみさんをはじめとする多数の拉致被害者を助けることができていない。本当に申し訳なく慚愧(ざんき)に堪えない。

拉致問題解決は最優先課題
 だがこの20年間で達成した2つの大きな成果がある。

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安倍晋三元首相を追悼し、国葬儀が平穏のうちに行われますよう、祈ります

・写真:首相官邸のホームページより

安倍晋三元首相を追悼し、国葬儀が平穏のうちに行われますよう、祈ります。

第一次内閣を含め、長期にわたり首相としてその責務を果たし、拉致問題の解決にも被害者のご家族とともに尽力されました。
国際的な指導力を発揮され、また、日本の安全保障の面で重要な平和安全法制等の整備に貢献されました。
心より哀悼の意を表し、9月27日の国葬儀が平穏のうちに行われますよう、祈ります。

2022年 9月13日

代表:後藤献児朗
主筆:西岡力
編集会議一同

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カルト脱会者からこそ学べ ~統一教会問題~ (1) ー中川晴久ー

 

 

 

中川晴久
東京キリスト教神学研究所幹事
日本基督神学院院長
SALTY-論説委員

 

私が統一協会の恐ろしい実態を知る切っ掛けは、私が27歳の時です。
開拓を手伝っている教会に、母とその娘の親子2人が訪ねてきました。教会の近所に2人で暮らしていました。娘さんは当時23歳。牧師が言うには、その娘さんが「統一協会」というキリスト教の異端に通っていることで母親と喧嘩をするようになり、近所のキリスト教会に通うことで話がつき、私たちの教会にやって来たというのです。その後、娘の方は週に何度か牧師と聖書の話をするようになり、母親ともども私含めてすっかり安心していました。
ところが、三ヶ月ほどして突然、娘さんは家出をし合同結婚式のために韓国へと行ってしまったのでした。
夜中に窓から裸足で家を抜け出したのです。後ほど彼女から入った連絡では、その理由というのが私の教会の人たちから拉致監禁される危険を察知したからなのだというのです。
何で私たちが拉致監禁なんてしなければならないのか?一体、何の話しているのか?目の前では、一人残された母親の泣き崩れる姿がありました。この統一協会という団体がどれほどトンデモナイ犯罪集団であったかを私が知ることになったのは、それが始まりでした。

※フロント画像は、この娘さんが置いていったピアノで母親から私の教会に寄贈されたものです。現在、礼拝にて使用されています。

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【 書評 】桜林美佐著『危機迫る日本の防衛産業』-中川晴久-

 

 

 

中川晴久
東京キリスト教神学研究所幹事
日本基督神学院院長
SALTY-論説委員



防衛問題研究家である桜林美佐さんの著書『危機迫る日本の防衛産業』が出版されました。桜林さんは防衛問題について長年地道な取材を続けられ、「チャンネルくらら」では毎週土曜日『桜林美佐の国防ニュース最前線』にて日本の安全保障の重要な情報提供をしてくださっています。

第二回 SALTY特別講演会(東京)開催!

写真:東京会場(お茶の水クリスチャンセンター)

 

 

 

 

日本キリスト者オピニオンサイト-SALTY-代表
有限会社サーブ介護センター 代表取締役

第二回 SALTY特別講演会(東京)開催!

2022年8月15日(月)。

 東京お茶の水クリスチャンセンターにおいて、『戦争反対で戦争は防げない』というテーマで、「第二回 SALTY特別講演会(東京)」が開催された。

 8月11日(木・祝日)の大阪会場(大阪市中央公会堂 大会議室)に続いての開催です。

 日本キリスト者オピニオンサイトSALTY主催、防衛関係キリスト者の会「コルネリオ会」協賛による開催で、第一部は、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)会長、そしてSALTYの主筆でもある西岡力氏による特別講演「ウクライナ戦争からキリスト者が学ぶべきこと」がテーマ。

第二回 SALTY特別講演会(大阪)開催!

『戦争反対で戦争は防げない』 

(大阪会場:2022年 8月11日)

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY- 主催の『第二回 特別講演会』が、大阪市中央公会堂(大会議室)で開催され、来会者一同、熱心に講師の語る内容に耳を傾けました。

 

第1部 主題講演

「ウクライナ戦争からキリスト者が学ぶべきこと」(講師:西岡力 氏)

第2部 パネルディスカッション
 講演:「これからの時代の日本宣教」後藤牧人 氏      

 講演:「民間人のための戦時国際法」後藤望 氏

YouTube (画像をクリック)

 

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安倍さんは統一協会と関係ない。(3)~敵対関係という「関係」~ −中川晴久−

 

 

 

中川晴久
東京キリスト教神学研究所幹事
日本キリスト神学院院長
SALTY-論説委員

 世間ではまだほとんど取り上げられていない重要な問題があります。それは安倍元総理が第一次政権より「戦後レジームからの脱却」を掲げ、その後も一貫して取り組んできた教育改革です。この教育改革は、統一協会による日本人支配を阻止するために必要不可欠なものでした。本来、統一協会問題を語る上ではもっとも語られるべきテーマなのです。 “安倍さんは統一協会と関係ない。(3)~敵対関係という「関係」~ −中川晴久−” の続きを読む