「自由が悪魔の道具になる」とは? ~ 明石清正 ~

 

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

ソルティーの主筆・西岡力氏と、評論家・江崎道朗氏が、「闇鍋ジャーナル(仮)」というユーチューブ番組に出演しました。

 江崎氏による経済安保の話についてなど、とても分かりやすい解説があったが、次の産経新聞の記事を西岡氏を中心に取り上げています。

米国よりマシな日本 ジョージタウン大教授・ドーク

 西岡氏が、「自由が悪魔の道具」というドーク教授の言葉を取り上げています。つまり、自由主義社会に生きている時に、自由の上に、道徳や宗教がなければ、それは悪魔の道具になる、というものです。

 西岡氏は加えて、二代目大統領のジョン・アダムズが、「私たちの憲法は道徳的で宗教的な人たちのみのために造られた」と言っていることを指摘しています。それから、「日曜日に教会に行き、世界を造り、人類の罪のためにキリストが十字架につけられたということに、頭を垂れる人々が秩序を造っていた。自分よりも偉大な存在があるとしないと、道徳は成り立たない」と言われています。

 日本においても、世界においても、この傾向、つまり「自分たちを超えたところにある存在」つまり、神を恐れないでいるために、全体主義が蔓延り、歪んだ自由主義が蔓延しているのです。全体主義は独裁者が自分より上に主権者がいることを忘れていますが、それに対抗する自由主義社会が、神を認めないので、自由が悪魔に利用されているので、それで、真の意味での自由が失われている、ということです。 “「自由が悪魔の道具になる」とは? ~ 明石清正 ~” の続きを読む

「第2回 SALTY特別講演会」のお知らせ

第2回 SALTY特別講演会 のお知らせ

暑中お見舞い申し上げます

8月に、『SALTY特別講演会(第2回)』 を開催いたします。

大阪(8/11)、東京(8/15)の各集会にぜひ、お越しくださいますよう、ご案内いたします。
皆様のご出席を心よりお待ちしています。

(開場:13:30〜) 

*ご注意

<大阪会場>の当日、8月11日(木・祝)は、祝日のために大阪市中央公会堂周辺は、車の乗り入れができません。
自動車で来会される皆様は、北側と南側の川を渡ったコインパーキングなどをご利用ください。
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●  SALTY特別講演会【大阪】
8月11日(木・祝) 14時から
会場:大阪市中央公会堂 B1F 大会議室
https://osaka-chuokokaido.jp/map/

 
● SALTY特別講演会【東京】
8月15日(月) 14時から
会場:お茶の水クリスチャンセンター 8F チャペル
https://ochanomizu.cc/access/

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21世紀にもなって、どうして? −亀井俊博−

写真:大阪・梅田_カリヨン広場(東側より北方向)
(撮影:2022-0522_Piyo ePub Communications)

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

21世紀にもなって、どうして?

2022・5・25

 “21世紀もなって、どうしてこんな事が起こるのか?”と、ロシアによる非道なウクライナ侵攻の悲惨な映像を見ながら嘆く。某TV番組でパネラーの一人が、こう嘆いて“19世紀じゃあるまいし”と付け加えた時、別のパネラーが“人間って19世紀でも21世紀でも本質は変わりませんよ”と応じた。すると慨嘆者は“そんなことはない、人間は進歩するものですよ!”と色を成して反論していた。

 私は両面あるよなあ、と言うのが実感ですね。文明文化は進歩発展するかもしれないが、道徳面では進歩も発展もないのではないか、と言うのが偽らざる人間の実態ではないのかと思うのです。以下の論は現代世界を俯瞰した非人称的、さらには三人称的記述であり、二人称的あるいは一人称的当事者の悲惨さを捨象したものではありますが、こう言う論述も必要ですので、のべてみます。

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覇権大国ロシア ~明石清正~

 

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

 毎月、「激動の世界情勢を聖書から読み解く」という題名で、ビズテリアという、経営者向けの勉強会を開いていますが、ウクライナへのロシアの侵攻が、北京五輪中に起こり得るという、米政府の見立てがあったので、緊急に、収録してもらいました。

第28回目の「激動の世界情勢を聖書から読み解く」覇権大国ロシア

 そして、イスラエル在住経験の長いレポーターの方が、以下の記事を先ほどアップしておられます。

ベネット首相が安息日に緊急会議:ウクライナからイスラエル市民退避急ぐ 2022.2.13

 イスラエルのベネット首相は、建国以来、初めての宗教的なユダヤ人です。つまり、安息日は必ず休みます。バイデン大統領に会って、帰国が安息日に入るので、一日延ばしたほどでした。その彼が、緊急会議を開いたということは、相当なことです。

 シェア元の勉強会のために、何人かの、在日ウクライナ人のユーチューバーの動画を視ましたが、涙を流しながら、その悲痛な思いを吐露するものばかりでした。そして、CBNという米福音派の報道局では、長年のロシア軍事侵攻の圧迫のために人々が精神的に疲弊しており、けれどもウクライナ人の教会では、イエスの平和を宣言しているという報道をしています。

 主が、ご介入されて、憐れみによって戦争が回避できるようお祈りしたいです。

「亡国の環境原理主義」から思う似非キリスト教 −明石清正−

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

 

 COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が、10月31日から11月12日まで、英スコットランド・グラスゴーで行われている中で、本書を読了しました。内容は、著者ご本人が以下の記事で書いています。

亡国の環境原理主義

 個人的に、地球温暖化問題には苦手意識があり、避けてきた問題でした。一つに、あまりにも二極化が進み、気候変動に対する懐疑派との対立が非常に大きいことがあります。もう一つは、数字との戦いがあり、私は理系肌では全くないので、避けてきました。

 しかし、もはや個人的には避けられない問題かもしれない、いや、世界規模の諸問題に通底する考え方が一つの線につながってきた思いがし、それを言葉にして述べる勇気を得ました。

 きっかけは、たまたま、教会に、関連する分野をお仕事にしておられる方がいることです。彼が私に、「環境”正義”、気候”正義”という言葉が欧米で使われています。その正義って、キリスト教があるから出てくる発想ですよね?」と感想を求めてきました。日本では二酸化炭素を「減らす」ことで貢献ができるというのが理解だけれども、二酸化炭素自体を悪と見なす二元論が気になっている。それは、もしやキリスト教から来ているのでは?ということです。

 一般の日本人で、この分野に詳しい人であれば、キリスト教が背後にあるのでは?という発想をするはずだと、私も強く思いました。案の上、本書では、次のようなくだりがあります。 “「亡国の環境原理主義」から思う似非キリスト教 −明石清正−” の続きを読む

書評 倉山満著『ウェストファリア体制』 −中川晴久−

 

 

 

中川晴久
東京キリスト教神学研究所幹事
主の羊クリスチャン教会牧師
SALTY-論説委員

 日本の福音宣教を考えるとき、倉山満著『ウェストファリア体制』(PHP新書)が、いかに重要なテーマをであるか。〈日本のキリスト者が未だ語ってこなかったものであり、語らねばならないメッセージであり、語る使命がある〉。この『ウェストファリア体制』はそれを教えてくれます。私なりに「書評」という形でこの場をかりてお伝えしたい。私はこの本をぜひ日本のキリスト者にこそ読んでほしいと思っています。
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今、世界を揺るがす左翼と右翼 −金井 望−

SALTY論説委員 金井 望

最近、香港、ソウル、ジャカルタなどアジアの各地で、政府の方針に反対する市民の大規模な抗議活動が、相次いで起こっています。それは、政府によって国民の自由と民主主義が脅かされていることに対する危機感が、人々に高まっていることが、要因の一つと言えるでしょう。

  香港で政府と市民のせめぎあいが激しさを増している

香港では今年4月に政府が、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案を、立法会に提出しました。6月以降、これに反対する市民の大規模な抗議活動が続き、10月23日の立法会本会議で、香港政府は正式に条例の改正案を撤回しました。

中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は11月4日夜、上海で香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官と会談し、「秩序を回復することが香港政府の最重要任務であり、法に基づいて暴力活動を処罰することが香港市民の幸福を守ることになる」と述べました。中国共産党は、香港の情勢を安定させるために、法制度の整備を進める方針を打ち出しています。

11月24日に予定されている区議会議員選挙を前にして、民主派の議員3人が、逮捕・起訴されました。政府や警察が強硬姿勢を示す中で、市民の反発は激しさを増しており、抗議活動に参加する市民が数万人の規模になっています。若者たちは地下鉄の駅や店舗を壊したり、道路にバリケードを築いて燃やすなど、過激な行為に及んでおり、警察は催涙弾を多用しています。

11月4日に行われた抗議活動に参加していた男子大学生が、警察の強制排除の最中に建物から転落して、8日に病院で死亡しました。11日の朝には、抗議活動に参加していた若者たちに警察官が発砲し、男性1人がけがをして一時重体となりました。

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週の真ん中ストレート(12)共産党の日仏比較ー田口 望

フランス共産党旗(左)と日本共産党旗(右)
田口望
田口望

 

 

 

田口 望
大東キリストチャペル 教役者
大阪聖書学院 常勤講師
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY- 論説委員

ヨーロッパの共産党

前回、私は、左のすべては悪いわけではなく、共産主義と名が冠していてもキリスト教主義に立脚しようとしているものすらあることを案内しました。

「週の真ん中ストレート(11)良い左、ダメな左」

実際に世界に目を転じてみましょう。資本主義陣営、西側諸国にあり「共産党」で政権与党入りした国だってあるのです。小沢一郎氏が昨今提唱する野党の比例代表統一名簿作戦「オリーブの木」はもともと、イタリアがその典拠です。

イタリアの左派連合政権で、その中核をになったのは左翼民主党でその前身はイタリア共産党でした。また、フランスでも1997年の保革共存政権で社会党のジョスパン内閣にフランス共産党は2名の閣僚を送り込んで政権の一翼を担いました。こういう事例を見ると日本でも日本共産党と組んで選挙協力、はたまた共産党を含めた連立政権ってありに見てくる人もいるのでしょうが実際はどうなのでしょうか?

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週の真ん中ストレート(10)共産党…存在することすら許されない政党ー田口 望

反共主義
田口望
田口望

 

 

 

 

田口 望
大東キリストチャペル 教役者
大阪聖書学院 常勤講師
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY- 論説委員

 

西ドイツにも迫った共産党の魔の手

旧ドイツ共産党旗
旧ドイツ共産党旗

 前回の週の真ん中ストレートでは、東ドイツの共産党が見せかけだけの柔軟路線で社民党と合併し、ドイツ社会主義統一党という政党をつくり、多くの弾圧や離散家族を生んだことを学びました。では西ドイツの共産党はどうなったのでしょうか?
西ドイツでも戦後まもなく共産党は再建され、国政選挙にも進出し5パーセント以上の得票率を得て、十数議席を得ました。今の日本共産党が得る得票率、議席数とほぼ同じです。しかし、西ドイツは東ドイツや戦前のワイマール共和国の轍を踏むことはありませんでした。

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