寄り添い世代とアニマル・スピリット世代のコラボ −亀井俊博−

写真:武庫大橋と子どもたち/「環境神学」あとがき  p.103

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

寄り添い世代とアニマル・スピリット世代のコラボ

2022・1・15

ほほえみの国、日本!

 先日あるベテラン・エコノミストが某TV番組で話していました。コロナ禍が始まる直前の事、香港に仕事で行ったとき、空港であるパンフレットを見てショックを受けたと言う、そこには“ほほえみの国、日本ツアー案内”とあった。“ほほえみの国”と言えば、かつてはタイであったはず、いや私を含め今でもそう思っている人が多いでしょう。しかし中国人から見れば、もはや日本はかつてのエコノミック・アニマルの儲け話にぎらつく目を止め、厳しいビジネス競争に疲れた香港人はじめ、中国のビジネス・パーソンを癒す、優しい“お・も・て・な・し”のこころをたたえた“ほほえみの国”になった、と見えている,と言うのです。エコノミスト氏だけでなく、私もかなりショックでした。

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美田を残す、元気印老人の夢 −亀井俊博−

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写真:「西谷の森公園」宝塚市

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

「美田を残す、元気印老人の夢」

2021・11・3

人生120年時代の到来

 先日、芦屋キリスト教協議会と言う、芦屋市内のカソリック、プロテスタント等市内キリスト教会のほとんどが参加する団体が主催する“市民教養講座”で、“モーセ”についてお話しくださいと依頼を受けました。そこで“人生120年時代のヒント、モーセに学ぶ”と題してお話ししました。

 モーセと言う人は120才まで生きた人で、超長寿社会到来(“人生120年時代が来る「抗老化」研究最前線リポート”週刊朝日2021・7・23)の現代人の生き方モデルとなると思います。

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教会にはなぜ女性が多いか? −亀井俊博−

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

「教会にはなぜ女性が多いか?」

2021・5・19

宣教師の質問

「阪神宣教祈祷会」と言う、大阪と神戸の間・阪神地域の福音派を中心とした牧師会があります。半世紀近く阪神地域の福音宣教と教会相互のために祈る交わりです。私も40年以上その交わりに与っており、ありがたく思っています。近年は足が弱くなり、毎月地域教会持ち回りの集いに参加が難しくなり、加えてコロナ禍で感染の危惧のためなおさら足が遠のいていました。しかし、5月はズームでの牧師会と言う事で、久しぶりに参加、色々刺激がありました。懐かしい常連の先生方、新しく加わった牧師方もあって活気があります。

 その中で、ユー・チューブ伝道をなさっているユニークで大変有能なH牧師が、質問をなさり気になったものですから、ここに考えてみました。先生は、米国の宣教師であり所属の宣教師団体からの要請があったと言うのです。それは“日本の教会は女性が多いが、何故なのか?”と言う質問で、皆さんにお尋ねしますとの事。会議ですので、答える時間を取る余裕がなく、司会者が後日、質問書を送るので、お答えくださいと引き取ったのです。後日届いたメイルには、質問の背後に男性伝道策のシェア要請があるとの事でした。

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コロナ危機による失業問題の積極的な解決策について −金井 望−

論説委員 金井 望

「あなたがたもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を支払うから」
「自分の分を受け取って帰りなさい。私はこの最後の人たちにも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ」
(マタイ20:4,14)

  ぶどう園のたとえ

 冒頭に掲載した絵は、イエス・キリストが語ったたとえ話の一場面を描いたものです。紀元30年頃のユダヤ社会には、自分の農地を持たない日雇い労働者がいました。

 ある農園主が夜明け頃に町に出かけて行って、1日1デナリオン賃金を支払う約束で労働者を雇い、ぶどう園に送りました。農園主はその後もたびたび労働者を雇い、「ふさわしい賃金を支払う」と言って、ぶどう園に送りました。その日、早朝から働いた者たち、9時頃から働いた者たち、正午頃から働いた者たち、午後3時頃から働いた者たち、午後5時頃から働いた者たちがいました。夕方6時頃になると主人は管理人に命じて、最後に来た者から始めて最初に来た者まで順番に、労働者全員に1デナリオンずつ賃金を支払わせました。

 すると、最初に雇われた労働者たちが農園主に不平を言いました。
「俺たちは、この暑い日に一日中、辛抱して働いたんだ。それなのに、なぜ1時間しか働かなかったこの連中と俺たちの賃金が同じなのか」
農園主は応えて言いました。
「私は不当なことをしていない。あなたは私と1デナリオンで契約したではないか。私はこの最後の人たちにも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。自分の金を自分のしたいようにして、何がいけないのか」

 1デナリオンはローマ帝国の銀貨で、当時、一日の労賃の標準となっていた金額です。午後5時頃に雇われた労働者たちは、その時刻にそこに来たのではありません。彼らは一日中そこに立っていたのですが、誰も彼らを雇ってくれなかったのです。雇用者は当然ながら、能力の高い労働者から雇って、連れて行きます。最後に残るのは、能力が低い労働者たちです。元気で勤勉な青年男子は真っ先に雇ってもらえますが、老人や女性、子ども、病人、障がい者、外国人などは後に回されがちになります。けれども、生活費として一日に1デナリオンを必要としているのは、どこの家庭も同じでした。

イエスは「天の国は次のようにたとえられる」と言って、この話をしました。「社会主義の国を造れ」と言っているのではありません。天の父がひとりひとりの人権と生活に配慮しておられること、神の御心が実現する世界ではこの世と異なった価値観が支配することを、イエスは教えたのです。

  10兆円の予備費と失業問題

さて、新型コロナウイルス対策を推進するために編まれた今年度第2次補正予算が6月12日の参院本会議で可決、成立しました。一般会計の追加歳出は補正予算として過去最高の31兆9114億円であり、財政投融資や民間融資なども含めた事業規模は117兆1000億円にのぼります。第1次補正予算と併せた事業規模はGDP(国内総生産)の4割にあたります。

 第2次補正予算は(1)雇用調整助成金の拡充(2)資金繰り対応の強化(3)家賃支援給付金の創設(4)医療提供体制の強化 が柱となっていますが、さらに10兆円の予備費が計上されています。これを用いて、コロナ危機による失業問題を解決する方策を、筆者はここで提案します。 “コロナ危機による失業問題の積極的な解決策について −金井 望−” の続きを読む

日本語指導の必要とその宣教的ポテンシャルについて −金井 望 −

(トップの写真の出典:神戸YMCA 日本語会話クラス)

論説委員 金井 望

 外国人材受け入れ拡大法(改正出入国管理・難民認定法)が12月8日未明に参議院で可決・成立しました。政府は、2019年度から5年間に14業種で最大34万5150人の受け入れを、見込んでいます。少子高齢化が進行し、人口減少・人手不足が深刻化する日本社会の現状を考えると、これは避けて通れない道でしょう。しかし、問題課題は山積しています。

「改正入管法が成立 外国人労働者の受け入れ拡大 10日に国会閉会へ」(産経)

「「移民流入」世界4位の日本で、頑なに「移民」と言いたがらない安倍首相の頭の中」(文春)

日本の保険証が狙われる ~外国人急増の陰で~(NHK)

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日本葬送宣教論 (3) 「家」と「村」-金井望‐

トップの絵:William Brassey Hole (1900s)


金井 望(カナイノゾム)
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  論説委員

【前回】日本葬送宣教論 (2) 大きく変わる日本の葬送 −金井望−

第2節 地域共同体と檀家制度の成立と崩壊

 

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イエスが町の門に近づくと、見よ、ある母親の一人息子が死んで、担ぎ出されるところであつた。その母親は寡婦であり、その町の大勢の人々が、彼女に付き添っていた。すると主は彼女を見て、深く憐れみ、彼女に言った、「泣きなさるな」。そして近寄って行き、棺に触れた。すると棺を担いでいた者たちは立ち止まった。そこでイエスは言った、「若者よ、私はあなたに言う、起き上がりなさい」。すると、死者は起き上がって、語り出した。イエスは彼をその母に渡した。(ルカ7:12-15 私訳)

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沖縄にある「声に出せない」という苦しみ −後藤献児朗−

 

 

 

 

日本キリスト者オピニオンサイト-SALTY-代表
有限会社サーブ介護センター 代表取締役

「沖縄にある本当の苦しみ」

従業員の結婚式と私たちの結婚記念を祝うことと、兼ねてより「社会問題を語るキリスト者のひろば」というSNSグループの中で話題になっておりました、沖縄に住む方々の「本音」を知ること、つまり「平和運動を行っている方々」にではなく、沖縄県内で静かに暮らす「一般の方々」から、「生の声」を聴くことも旅行の目的でもありました。

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