日本学術会議の刷新

<写真:日本学術会議 庁舎_Wikipediaより>

11月に入り、国会の予算委員会などでは連日、「日本学術会議」の任命拒否問題の質疑がなされ、テレビや新聞、各メディアの公式WEB、各種のSNS上で取り上げられています。

この度、「南原繁研究会」の代表の樋野興夫氏(新渡戸稲造記念センター長、順天堂大学名誉教授、順天堂大学医学部病理・腫瘍学客員教授)の J-STAGE(*注1) の2001年の論説向上心のある虫 -学者の風貌-の紹介を受けました。

この中で、<「総合科学技術会議」VS「日本学術会議」>の課題について、筆者は次のように述べています。

樋野興夫教授:南原繁シンポジウム_2016

「『科学する心』には、『政治にゆがめられた科学する心』と 『政治にゆがめられない科学する心』の2種類がある。  行政機関である 『総合科学技術会議』 は立場上当然、前者である。
一方、『日本学術会議』 は、当然後者であるべきである。  もし、後者であることを放棄すれば、『もし塩が塩けをなくしたら……。もう何の役にも立たず、外に捨てられて、 人々に踏みつけられるだけです』(マタイ5章13節) の運命である。」
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第17回『南原繁研究会シンポジウム』開催

 南原繁研究会主宰の 第17回『南原繁研究会シンポジウム』が、2020年11月3日(火)午後1時から学士会館を会場に開催されました。

今回は、新型コロナウィルスの感染拡大の第二波の最中でもあり、会場の学士会館での参加人数を制限しての開催と、ZOOM でのオンライン開催として行われました。

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 基調講演の前川喜平氏は、「教育勅語」の研究を踏まえて、戦後の教育基本法の制定、日本国憲法の制定、及び、2006年の教育基本法の改正の経緯とその背景、その意味する事柄などをわかりやすく語られました。
基調講演:前川喜平氏

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コロナ危機による失業問題の積極的な解決策について −金井 望−

論説委員 金井 望

「あなたがたもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を支払うから」
「自分の分を受け取って帰りなさい。私はこの最後の人たちにも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ」
(マタイ20:4,14)

  ぶどう園のたとえ

 冒頭に掲載した絵は、イエス・キリストが語ったたとえ話の一場面を描いたものです。紀元30年頃のユダヤ社会には、自分の農地を持たない日雇い労働者がいました。

 ある農園主が夜明け頃に町に出かけて行って、1日1デナリオン賃金を支払う約束で労働者を雇い、ぶどう園に送りました。農園主はその後もたびたび労働者を雇い、「ふさわしい賃金を支払う」と言って、ぶどう園に送りました。その日、早朝から働いた者たち、9時頃から働いた者たち、正午頃から働いた者たち、午後3時頃から働いた者たち、午後5時頃から働いた者たちがいました。夕方6時頃になると主人は管理人に命じて、最後に来た者から始めて最初に来た者まで順番に、労働者全員に1デナリオンずつ賃金を支払わせました。

 すると、最初に雇われた労働者たちが農園主に不平を言いました。
「俺たちは、この暑い日に一日中、辛抱して働いたんだ。それなのに、なぜ1時間しか働かなかったこの連中と俺たちの賃金が同じなのか」
農園主は応えて言いました。
「私は不当なことをしていない。あなたは私と1デナリオンで契約したではないか。私はこの最後の人たちにも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。自分の金を自分のしたいようにして、何がいけないのか」

 1デナリオンはローマ帝国の銀貨で、当時、一日の労賃の標準となっていた金額です。午後5時頃に雇われた労働者たちは、その時刻にそこに来たのではありません。彼らは一日中そこに立っていたのですが、誰も彼らを雇ってくれなかったのです。雇用者は当然ながら、能力の高い労働者から雇って、連れて行きます。最後に残るのは、能力が低い労働者たちです。元気で勤勉な青年男子は真っ先に雇ってもらえますが、老人や女性、子ども、病人、障がい者、外国人などは後に回されがちになります。けれども、生活費として一日に1デナリオンを必要としているのは、どこの家庭も同じでした。

イエスは「天の国は次のようにたとえられる」と言って、この話をしました。「社会主義の国を造れ」と言っているのではありません。天の父がひとりひとりの人権と生活に配慮しておられること、神の御心が実現する世界ではこの世と異なった価値観が支配することを、イエスは教えたのです。

  10兆円の予備費と失業問題

さて、新型コロナウイルス対策を推進するために編まれた今年度第2次補正予算が6月12日の参院本会議で可決、成立しました。一般会計の追加歳出は補正予算として過去最高の31兆9114億円であり、財政投融資や民間融資なども含めた事業規模は117兆1000億円にのぼります。第1次補正予算と併せた事業規模はGDP(国内総生産)の4割にあたります。

 第2次補正予算は(1)雇用調整助成金の拡充(2)資金繰り対応の強化(3)家賃支援給付金の創設(4)医療提供体制の強化 が柱となっていますが、さらに10兆円の予備費が計上されています。これを用いて、コロナ危機による失業問題を解決する方策を、筆者はここで提案します。 “コロナ危機による失業問題の積極的な解決策について −金井 望−” の続きを読む

日本経済を守る~リフレ派理論~ -中川晴久-

 

中川晴久
東京キリスト教神学研究所幹事
主の羊クリスチャン教会牧師
SALTY 論説委員

トランプ大統領は、新型コロナウィルスの影響で困窮している自国民のために、早い段階でお金を配ることを決断しました。日本政府のおそい対応とはまるで正反対です。

米国がなぜお金をすぐに配ったか?

 経済学におけるリフレ派理論が確立していたからです。
米国ではすでに恐慌についての分析と研究ができています。さらに恐慌から抜け出すノウハウもある。だから、米国はそのマニュアルに沿ってお金を出しました。
ノーベル経済学賞の受賞者が出るくらいのちゃんとした最先端の経済理論があってのことです。
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戦争について考える(その2)−後藤望−

後藤望(ごとう のぞみ)
元航空自衛官、救難員として奉職。
現在は鍼灸師として西洋医学の隙間に落ち込んでいる人を助けたいと願っている。 将来はネット伝道師として働きたいと、現在JTJ宣教神学校で勉学中。 ベンチプレス105キロの体育会系クリスチャン。


憲法九条について

 安倍政権は、今までタブーとされてきた事に対して着手しようとしていることから、政権を強く批判する方々がおられます。一般社会と同様、キリスト教界の中にも安倍首相批判の動きに同調する人も、少数とはいえ存在します。その是非はともかくとし、その非難の大きな理由が憲法九条改正の問題だと思われます。

 憲法改正の問題は、九条二項をそのまま残して新たな文言を書き加える「加憲」と、二項そのものを削除しようとする「改憲」がありますが、ここではその詳細について書くことを控え、まず憲法九条そのものの持つ意味と、そこから導き出される問題、そして「中立」について考えてみたいと思います。

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戦争について考える(その1)−後藤 望−

<戦争に関する法律を学ぶ>

後藤望(ごとう のぞみ)
元航空自衛官、救難員として奉職。
現在は鍼灸師として西洋医学の隙間に落ち込んでいる人を助けたいと願っている。 将来はネット伝道師として働きたいと、現在JTJ宣教神学校で勉学中。 ベンチプレス105キロの体育会系クリスチャン。

「戦時国際法」について

戦時国際法

 「戦時国際法」とは別名戦争法、武力紛争法、国際人道法と呼ばれています。その内容は「戦争とは避けられないもの」という前提から、いかにフェアに戦うか、戦い方はどうするのか、誰と誰が戦うのか、戦う力を失った人、戦う力のない人の扱いはどうするのか、といった事を規定した法律です。

 勿論これは遠い根拠を探れば、紀元前12世紀のハンムラビ法典の精神から発しているのは間違いないでしょう。「目には目を、歯には歯を」の条文が有名ですが、このことばの意味するところは、「やられたらやり返せ!」ではなくて、やられてたら「倍返し」をしたい気持ちをぐっとこらえて、同害報復を限度とせよという意味なのです。つまり、「目に損害を受けた場合相手の目に同じくらいの損害を加えるまでにとどめよ」、「歯に損害をうけたならば、相手の歯に報復をする以上のことをするな」、という意味であり、その精神は「過剰報復の禁止」にあるのです。

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日本の人口減少問題から見る危機迫る教会(教団)教勢 -後藤献児朗-

後藤献児朗
日本キリスト者オピニオンサイト-SALTY 
代表
有限会社サーブ介護センター 代表取締役

 立場上、多くの方と仕事をすることがあります。その中には「お寺のご住職」もおられます。檀家が激減し生計を立てることが困難となり、やむなく介護の資格を取得し、介護の業界で働かざるを得ないのです。そのような方を数名知っていますが、彼らはいつの間にか「本業が介護職」となり「住職が副業」となってしまっているのです。本堂を改修してくても資金がなく手付かずのままだと聞きます。

キリスト教界の現在と今後はどうなっていくのでしょうか? 27年後(2045年)の教会(教団)の教勢について考えてみます。

日本の人口は27年後2000万人(約15%)減少すると言われています。

下記の「人口ピラミッド」は、1980年と2017年のものです。

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