韓国保守の極右化を憂う −西岡力−

写真:韓国 国会議事堂(Wikipedia より)

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学特任教授
国基研企画委員兼研究員

韓国保守の極右化を憂う

 

 ■世界にはびこる自民族優先主義
 韓国で極右勢力が保守野党を乗っ取った。
 私は、昨年12月3日の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領による戒厳令宣布から始まった激動により、韓国政治の座標軸が右に寄り、右翼全体主義勢力、極右勢力が出現したと主張してきた。

 ついに国会300議席のうち100超の議席を持つ保守野党「国民の力」の代表に、尹氏弾劾に反対し不正選挙陰謀論を擁護する極右候補、張東赫(チャンドンヒョク)氏が選ばれた。

 一方、与党「共に民主党」の代表には過激な左派である鄭清来(チョンチョンネ)氏が選ばれた。鄭氏は「国民の力」を尹氏による内乱に加担した非民主主義政党とし、憲法に基づき解散させるべきだと主張している。「国民の力」が極右に乗っ取られた結果、政党解散要件を自ら準備した結果になったと、常識的保守の代表である趙甲済(チョガプチェ)氏は語っている

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