日本が堅持してきた「保守主義」 −西岡力−

写真:「終戦の詔書」(国立公文書館 より)

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学特任教授
国基研企画委員兼研究員

日本が堅持してきた「保守主義」

2025/10/17

保守とは着実な「漸進主義」

 自民党総裁選で保守とは何かが議論になった。私は、先祖たちが築いてきた伝統と文化を大切にするという縦軸と、普遍的な価値観である文明を果敢に取り入れるという横軸の交わる地点で、急進主義に立たず一歩一歩、着実に物事を改善していく漸進主義が保守だと考えている。

 わが国はこのような保守の立場を堅持してきた。古代では中国文明を取り入れながらも易姓革命を排してわが国独自の皇室を中心にした国体を維持発展させた。明治維新では西欧に始まった近代文明を取り入れながらも、国体を維持して非西欧圏で初めて憲法を作り立憲君主制を確立した。この2つこそわが国が保守の立場から国造りをしてきた証しだ。

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日本民族性悪説と戦うことが日本宣教の鍵 −西岡力−

写真:新日本建設に関する詔書(「人間宣言」)
国立公文書館

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学客員教授)

日本民族性悪説と戦うことが日本宣教の鍵

―日本人キリスト者は日本民族を徹底的に愛すべきー

(2023年 4月10日 第1回「SALTY神戸宣教会議」主講演)

●戦後76年のうち46年めぐみさんらを助けられない

戦後、すなわちわが国が大東亜戦争に負けてから今年で78年になる。また、7年間の米軍の占領が終わり、わが国が主権を回復してから今年で71年だ。そして、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されたのが昭和52年、いまだに北朝鮮に抑留され続け抑留は今年で46年になる。戦後32年目、主権回復年25年目に13歳の少女がわが国領土から外国の工作員によって暴力的に拉致され、46年間も助けることが出来ていない。

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日本民族「性悪説」の檻から出よ −西岡 力−

写真:日本国憲法(国立公文書館デジタルアーカイブ)

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆

歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

日本民族「性悪説」の檻から出よ 

 わが国が主権を回復して70年になる。ところがロシアの侵略戦争を前にしても憲法を改正して国軍を持つという主権国家なら当然なすべきことを未(いま)だにできないでいる。その根本的理由は日本民族「性悪説」の檻(おり)に閉じ込められ、精神における主権回復ができていないことだと、私は考えている。

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