明石清正
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表
日本キリスト者オピニオンサイト 論説委員
これから中東情勢を担当させていただきます。私が近現代の中東情勢に興味を持つようになったのは、何といってもそれが「聖書の舞台」だからです。
「私は戦時中に敵を知ろうと、キリスト教を調べ聖書にぶつかった。初めは文明を誇る白人がなぜこんなものを信じるのかと笑ったが、聖書が歴史的事実と知ったとき、聖書から離れられなくなった。」
こう語られたのは、三笠宮崇仁殿下です。殿下は古代オリエント史の研究に生涯を捧げられました。このように聖書は、単なる心の素養のための教養や道徳書ではなく、神が人間に介在された、列記とした史実であるということです。
けれども、その史実は聖書の正典が完成したことによって終わりませんでした。現代、そして未来にも及ぶ、前もって告げられた壮大な歴史、預言でもあります。イエスは「世の終わり」までを告げられ、聖書の書かれた時代以後にも渡る言葉を残されました。そして、何千年も前に書かれた神の言葉が確かに実現していることを、今現代も見ることができます。
これは決して、占いや予言のように、ニュースで話題になっている出来事を無理やり聖書の文言に押し込むことではありません。中東の各地域にある特性、歴史や政治、国民性など、聖書時代とさほど変わらず、むしろそれを再現していることを証ししています。現地の人たちも、自分たちが聖書に出てくる地名や民族であるとして、誇りに思っているほどです。
「イスラエル」「エジプト」「ヨルダン」「レバノン」「トルコ」「シリア」「サウジアラビア」「アラブ首長国連邦」「イエメン」そして「イラン」があります。その周囲、北アフリカの「リビア」「エチオピア」「スーダン」それから、北にある「ロシア」、西にある「ギリシア」「スペイン」辺りまで、聖書は網羅しています。これらの国々は私たちがほとんど目にしない、ニュースの片隅に置かれていますが、しかし、注意を寄せれば、毎日のように世界へ波及する重要な事件や出来事が起こっています。