最近の韓国のアンチ反日の動きについて(3)−西岡力−

<写真> 2019-1211_午後、日本大使館前慰安婦像付近で抗議行動をしている李宇衍博士たち。向かって右が李宇衍博士。李宇衍博士が持つ看板には左上から「歴史歪曲、反日助長、慰安婦像撤去せよ」、右上から「歴史歪曲、反日助長、水曜集会、中断せよ」と書かれている。 ( JINF 12/16 の記事より

 

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

*『 歴史認識問題研究 』 第8号 (2021年3月19日)より転載

<その2より>

 

Ⅱ 「アンチ反日」運動の誕生と活発な活動

(1)2019年のアンチ反日デモ

『反日種族主義』出版と並んで、2019年にはもう一つ、見逃せないアンチ反日の大きな動きがあった。それは慰安婦像と「徴用工」像の撤去を求める街頭行動が始まったことだ。これまで韓国では、歴史認識問題をテーマにした反日デモはくりかえし行われてきたが、反日に反対するアンチ反日デモはこのときが、史上初めてだった。

 その端緒は、2019年の文在寅政権による露骨な反日キャンペーンに対して、文在寅政権に反対する在野の保守勢力が街頭で行った、大規模な集会とデモだった。

 2019年8月15日の午後、激しい雨の中で、約10万人が集まる反文在寅デモが行われ、そこで、公然と文在寅政権の反日が批判された。反文在寅デモ参加者の多くは、韓国の 国旗である太極旗を持っていた。また、それよりは少ないがやはり目についたのは、韓国の同盟国である米国の国旗だ。しかし、中には片手に太極旗、もう一方の手に日の丸を持つ参加者もいた。同じ日の夜、左派が反日、反安倍デモを行ったが、面積から割り出 した参加者数は約5万人で、反文在寅デモの半分しか動員できていなかった。

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最近の韓国のアンチ反日の動きについて(2)−西岡力−

<写真> 2021年1月26日(火)に首相官邸にて、「ソウル中央地方裁判所の慰安婦判決に抗議する日韓法律家・知識人共同声明」を加藤勝信官房長官に手交した時の写真( HARC 1/26 より)

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

最近の韓国のアンチ反日の動きについて(2)

*『 歴史認識問題研究 』 第8号 (2021年3月19日)より転載

<その1より>

Ⅰ 実証主義歴史学者による啓蒙活動 (1)

1)植民地近代化論論争と慰安婦タブー

 すでに韓国史学界では主として経済史専門家らによって、侵略と収奪という従来の学界の見方に反対して、日本統治時代に近代化が進んだとする植民地近代化論に立つ実証研究が1980年代から積み重ねられていた。(注2)しかし、学界内部では激しい論争が続いているが、韓国社会全体に対する啓蒙活動はそれほど活発ではなかった。(注3)

 特に、慰安婦問題や朝鮮人戦時労働者問題など、日韓の外交紛争については、結果的に日本側を弁護することになる実証研究結果を対外的に明らかにすることはほぼなかった。あるいは大きなタブーがあって、事実上できなかった。(注4)

 このタブーを破ったのが李栄薫ソウル大学教授(当時)だった。

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米国によるアフガン民主化失敗の文明論的意味 −西岡力−

・写真:C-2 輸送機(8/23 アフガンに向けて出発)

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授

米国によるアフガン民主化失敗の文明論的意味

 「我々はアフガンに1兆ドル以上を使って彼らが必要とする全ての道具を提供したが、未来のために戦うという意志まで提供することはできなかった。アフガン軍が自ら戦おうとしない戦争で米軍が戦うこともできず、戦ってもいけない」
バイデン米大統領が8月16日にホワイトハウスで演説した内容だ。

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最近の韓国のアンチ反日の動きについて(1)−西岡力−

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆

歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

最近の韓国のアンチ反日の動きについて(1)

*『 歴史認識問題研究 』 第8号 (2021年3月19日)より転載

はじめに

 二年前から、韓国人の対日観に革命的変化が静かに起きている。その一環として、令和2年(2020)12月、拙著『でっちあげの徴用工問題』が韓国語で全訳され、書店に並んだ。訳者は『反日種族主義』の共著者の1人である李宇衍博士、韓国語版のタイトルは『ねつ造された徴用工のいない徴用工問題』だ。出版社は、慰安婦問題について事実に基づく発信を続けている「メデイア・ウォッチ」(黃意元代表)だ。

 同書出版直後、いくつかの保守ユーチューブテレビが好意的に取り上げた。チャンネル登録67万人のペンアンドマイクTVもその一つだ。ペンアンドマイクTVでは1月12日に、過去『月刊朝鮮』の特ダネ記者として有名であり、『反日種族主義』の共著者であるジャーナリスト金容三氏が、拙著の翻訳者李宇衍氏と約1時間、本を紹介する対談番組を放映した。その中でつぎのようなやりとりがあった。

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書評 中川コージ著『巨大中国を動かす紅い方程式』 −中川晴久−

 

 

 

 

 

中川晴久
東京キリスト教神学研究所幹事
日本キリスト神学院院長
SALTY-論説委員


< 中川コージ著『巨大中国を動かす紅い方程式』 >

 今回紹介したいのは、中川コージ著『巨大中国を動かす紅い方程式』です。

中川コージ先生は、北京大学大学院戦略管理学科で日本人初の博士号を取得された方です。そしてこの本は、長く中国に滞在している中で組織戦略論の視点から中国共産党を真正面から取り扱った本です。
中国共産党による国家運営と統治の方法も日本とはまるで違います。だから誤解も多く、さらに中国の情報統制による不透明さゆえに理解が難しいことは、皆さんも感じていることだと思います。
とはいえ、この本を実際に手に取り開いて見てすぐにわかることですが、この本を誰もが読みやすく、分かりやすいと思うはずです。さらに1章までを読むだけでも、不透明に思えた中国共産党の組織構造が驚くほどクリアになってしまいます。
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戦時労働者問題で画期的判決 −西岡力−

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授

戦時労働者問題で画期的判決

2021.06.14 (月)

 6月7日、韓国ソウル地裁が朝鮮人戦時労働者問題で正当な判決を下した。元労働者ら85人が日本企業16社を相手取り、慰謝料1億ウォン(約1000万円)ずつを求めた訴訟で、訴えを却下したのだ。
43ページにわたる判決全文を読み、裁判長を務めた金亮澔キムヤンホ部長判事のバランス感覚と愛国心に心を打たれた。

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軍に仕え、信仰を最優先に(4)−スティーブ・タウン−

2020年9月12日のコルネリオ会(防衛関係キリスト者の会)の例会(オンライン)で語られた、スティーブ・タウンさんのメッセージ(第4回)です。

 

 

 

米陸軍退役大佐
スティーブ・タウン

 

「軍に仕え、信仰を最優先に」(4)

-2020.9.12 コルネリオ会での証-

第4回>

<第3回より>  <—– クリック

4.東北大震災における神の恵み「米軍トモダチ作戦」

 「米軍トモダチ作戦」でも、私の最後の大きな任務がありました。

 それは、2011年3月 米軍横田基地連絡官事務所に勤務していた時、テレビNHKを見ていました。NHKの臨時ニュースで 「地震が来ます。注意しなさい。」というテロップが流れました。私がそれを見て他の人達に「みんな地震が来るそうです」と叫びましたが、みんなは状況がよくわかりませんでした。

 すぐに司令部の参謀長に電話して「これはひどいことになる。これから日米関係の大きな問題になり、大きな任務になるから、直ちに日米共同調整所、そして防衛のオペレーションセンターを立ち上げて、日米共同作戦の準備をしたほうがいい」と言いました。ほとんど最初は誰も何もやりたくなかったみたいでしたが、とりあえず情報収集をしていました。

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横田滋さん召天1年を迎えての所感、全被害者の即時一括帰国のために全力を尽くします −西岡力−

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授

横田滋さん召天1年を迎えての所感、全被害者の即時一括帰国のために全力を尽くします

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.06.05)より転載

 
令和3年6月5日
 
 初代家族会代表の横田滋さんが召天されて(あえてここでは天国に召されたという意味のキリスト教用語を使います)1年が経ちます。先日電話でお話しした横田早紀江さんは、滋さんのご遺骨は当分ご自宅に置いておいて、めぐみさんが帰ってきたとき抱かせてやりたい、と話していました。まだ、天国の滋さんに喜びの報告をすることはかないません。

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「キダチタバコ」の開花時期(5月〜10月)、ご注意ください! −井草晋一−

・写真:「キダチタバコ」(通称:からし種)

 

 

ピヨ バイブル ミニストリーズ
代表 井草晋一

・SALTY 論説委員
・日本メノナイトブレザレン教団
武庫川キリスト教会 協力牧師
・コルネリオ会教職顧問(関西)

「キダチタバコ」の開花時期(5月〜10月)、ご注意ください。

 イスラエル旅行に行かれた方から分けてもらった、いわゆる「からし種」を栽培されている教会やクリスチャンの方が多いので、最近、心配しています。
 これは、正式名は『キダチタバコ』で、2000年前のイエス様の時代にはパレスチナにはなかった植物で、南アメリカ原産です。(写真:右)

 針でついたように小さな黒い種なのですが、成長すると2〜3メートルほどにもなることもあり、現地のガイドさんや土産物店で『からし種』として「しおり」などに入れて販売されたり、採集された種などを持ち帰ってくる方も多いです。

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ハマスとイスラエルの衝突を読み解く −明石清正−

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

「ビズテリア」と呼ばれる経営者の集まりにて毎月、「激動の世界情勢を聖書から読み解く」勉強会をしております。かつて、中山泰秀議員(現・防衛副大臣)に直にお会いしたこと、そして今回、イスラエルの行動を支持するツイートを中山氏が流したことが、日本のニュースに話題となったところを切り口にして、今のガザ戦で何が起こっているかを、情報戦と心理戦の側面から話させていただきました。彼らの戦略によれば、私たちも情報を受け取った時点で、当事者になっていると述べました。ぜひ、ご視聴ください。