韓国与党惨敗で政権運営に厳しさ増す −西岡力−

写真:尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領  2023-3/16

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学特任教授
国基研企画委員兼研究員

2024.04.15 (月)

韓国与党惨敗で政権運営に厳しさ増す

 4月10日、韓国で国会議員選挙があった。韓国の国会は300議席の1院制で、任期は4年で解散はない。1回の選挙でその後1年間の立法府の力関係が決まる。結果は与党「国民の力」が108議席しか取れず、惨敗した。第1野党の「共に民主党」が175議席、曺国・元法相が3月につくった祖国革新党が12議席、その他野党5議席で、野党の合計は192議席だ。

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北の揺さぶりに日本は原則を曲げるな −西岡力−

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学特任教授
国基研企画委員兼研究員

北の揺さぶりに日本は原則を曲げるな

北朝鮮の金正恩政権の対日姿勢が突然硬化した。岸田文雄政権はこれまでと全く変わらない原則的なことを言っているだけなのに、北朝鮮はそれを問題視し、いかなる接触も交渉も拒否すると高官が繰り返し表明している。

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織田元空将の正論に申し訳ない−西岡力−

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学特任教授
国基研企画委員兼研究員

織田元空将の正論に申し訳ない

産経新聞 令和6年2月8日

1月16日付「正論」(産経新聞コラム)で元空将の織田邦男氏が書いた「憲法に自衛隊明記が必要な理由」を読んで私は恥ずかしくてならなかった。織田氏は結論でこう書いた。

<国防という崇高な使命を果たす自衛隊を憲法に明確に位置付ける。自衛官に名誉を与えるだけでなく、国民に国防の当事者意識を持たせることになる。「13・2%」という異質性は、大いに改善されるだろう。ひいては抑止力強化に繫(つな)がり、結果として平和が守られることになる>(13・2%は「もし戦争が起こったら国のために戦うか」の問いに「はい」と答えた日本人の比率)

民間人が率先すべき論陣

自衛隊員に名誉を与えるべきというこのような論説を、命がけで国防に従事してきた元自衛官自身に書かせてはならないと私は考えてきた。われわれ民間人が率先してその論陣をはるべきだからだ。

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【対談】西岡×中川「統一協会解散請求への疑義」7−中川晴久−

【 イギリス政府の先例 】




西岡
 公平に見るという意味で、先ほど言い足りなかったことがあります。それは二〇〇九年にコンプライアンス宣言を教団が出したでしょう。そのあとは裁判を起こされる数も確か四件だけで、かなり状況は変わってるんですよね。
中川 そう。拉致監禁による強制改宗が不法行為に当たるという司法判断が確定した二〇一五年以降は、この手法はさすがに彼らも使えなくなりました。すると二〇一六年以降の献金については教団に対する訴訟提起がなくなったのです。
 表では「教団にだまされた」「教団はけしからん」と言いながら、裏では重大な人権侵害を繰り広げ、個人の尊厳を踏みにじって、裁判の原告として教団を追及する。ですが、裏のシステムは伏せられていて、キリスト教会ですらこうした人権侵害にキリスト教の関係者が手を染めていた事実は今も全くといっていいほど語られていないのです。
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コーヘン駐日イスラエル大使への SALTY単独インタビュー(3)最終回 ~ 明石清正 ~

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

(*動画は、下をご覧ください。)

第二回からの続き

 大使にインタビューしてから、一か月近く経った。しかし、その内容はほとんど古びていないどころか、今の状況を、イスラエルがどのように考えているかに、重要な理解の鍵となる言葉を、大使は、次々と発している。

 日本では、ガザの戦禍についての報道さえ、少なくなっている。しかし、人質解放のための軍事作戦は、深部にまで進んでいるし、その後のガザ統治について、アメリカ、アラブ諸国も含めて、いろいろ模索中である。そして、何よりも、戦争がずっと続くわけでないことだ。戦後の希望について、大使は多くを語ってくださった。これでインタビュー記事は、最終回となる。

質問5.人質のご家族が、来日されました。お言葉にとても心が動かされました。他のご家族は世界の国々にも行かれていますね?イスラエル政府は、人質解放のために、対ハマスの戦闘の他に、何をしていますか?ニュースで、カタールやエジプトを介した交渉をしているとか聞いていますが。

 政府がハマスと戦っているのは、その目的が人質を解放するためなのですが、トンネルに隠れたりと、その作戦は困難です。諜報活動もしています。しかし、軍事攻撃によって、ハマスに圧力をかけられるので、それによって交渉の条件が良くなります。

 約100人を解放するための交渉で、戦闘を一時休止しました。一人につき三人の囚人を、イスラエル側は解放しました。これら囚人は、犯罪者たちです。イスラエル人を殺すなどしたテロ犯なのです。裁判所の法廷で判決を受けた者たちです。それに対して、私たちの人質は無辜であり、誘拐されました。なんで、こんなことを言うかといいますと、パレスチナ側が人質交換だというからです。しかし、イスラエルが解放するのは、人質ではありません。 “コーヘン駐日イスラエル大使への SALTY単独インタビュー(3)最終回 ~ 明石清正 ~” の続きを読む

コーヘン駐日イスラエル大使への SALTY単独インタビュー(2) ~ 明石清正 ~

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

(*動画は、下をご覧ください。)

第一回からの続き

 私(明石)が大使に質問する時、心構えとして「ユダヤ人に寄り添う」ということがあった。

 それは、無条件にイスラエルに肩入れすることではなく、当事者が、どのように感じて、考えているのかを、日本の人々に伝えるという報道が、これまでなされてこなかったのはないか?という疑問からである。ハマスによって被害を受けたイスラエルが、今、どのような傷を受けているのかを知ることが先決だと感じていた。

 ハマスによる大虐殺を、「イスラエル建国以来、最大の悲劇」あるいは、「ホロコーストの再来」とイスラエルの人たちが多く発言しているのだ。この点について、まずお尋ねした。

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北朝鮮核脅威をなぜ直視しないのか 〜西岡力〜

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学特任教授
国基研企画委員兼研究員

北朝鮮核脅威をなぜ直視しないのか

2023.12.25 (月)

 12月18日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射訓練を行った。火星18は固体燃料型で、4月と7月に試験発射が行われていた。私がこれまで繰り返し強調しているように、試験発射とされるのはまだ開発が終わっていない段階であり、開発が終わると実戦配備されて発射訓練が行われる。従って、ついに固体燃料型のICBMが実戦配備されたことを意味する。

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コーヘン駐日イスラエル大使への SALTY単独インタビュー(1) ~ 明石清正 ~

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

(*動画は、下をご覧ください。)

 間もなく降誕節を迎える12月20日、イスラエル大使公邸にて、ギラッド・コーヘン大使に、ソルティーとしてインタビューをさせていただいた。イスラエルは、8日間に渡るハヌカー(神殿奉献祭)を終えたばかりであり、かつ、10月7日にハマスに拉致されたイスラエル人のご家族の訪日の日程を終えたばかりであった。

コーヘン大使と共に。論説委員の中川晴久氏(右)がインタビュー撮影

 我々ソルティーは、ハマスによる大虐殺を強く非難し、イスラエルを支持する立場をキリスト者として明確にしなければいけないということで、一致していた。ちょうどその時に、主筆の西岡力が、救う会の会長として大使に呼ばれ、翌朝の代々木公園での連帯を示すランニングに参加した(大使館のFacebook投稿)。そして私(明石)は、大使の主催された、日本の教会リーダーたちとの懇親会に招かれた。(同Facebook投稿)教会の牧師たちを招いたというのは、駐日イスラエル大使館が始まって以来、初めてということだ。何か、歴史的なものを感じる。

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慰安婦の真実めぐる戦いは続く−西岡力−

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学特任教授
国基研企画委員兼研究員

慰安婦の真実めぐる戦いは続く

2023/11/21

ソウルで開催 学術シンポジウム

 慰安婦問題の真実を巡る激しい闘いが続いている。9月5日、ソウルで日韓の学者らが集まって学術シンポジウムを開いた。実証的研究をもとに「慰安婦は軍が管理した公娼(こうしょう)であって、強制連行された性奴隷ではない」との立場でシンポが韓国で開かれるのは史上初だった。私を含む日韓の参加者は「慰安婦のウソと戦う日韓真実勢力共同声明」を採択し、次のように主張した(一部略)。

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自衛隊明記の闘いから逃げてはならない−西岡力−

写真:大阪城・石垣の清掃 第36普通科連隊 2015年1月13日

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
麗澤大学特任教授
国基研企画委員兼研究員

自衛隊明記の闘いから逃げてはならない

 岸田文雄首相は、自身の任期内に憲法改正を実現すると繰り返し公言している。首相の自民党総裁としての任期は来年9月までだ。それまでに衆参両院の3分の2の賛成で憲法改正発議案を通し、国民投票を実施して過半数を得なければならない。残された時間は限られている。具体的にどの条文を改正するのか確定させるべき時が来ている。
自民党は、①自衛隊の存在の明記②緊急事態対応の強化③参院の合区解消④教育の充実―の4項目の改正案を提示している。岸田首相は最初の憲法改正発議に何を盛り込むのか明言しておらず、一部には与野党の議論が進展している緊急事態対応を先にすべきだという意見もある。それには賛成できない。自衛隊明記を絶対に外してはならない。

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