明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表
(*動画は、下をご覧ください。)
第二回からの続き
大使にインタビューしてから、一か月近く経った。しかし、その内容はほとんど古びていないどころか、今の状況を、イスラエルがどのように考えているかに、重要な理解の鍵となる言葉を、大使は、次々と発している。
日本では、ガザの戦禍についての報道さえ、少なくなっている。しかし、人質解放のための軍事作戦は、深部にまで進んでいるし、その後のガザ統治について、アメリカ、アラブ諸国も含めて、いろいろ模索中である。そして、何よりも、戦争がずっと続くわけでないことだ。戦後の希望について、大使は多くを語ってくださった。これでインタビュー記事は、最終回となる。
質問5.人質のご家族が、来日されました。お言葉にとても心が動かされました。他のご家族は世界の国々にも行かれていますね?イスラエル政府は、人質解放のために、対ハマスの戦闘の他に、何をしていますか?ニュースで、カタールやエジプトを介した交渉をしているとか聞いていますが。
政府がハマスと戦っているのは、その目的が人質を解放するためなのですが、トンネルに隠れたりと、その作戦は困難です。諜報活動もしています。しかし、軍事攻撃によって、ハマスに圧力をかけられるので、それによって交渉の条件が良くなります。
約100人を解放するための交渉で、戦闘を一時休止しました。一人につき三人の囚人を、イスラエル側は解放しました。これら囚人は、犯罪者たちです。イスラエル人を殺すなどしたテロ犯なのです。裁判所の法廷で判決を受けた者たちです。それに対して、私たちの人質は無辜であり、誘拐されました。なんで、こんなことを言うかといいますと、パレスチナ側が人質交換だというからです。しかし、イスラエルが解放するのは、人質ではありません。
今、第二回目の、人質と犯罪人の交換のための交渉をしています。その時、戦闘は休止します。エジプトとカタールは、大きな助けになっています。アメリカもそうです。軍事的な圧迫によって、今と将来の取引を有利に進めます。私たちの(軍事攻撃の)目的は、人質解放です。そして、生きている人質のみならず、遺体の引き取りも交渉しています。
質問6.次の質問はお答えが難しいと思いますが、ハマスを除去した後に、ガザをどのように統治するのか、イスラエル国内で主流の意見はどうなっていますか?誰が統治し、どのように統治するのでしょうか?政府内での意見と、国民たちの意見について、教えてください。
(ため息をついてから)今、困難な戦争の最中なので、答えるのが難しいです。政府の立てた目標は、ハマスの軍事力と統治を排除し、人質を解放し、ガザ周辺のキブツの人々が帰還して、完全に暮らすことのできるようにすることです。
そのため、戦後がどうなるか、その結果については未だ分かりません。もちろん、米国などの同盟国と、将来像を話し合っていますが、イスラエルの閣議では決定されていません(23年12月20日時点)。戦争を終えないと分からない部分があります。
イスラエルのガザ統治は望まない
今の時点で私の考え、いや政府も同じ考えですが、ハマスはガザを支配しません。ここに選択肢はありません。米国など、日本でさえ、それを選択肢に考えていません。G7諸国は考えていません。ハマスが実効支配することは、もはやできません。
第二に、イスラエルがガザの日常生活を支配することは、ありません。2005年に、我々はガザを去りました。(注:イスラエルは、ガザ地区から軍を一方的に撤退させ、入植地も引き抜いた。)ガザを軍事的に支配したくありません。繁栄して、シンガポールのようになってほしかったのです。しかし、彼らはテロリズムの拠点へと変えました。イスラエルに対する、凶悪な攻撃を展開しています。何度となく、周期的に行っています。
ですから、ガザをハマスには支配してもらいたくないし、イスラエルが市民生活を管轄したくありません。けれども、何らかの形でイスラエルが安全保障のための手段はとる必要があります。
パレスチナ自治政府は腐敗
だれが統治するか?パレスチナ人自身でしょう。ただ、パレスチナ自治政府には、問題があります。腐敗がひどいです。
子供たちに憎悪を教えています。ラマラ、ジェニン、ナブルスの学校に、日本の方が行くことをおすすめします。そのカリキュラムは、平和を教えていません。ユダヤ人を憎むようなものになっています。4本のバナナと4個のりんごを足したら8です、と教えません。4人のシャヒード(殉教者)が、バスを爆破させてユダヤ人を殺したら・・と教えます。
イスラエル人を殺すことは良いことだと教えるのです。そして、イスラエル人を殺した者の家族に支払金があります。4人のイスラエル人を殺したら、1000ドルを支払うというように。8人殺したら、支払金が倍加します。どうやったら、パレスチナ自治政府を信頼できるでしょうか?
サマーキャンプで、子供たちに軍服と銃を身につけさせるのですよ。ガザで、イスラエル軍は家々に写真が掲げられていて、子供たちが銃を身につけているのを発見しました。これは、彼らが次世代に憎しみを教えていることに他なりません。平和と繁栄を教えていないのです。
ですから、次の統治体が、パレスチナ人なのかエジプト人、サウジアラビア人、他の国際機関なのか分かりませんが、私たちが信頼でき、平和に共存することを望んでいなければいけません。イスラエル人と共存するべきだという理解のもと、平和を求める教育が必要なのです。
ハマスのような、イスラエル人は居るべきではないというしきたりは、容認できません。私の大使館の前でのデモで、「パレスチナを川から海まで解放しろ」と言います。これ、何を意味していますか?ユダヤ人は、そこに住むべきではないということです。(注:イスラエルの地理を知っている人は、だれでも、川がヨルダン川で、海は地中海であり、今のイスラエル領土全体であることを知っています。)イスラエル人は住むべきでなく、パレスチナ人のみが住むのだ。ユダヤ人は死ぬべきだ、ということです。
ところで、ハマスは、パレスチナ自治政府の人間なども、抹殺しますね。以前、抹殺しようとしましたから。再び、やるでしょう。なぜなら、それは彼らの宗教上のイデオロギー(信念)であり、イスラム教原理主義の宗教運動だからです。彼らの最高の情熱は、イスラエルのユダヤ人を殺すことなのです。
(明石の)おっしゃることは正しい、彼らはナチスのようです。ユダヤ人を殺すのは、ユダヤ人だからという理由なのです。だから、私たちは許容できないのです。ご質問に対する、私の長い(笑)返答は、ガザの統治をだれがするかは分かりません、これからわかってくるでしょう。けれども、平和にコミットメントをしているものでなければいけません。そうでなくとも、少なくともユダヤ人やイスラエル人を憎む教育を施さない統治体です。
(明石からのコメント)これは本当に難しい課題ですね、平和的な相手を見つけるのは。
おっしゃることは、全くその通りなのです。けれども、ユダヤ人は、ほぼ四千年、生きてきました。何度もの虐殺を受けてきました。我々を、ローマやバビロンなど、人々は追放してきました。ナチスは抹殺しようとしました。けれども、私たちは生き残ったのです。そして国を建てました。降伏などしません、あきらめません。私たちは、正しいことをしているのですから。そして強靭です。
8年前、テレビシリーズで、第二次世界大戦のナチスのしたこと、思想についての映画を観ました。ユダヤ人をどう始末するか、最終計画についてのエピソードがありました。
今日、私たちは神に感謝します。私たちを守る軍隊があります。そして友邦がいます、最大の友は米国です。世界中に、日本も含めて友がいます。イスラエルには、自衛する権利があると認めてくれています。
平和に暮らす希求
確かに平和を教育する相手はなかなか見つかりませんが、私たちは抹殺されません。イスラエルは平和を望んでいます。1993年にはオスロ合意を結びました。2000年には、クリントン大統領の仲介で、エフド首相が和平案を出しました。とても相手方に条件の良いもので、妥協したのです。平和共存のために土地、水、相互の安全保障など。難民、エルサレム帰属、入植地など、すべてが交渉のテーブルにありました。
けれども、すべて拒絶しました。なぜなら、平和を望んでいなかったのです。彼らは、地中海からヨルダン川までの、一つのパレスチナ国家を願っているのです。難民は、テルアビブ、ヤッフォ、ハイファ、アッコなどにも帰還することを求めます。
パレスチナ自治政府についてですが、マゼン・アッバス氏は、10月7日の虐殺を一度も、非難していません。東京に駐在の代表者でさえ。今まで(23年12月23日)に、一度も非難していません。そんなことをしてはならない、子供を殺してはならない、強姦してはいけないと。けれども、今、人々が、アッバス議長にガザの統治を任せればよいと言いますが、彼に何でそんな報酬を与えるのでしょうか?
今、米国は、「改組(revised)パレスチナ自治政府」ということを言っています。改組っていうことが何を意味しているか分かりませんが、10月7日以前には、もう戻れないのです。時は変わりました。
ヒズボラとも、これまでのようにはできません。レバノンのイスラエル国境地域に留まっていることはできません。2万人もの北部国境地域の人々が、避難していないといけない状態なのですから。ヒズボラがやめなければ、我々が石器時代に戻ってしまいます。そんな戦争はしたくありません。
中東のテロ支援国家:イラン
こんなことになりたくありませんから、外交的圧力をかけるべきです。イランに対してです。イランが、これら代理勢力を送っています。イエメンにはフーシ―派。シリアには武装勢力。ハマスを支援していますし、そして、このヒズボラです。
日本にも、イラン外相が来ましたね。イスラエルがジェノサイドを犯していると言っていました。本当ですか?イランは、イスラエルは癌であり、中東から除去すべき腫瘍だと公言しているんです。ユダヤ人はそこに住む権利はないと言います。彼らは、国内にも問題があり、イスラエルを攻撃する機会を狙っているのです。
イランが、背後にいるのです。フーシ―派は、イランの指導によって、日本の船舶を拿捕しました。
アラブ諸国との和平
暗い面ばかりを話しましたが、明るい面、いや、より良い面があります。アラブのスンニ派、穏健的な国々は、我々と似た思考を持っています、ハマスの問題を解決しないといけないと思っています。イスラエルだけでなく、自分たちにとっても脅威だからです。
将来には、サウジアラビアと交渉を再開することでしょう。イスラエルは平和を望んでいます。前からその姿勢を示してきました。和平会議に参加しました。オスロに行き、シリア人と話しました。夜間に、シリアと交渉したのです。そして、エジプトと平和条約を結んでいます。シナイ半島を返還しました。ヨルダンとも平和条約があります。
アラブ首長国連邦と平和条約があります。バーレーンとも、モロッコとも、国交を結んでいます。私たちはサウジアラビアにも拡大したいのです。アブラハム合意を、周辺諸国すべてに広げたいのです。東南アジアも、インドネシアとも結びたいですね。私たちは、自分たちを守るために戦争していますが、もう一方の手で、オリーブの葉をもって平和を差し伸ばしているのです。
その平和の手は、パレスチナ人を含みます。何度も和平の手を差し伸べてきました。マゼン・アッバス議長であるか、他の誰であるか分かりませんが、パレスチナ人と和平を結びたいのです。
イスラエルが平和を望んでいないと非難することはできません。もし望んでいなかったら、どうしてアラブ諸国と和平合意ができたのでしょうか?なぜ、平和条約が破棄されていないでしょうか?カイロに、ヨルダンに、イスラエル大使館が今もあるのでしょうか?アラブ首長国連邦にも、バーレーンにもあります。
なぜ、平和が維持できているのか?彼らも、イランのイスラム原理主義とその代理勢力を知っているからです。ヒズボラであり、またハマスです。彼らはイスラム国のような存在です。同じ部類です。イスラム聖戦もそうですし。
イスラエルによるガザ援助
では、イスラエルが最終的に願っていることは?これは、我々の預言者が預言したことです、「平和に暮らす」ことです。近隣の人たちと平和に過ごしたいです、パレスチナ人とも。
そして、ガザの人々とさえです。なぜか?私たちは、彼らに多くの支援金を与えました。戸を開きました、2万人に労働許可証を出しました。漁師たちの漁業の範囲を広げました。癌治療の必要な患者のために、イスラエルの病院に連れてきました。
繁栄してほしかったのです。金を与え、機会を与え、肥料を与え、農地を開拓してほしかったのです。学校や産業などの建築のためのセメントもあげました。彼らはそれを、テロのためのトンネルに使ったのです。これが悲劇であり、パレスチナ人にとっての悲劇です。平和のために使わなければ、彼ら自身も苦しみますし、私たちも苦しみます。
イスラエルの学校では、平和を学びます。音楽、芸術、サーフィンとか、夏期キャンプに学ぶものです。ガザはどうですあ?軍服を着せて、銃を持たせて、イスラエル人を殺せと言っているんです。世界は、このようなパレスチナ人たちのしていること、イランのしていることをやめるよう、戦争が起こらないように圧力をかけるべきです。
質問7.そこで次にお尋ねしたいことは、我が国が中東地域の平和に貢献できるでしょうか?イスラエルの人質のご家族の一人が、来日中に、記者たちに対して、「あなた方は、力のある国だ。助けてくれ。」と言っていました。もっと具体的に、日本政府が、人質解放のために助けられることは何でしょうか?その地域の平和と繁栄のために、助けられることは?
日本は、国際社会において重要な役割を担っています。国連安保理の一員です。G7のメンバーです。国際刑事裁判所でも非常に重要を役を担っています。国際司法裁判所でも、他の国際機関でもそうです。平和の希求のための声を、より大きく持っています。イランとも良好な関係ですし、他とも良い関係を持っています。言及してくださったカタールやエジプトですね。国際赤十字社もそうです。人質家族が来日した時に、日本の代表者とお会いしました。
私たちは被拉致者に会えませんが、彼らは会えます。その生存、薬や水など届けることができるはずです。
政府がしてくださっていることは、励まされます。そして議員の方々が、人質の問題についてしかるべき相手に影響を与えるべく、行動に移そうとされています。エジプトとカタールに、人質解放を極力早期に行うように働きかけることができます。政府が、イスラエルと共に立ってくださっていることに感謝しています。自衛行使も支持してくださっています。連帯を示して、ハマスをテロ組織と呼びました。即時の、無条件の人質解放を呼びかけています。
これらが日本政府のできることです。国連安保理、G7の中などでできます。それから、上川大臣が、イスラエルに訪問し、人質の家族に会ってくださり、ここ東京でも、来日した家族に会ってくださいました。
そして衆参両議院の拉致議連の方々が、会ってくださいました。人質の家族は、日本人のおもてなしに感謝していました。感情も示してくださったと言っています。日本の方々は、我々と違って、あまり感情を出さないって、教えられていましたからね。(笑)心が裂けるような話ですから、感情を見せてくださるのはありがたいのです。
質問8.私は、日本がガザでの戦争と無関係でないと思います。北朝鮮による拉致被害がありますし、台湾有事もあります。あなたは、イスラエルからの大使で日本におられます。日本がいかに、ガザの戦いと無関係でないことを、お示しくださいませんか?
日本の受けている挑戦は、イスラエルのととても似ていると思います。長距離ミサイルの脅威を受けています。ちょうど二日前(23年12月18日)に、ミサイルが飛んできましたね。中国が台湾を侵略する脅威もあります。ロシアのウクライナ侵略も、無関係ではないですね。イスラエルは、ハマス、ヒズボラなどから攻撃を受けています。
私たちは相互協力ができます。何よりも、政治的な協力ができます。国連で、対話し、共に立つことです。日本はイスラエルに連帯してくれました。私も、日本に連帯します。二日前に、私は、北朝鮮の安全と平和を脅かしていると発信しました。DPRKのこのような行為は容認できないと言いました。
https://twitter.com/GiladCohen_/status/1736679216807366795
それだけではありません。私たちは、航行の自由の確保について相互協力ができます。これは、日本にとって最も大事なことで、エネルギー源は湾岸地域から来ています。フーシー派であろうが、イランであろうが、攻撃はどこからも、どんな船舶に対しても許されません。中国は、エジプトのスエズ運河に影響を持っています。
防衛のことでも相互協力ができます。イスラエルは、とても洗練したミサイル防衛を有しています。ミサイル迎撃を重層的に行っています。アイアン・ドームは、実践されて有効であることが証明されています。サイバー攻撃もそうですね、多方面で協力できます。イスラエルは日本を友邦とみなしています。自分たちの経験・知識・サービスを日本に分かち合います。私たちは、日本から学びます。二国がアメリカと共に協力するとこもできます。
それから、経済での協力です。戦争が終わってから、共に立つことができます。日本の産業、民間の分野の方々が、イスラエルに来るように呼びかけています。イスラエルには日本の会社が90社があります。いくつかが、日本に引き返してしまいましたが。けれども、経済を共に後押しできます。投資できます。イスラエルの経済が今、苦しんでいますから。戦争に資源が使われています。戦後、日本の方々が旅行に行ってほしいです。投資者は投資していただきたいです。
なぜなら、イスラエルは永遠に生きるからです。永遠に繁栄します。人類に永遠に貢献します。科学や技術革新、起業において貢献します。世界の改善のために貢献できるのです。環境のための先端技術もあります。自然エネルギー技術、農業技術、健康のための技術など、イスラエルが貢献できる場があります。ですから、イスラエルと日本の連携は、驚くべきものになるのです。相乗効果を期待できます。(参照記事:「インド太平洋と中東を結ぶ日本の重要性」)
二国関係については、かなり楽観しています。日本の立ち位置を、私は目撃したからです。ユダヤ民族は、記憶します。ずっと記憶します。イスラエルが苦しんでいる時に、だれが友であるかを憶えます。イスラエルは、2011年に日本に来ました。日本が東日本大震災と福島原発事故に遭った時に、来て、寄り添いました。イスラエル軍の医療チームを派遣しました。事欠いている時に、友になることが大事なことを知っています。
ガザの姿が映し出されているのを見て、とても困難に感じるのは理解できます。けれども、ハマスは排除しなければいけないこと。イスラエルが自衛しなければいけないこと。そして、人質を解放しなければいけないことを理解しておられます。ですから、このとても暗く、困難な時に、イスラエルと日本の関係には将来と希望があり、これまでになく強められます。
(明石)私は聖書を信じている者なので、ちょっと言いたくなってしまうのですが、「世が暗くなればなるほど、光はより明るく輝く」と。
私たちはちょうど、ハヌカー(宮清めの祭)をお祝いしたばかりです。これは、まさに光の祭典です。幸いと希望の祭典です。暗やみに対して、光が打ち勝ちます。
10月7日は、非常に暗黒の時です。イスラエルにとってだけでなく、人類にとってです。すべてがハマスを指示し、テロを支持していったら、そのテロはやがて、自分の戸口にまでやってきます。だから、我々はみな、テロに対抗するのです。テロには、ノーを突きつけるのです。絶対容認しない義務があります。
男が銃をもって家に入り込み、家族を殺戮してはならぬのです。容認の隙間はありません、正統性は何一つありません。純然たるテロリズムであり、人類に対する犯罪です。みなが団結して対決しないといけません。
名指ししたくないのですが、(グローバル)サウスの一部や、日本の隣国にも、ハマスを支持する国々があるので残念です。イスラエルは停戦すべきだとしか言わないのです。ハマスからまた攻撃去れよ、とでも言うのでしょうか?がっかりしていますが、このことについては、また別のインタビューでお答えしましょう!
(明石)本当にありがとうございます。大使との会話、情熱のこもったお話しを楽しませていただきました。
ご覧になってくださった視聴者の方々へ、どうか、イスラエルに訪問しにきてください。投資してください。イスラエルを、日本のパートナーにしてください。二国がパートナーにならないことが、ハマスの願っていることですから。ハマスは、私たちが崩れ落ちることを願っています。彼らは、軍事的にだけでなく、経済的にも敗北するのを見たいのです。イスラエルには終了もらわなければいけないとしたら、彼らの思うつぼなのです。イスラエルは、終了しません。二国間は、強く、良好な時期に入っていくと信じます。
(インタビュー終了)
以上だが、大使の自国に対する確信や強い信念が、非常に印象に残った。私が、平和のパートナーを見つけるのは難しいということをコメントした時、聖書の歴史までさかのぼって、それでもイスラエルは生きてきたという、不屈の精神を示された。そして最後は、二国関係の飛躍を語られたが、これは決して希望的観測ではなく、日本の国益にかなう実現可能なものばかりである。
コーヘン大使は、必ずしもユダヤ教を実践している方ではない。しかし、他の一般的なイスラエル人と同じように、その生き方、考え方には、聖書の原則が至る所にちりばめられている。キリスト者は、私たちの主こそが世の光であり、やみは光に打ち勝たなかったと知っている。イスラエルは、歴史の記憶の中で、やみが光に打ち勝たないことを体得している。苦しみと闇の中にいるからこそ、世の回復の希望を抱き、確信し、事実、実現していくのを証しする民だ。
その期待を、日本に派遣された大使として、日本にも及ぼせると信じている。私はイスラエルを見る時、いつも次の言葉を思い出す。Man’s Extremity is God’s Opportunity、つまり、人が窮地に陥っているからこそ、神ご自身が働かれる機会となっているのだ、ということ。だからこそ、苦しい時に、だれが友であるかが分かるという箴言の言葉が大切なのだろう。