ハマスの反ユダヤ主義戦略 ~ 明石清正 ~

写真元:ヨルダンの首都アンマンで販売されていたアラビア語のヒトラー著「我が闘争」2015年3月26日(Avi Lewis/Times of Israel, Benyamin Loudmer)

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

ガザ地区での停戦合意に基づいて、イスラム・テロ組織ハマスは、イスラエル人の人質解放を、ほぼ毎週行っており、2月8日には新たに3人を解放しました。私たちの教会では、献金感謝の祈りの時に、人質解放のための祈りを献げています。

今回解放された方々、上段が拉致される前、下段が、今回、解放される時のものです。

(関連投稿:ハマスによる虐待の実態

これを見て、イスラエルの人たちは何を想起したでしょうか?そうです、ホロコーストの生き残りが、絶滅強制収容所から解放された直後の状態です。

パレスチナ・テロリズムに深く浸透する反ユダヤ主義

ハマスによる大虐殺、そして拉致について、立案したヤヒヤ・シンワル(すでに死亡)が、イスラエルの刑務所にいた間にヘブライ語を習得、徹底的にイスラエルの文化も勉強しましたが、彼らの心の核の部分から潰す方法を考え出しました。

参考記事:「ハマス指導者、ヤヒヤ・シンワルとの一年

私が、なぜ大きな声を出して、イスラエルと共に立つことを明確にしているのか、それは、世の末とも当時思われた、ナチスドイツのユダヤ人に対する非人道的な扱い、その背後にあるどす黒い反ユダヤ主義を、ハマスは意図的に、計画的に、イスラエル人に対してよみがえらせるように仕向けていることです。私には、そう見えます。

参考記事:「クリス・クオモ氏の見たハマス大虐殺

アラブ・イスラム社会では、反ユダヤ主義は当たり前のように受け入れられています。巷に、ヒトラーの著書「我が闘争」のアラビア語訳が普通に売られています。また、ホロコーストは知らなかったり、でっち上げだと多くが信じています。

パレスチナ自治区の道端で、下の動画のように、パレスチナ人に「ヒトラーについてどう思うか?」と尋ねると、「英雄だ」とか「冗談だけど、だれかがユダヤ人を焼かないと」とか、支持・肯定する声が少なくありません。

パレスチナ反ユダヤ主義の始まり:アーミン・フサイニ

アーミン・フサイニというパレスチナ・アラブ人は、地元民にユダヤ人への憎悪を焚き付け、攻撃を煽りました。そして、積極的にナチスに協力、ヒトラーにも会見しました。

Haj Amin al-Husayni meeting with Adolf Hitler in November 28 1941

ハマスは、こうしたユダヤ憎悪を体現して、今現代のイスラエル人に容赦なく、ぶつけているのです。霊的、心理的テロを、ユダヤ人の心奥深くに突き刺していると思います。

ですから、当時、沈黙を保ち、「中立」という悪に立ち、罪を犯したキリスト教会の態度を繰り返したくないという、絶対的な思いがあります。

参考記事:「ホロコースト時のキリスト者と「今」