「 集団改宗 」 ・ 洗礼は いつ? − 久保田 Ukon 典彦 −

『キリシタン史からのメッセージ』
   高槻・Ukon:第3回

 

 

 

 

久保田 Ukon 典彦

阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰

「 集団改宗 」 ・ 洗礼は いつ? − 久保田 Ukon 典彦 −

「 洗礼 」 ( バプテスマ ) は、いつ 授けられたのでしょうか。

キリシタン時代の 宣教師たちは、
? ①「 洗礼に先立って、かなり長い準備期間を設け、洗礼は、
かなり 『 成熟 』 してきた信仰の上で 授けられた。」

? ②「 集団改宗の際、まず必要な教理説明の上で、
( とりあえず )洗礼だけを授けておいた。」

( 「 キリシタン史考 」 チースリク ・ 著 )


「 聖書 」 で教えられている 「 洗礼 」 とは?

● ところで、そもそも、
「 聖書 」 で教えられている 「 洗礼 」 とは? いつ 授けられたのでしょうか?

出発は、主イエス ・ キリストの 【 大宣教命令 】 です。

■ マタイの福音書 28章 18 ~ 20節

「 わたしには、天においても ・ 地においても、いっさいの権威が与えられています。
それゆえ、
① あなた方は行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。
そして、
② 父 ・ 子 ・ 聖霊の御名によって バプテスマ を授け、
また、
③ わたしが あなた方に命じておいた すべてのことを守るように彼らを教えなさい。
見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなた方と共にいます。」

■ マルコの福音書 16章 15 ~ 20節

「 全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい。
信じて バプテスマを受ける者は 救われます。
しかし、信じない者は 罪に定められます。」

そこで、彼らは出て行って、至る所で 福音を宣べ伝えた。
主は 彼らと共に働き、み言葉に伴う しるしをもって、み言葉を確かなものとされた。 イエスご自身、彼らによって、きよく ・ 朽ちることのない ・ 永遠の救いのおとずれを、東の果てから ・ 西の果てまで 送り届けられた。

● 「 福音宣教 」 は、

① 【 大宣教命令 】 を出された、主イエス ・ キリストの お仕事です。
キーワード 「 わたしには 」 「 イエスご自身 」
そして、私たちを用いられます。用いて、救いのわざを進められます。

② キーワード 「 それゆえ」 「そこで 」
弟子たちは、至る所で 福音を宣べ伝えました。
対象は、「 あらゆる国の人々 」 「 全世界 ・ すべての造られた者 」です。

③ キーワード 「 主は 彼らと共に働き 」
キリストが 働かれます。信じる者 ・ 信じない者に分かれ、信じる者には、[ 聖霊のバプテスマ ] を、主が与えられます。
( 信じる者の心に、聖霊なる神が 内住されます。)

④ 聖霊のバプテスマを受けた者 ・ 信じた者に、
「 水のバプテスマを授けなさい。」
━━ その人は、罪が赦されて、救われます。救いの確証が与えられます。
主にある 兄弟姉妹 ・ 神の家族となり、キリストの弟子となります。

⑤ 信じてバプテスマを受けた者には、
「 すべての 神の命令を守るように教えなさい。」
内住されている 聖霊に教えられ ・ 導かれて、成長していきます。
また、キリストの体である 「 教会 」 を形作りながら、互いの交わりの中で、学び合い ・ 成長していきます。
個人 ・ 教会は、“ 世の光 ・ 地の塩 ” として、社会に影響を与えていくものとさえ、なっていくのです。

※ 主イエス ・ キリストは、世の終わりまで、いつも、共におられます。
主イエス ・ キリストは、彼らによって、救いのおとずれを、全世界に送り届けられます。

キーワード 「 イエスご自身 」、「 彼らによって 」、「 救いのおとずれ 」、「 送り届けられた 」

 

聖書からの「 洗礼 」 の実際

● 聖書から、「 洗礼 」 の実際を見てみましょう。

・ 使徒の働き 2:41 ペンテコステの日 3千人。
—–> 洗礼は その日の内に。

・ 使徒の働き 8章 エチオピアの高官。
「 私がバプテスマを受けるのに、何かさしつかえがあるでしょうか。」
「 もし あなたが心底から信じるならば、よいのです。」
—–> 洗礼は、ピリポによって その日の内に。

・ 使徒の働き 9章 奇蹟的な回心をした パウロ。
—–> 洗礼は、アナニヤによって その日の内に。

・ 使徒の働き 10章 百人隊長 ・ コルネリオの 家族 ・ 親族 ・友人たち。
—–> 洗礼は、 ペテロによって その日の内に。

・ 使徒の働き 16章 ピリピの獄舎の看守と 家の者全部。
—–> 洗礼は、パウロによって その日の内に。

「 洗礼 」 は すべて、その日の内に ・ 信じた者 ( 聖霊のバプテスマを受けた者 ) に対して、授けられていきました。
彼らは、その後、教会につながり、神の言葉による養いを受けて、主にある交わりの内に、一歩一歩 成長していったのでした。

 

洗礼を受ける人たちが ほとんどいない、現実の姿

しかし、いつの間にか、
「 洗礼 」 を受けることに、聖書には記されてはいない時間と準備のための条件を付けていき、一方では、“ 受洗者が少ない ” ことを問題にしています。

● 私の住んでいます、高槻市の人口は、352, 990 人 ( 3月末 ) です。
その すべての人たちが 信じて 救われ ・ 洗礼をうけるように、と 主なる神は 願っておられ、日々、一人一人を 招き ・ 導いている と おっしゃっているのですが ・・・・・・・

1年間に 10人が洗礼を受けるとして、36, 000年 かかります。
1年間に 100人が洗礼を受けるとして、3, 600年 かかります。
すごいことですが、1年間に 1000人が洗礼を受けるとしても、360年も かかるのです。

“ 主は生きておられる ” わけですが、主なる神が、このような ノンキな ・ 悠長な、死んで 滅んでいってしまう人たちが 99.9 % であるようなことを、本当に、愛の神であるお方が、思っておられるのでしょうか?

「 集団改宗 」 「 集団洗礼 」 が 特別なことなのではなくて、信じて ・ 救われ ・ 洗礼を受ける人たちが ほとんどいない、現実の姿の方が、特別なことなのではないのでしょうか?

 

● 写真(上):高山右近研究室(久保田典彦 宅)

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※【推薦図書】「キリシタン史考」(H.チースリク・著 / 聖母文庫)

 

久保田 Ukon 典彦
阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰
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ブログ: [ 髙山右近研究室のブログ ]

「髙山右近研究」をライフワークにしています。
髙山右近やキリシタン達を通して、いっしょに考えていければと思います。