2017年秋、米朝は開戦直前だった −西岡力−

写真:アメリカ空軍の F-15C (Wikipedia より)

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授

2017年秋、米朝は開戦直前だった

 平成29年(2017年)秋、米朝関係は戦争直前だった。当時から私を含む少数の専門家が指摘してきた通りだが、米紙ワシントンポストのボブ・ウッドワード(Bob Woodward)副編集人の新著「Rage(怒り)」がその生々しい状況を明らかにしている。トランプ大統領との17回のインタビューをもとに出版された同書から当時の生々しい状況を知ると、当時の日本の総理大臣が安倍晋三氏で良かったと心から思う。

RAGE 怒り』  (日本語) 単行本  – 2020/12/19 発売予定
ボブ・ウッドワード 著/日本経済新聞出版  

米朝間の軍事緊張は最高度に高まり、戦争が起きる可能性がかなりあったときに、安倍前首相が日米同盟にもとづきトランプ政権を強力に支持し、日米が北朝鮮と一戦も辞さずの姿勢をとったことにより、金正恩に完成直前まできていた米本土まで届く核ミサイル開発を中断させ、米国との対話に舵を切らざるを得ないところに追い込んだのだ。

北朝鮮はすでに日本全土を射程に入れた核ミサイルを実戦配備しているが、日本は米国の拡大抑止によって安全を確保しつつ、ミサイル防衛システムで抑止力を高めている。

しかし、北が米本土まで届く核ミサイルを持てば、米国は自国が核攻撃を受ける危険を冒してまで、日本のために核報復をするだろうかというのが彼らの希望的認識だ。だからこそ、日本としても米本土まで届く核ミサイルの完成をすべての手段を使って防ぐことが核心的国益だったし、今もそうなのだ。ウッドワード氏の新著をもとに安倍総理がいかに日本の国益を毅然として守ったのかを振り返ろう。

核80発発射の可能性も

 ウッドワード氏は「Rage」で、2017年9月以降、米朝間の軍事緊張が最高度に高まり、米軍は核使用を含む軍事作戦を検討していたとして、次のように書いている。

「(米国ネブラスカ州)オマハにある米軍戦略司令部が北朝鮮の攻撃に対する対応として、北朝鮮政権を変えるための作戦計画5027を真剣に検討した、それには80個の核兵器を使う方案も含まれていた(The Strategic Command in Omaha had carefully reviewed and studied OPLAN 5027 for regime change in North Korea-the U.S. response to an attack that could include the use of 80 nuclear weapons.)」

ここで80個の核兵器を使う主体が北朝鮮なのか、米国なのか、この英文の解釈について韓国で論争が起きた。韓国の朝鮮日報は9月13日付ワシントン発で、米国が北朝鮮への反撃として核80個を使うことを検討していたと報じた。それに対して韓国政府は「それは誤訳だ。北朝鮮が80個の核を使った場合の反撃を検討したという意味が正しい。作戦計画5027には核兵器使用は含まれていない」と反論した。

朝鮮日報は18日付で同じワシントン特派員が次のように書いた。

「一つの文章だけを見ると、核の使用主体が北朝鮮だと考えることもできる。しかし、前後の文脈はすべてジェームズ・マティス米国防長官=当時=が核兵器使用の可能性をめぐって苦悩する内容だ。『文脈上』核兵器の使用主体は米国だった。日本の読売新聞も16日、『RAGE』の内容のうち、核兵器関連部分を報道する際、本紙と同じ内容で報道した。米国務省の元官僚も本紙の翻訳は正しいと言った」

記事を執筆した記者がウッドワード氏本人に問い合わせた結果、「ウッドワード氏は『本を読めば、米国の核使用だということは明確なのに、なぜ別途説明しなければならないのか』と考えている」という側近の回答を得たという。

正恩の地下施設も標的に

 そもそも、北朝鮮の攻撃に対する対応策を検討していたという米軍戦略司令部は空軍と海軍に分散していた核戦力の統合運用のために1992年に作られた司令部だ。そこで対応を検討していたということからだけでも、核による対応攻撃を検討していたことが分かる。

作戦計画5027は、北朝鮮が武力攻撃をしてきた場合に米韓軍の反撃を想定した作戦計画として知られている。
当時、文在寅大統領は朝鮮半島での米軍の武力行使は韓国の承認が必要だという趣旨の発言をくり返していた。

それに対して米軍は、在韓米軍に属さないグアムの基地に配備されている戦略爆撃機B-1Bをくり返し朝鮮半島付近に送り、北朝鮮を威嚇していた。日本の沖縄や三沢から爆撃機を飛ばすと、非核3原則の縛りにより核兵器を積んでいないはずだと金正恩が安心する危険性があった。しかしグアムからでは当然、核攻撃もあり得る。グアムからの爆撃機の飛来は、文大統領には知らせずとも北朝鮮を核攻撃できるという示威であった。

一部で、国土の狭い北朝鮮に対して80発の核攻撃は多すぎるという指摘がある。しかし、核搭載地中貫通弾であれば、80発使用も十分あり得る。低威力で精密攻撃が可能な小型核兵器で、金正恩や与正らがいると思われる複数の地下施設と核兵器が隠されていると思われるすべての地点を一斉に攻撃するのであれば、80発という数は決して多くはない。

米朝のチキンレース

 なおウッドワード氏は著書で、トランプ大統領が「誰も持ったことがない」新しい核システムを持ったと発言したと書いている。それが低威力で精密攻撃が可能な小型核兵器であるかもしれない。元韓国国情院次長の金ジョンボン氏はこの新型核兵器は超精密打撃が可能な極小型核ミサイルB61-12だと断定した。ただし、公開情報ではB61-12は2017年段階では開発中だった。

当時、核搭載地中貫通弾のB61-11は実戦配備されていたが、新しい核システムではない。極超音速ミサイル「スーパー・デューパー」、潜水艦発射のトライデント5ミサイルに搭載するW76-2核爆弾という説も出ている。トランプ大統領が最近完成したB61-12のことを当時から持っていたかのように話したのかも知れない。

トランプ大統領は、北朝鮮に米本土を核攻撃する能力を持たせない、そのためには核使用を含む武力攻撃も辞さないという姿勢を貫いていた。一方、金正恩は2016年から2017年にかけて40発の弾道ミサイルを発射し、3回の核実験を行って、金日成時代からの宿願であった米本土まで届く核ミサイルを保有する直前まできていた。米朝は軍事衝突に向かうチキンレースをひた走っていたのである。

グアム射程に入れた北

2017年7月以降の流れを概観する。

7月4日に北朝鮮が平安北道亀城方峴飛行場近くのミサイル発射施設で金正恩参観の下、大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星14の発射実験をした。ロフテッド軌道で日本海に落ちたが、軌道を計算すると火星14は米本土西海岸を射程に入れたICBMだった。

翌7月5日、在韓米軍が南北軍事境界線近くの日本海側海岸から日本海に陸軍地対地ミサイル(ATACMS)を発射した。発射地点から落下地点までの飛行距離は、同じ発射地点から金正恩がICBM発射を参観した施設までの距離186マイル(約299.33㎞)と正確に一致していた。方向を変えれば金正恩をミサイルで殺せるという示威だった。しかし「米軍ミサイルが容易に発射場と金正恩を照準できるという事実を北朝鮮が悟ったということを示す情報は収集されなかった」とウッドワード氏は新著で書いている。

7月28日に北朝鮮は火星14のロフテッド軌道での発射実験を再度行った。8月29日に北朝鮮は中距離弾道ミサイル火星12を発射した。通常軌道で北海道を飛び越えた。グアムまで届く射程だった。北朝鮮は実験を意味する「試射」ではなく「朝鮮人民軍戦略軍の中・長距離戦略弾道ロケット発射訓練」と発表した。

ミサイル開発は軍ではなく国防科学院が行う。国防科学院が行う発射実験は「試射」と呼ばれる。開発が終了し軍に引き渡され実戦配備された後の発射は「発射訓練」と呼ばれる。この時点で火星12はその段階に入った。つまり、グアムまで届くミサイルが実戦配備されたということだ。

ウッドワード氏によると、マティス国防長官はこのとき、北朝鮮の港への限定爆撃を検討したが全面戦争へ発展する憂慮があると断念したという。

6回目は水爆の可能性も

 2017年9月3日、北朝鮮が6回目の核実験を行った。北朝鮮はICBM装着用の水爆弾頭の実験だと主張した。日本防衛省の推計によると爆発規模は160キロトン、広島に落とされた核爆弾の約10倍だった。防衛省は水爆である可能性もあると判断した。ちなみに、それまで5回の核実験の最高威力は2016年9月の11〜12キロトンだったから、6回目の実験が大成功だったことが分かる。

過去6回の核実験の防衛省推計威力は以下の通りだ。①2006年10月、0.5〜1キロトン ②2009年5月、2〜3キロトン ③2013年2月、6〜7キロトン ④2016年1月、6〜7キロトン ⑤2016年9月、11〜12キロトン ⑥2017年9月3日、160キロトン

2017年9月15日、北朝鮮は再び、中距離弾道ミサイル火星12を発射した。8月29日と同じように「朝鮮人民軍戦略軍の中・長距離戦略弾道ロケット発射訓練」と発表された。通常軌道で北海道を飛び越えた。9月22日に北の李容浩外相が「太平洋上での歴代最大級の水素爆弾の実験をする」と威嚇した。

翌9月23日に米軍は北朝鮮の目の前の海上で演習を行った。グアムを飛び立った戦略爆撃機B-1Bが、F-15Cなど戦闘機十数機に守られて日本海の海の休戦ライン(NLL)を超えて元山沖で模擬空襲演習をした。

北朝鮮からはレーダー波が飛んでこず、北朝鮮空軍のスクランブル発進もなかったという報道があった。米軍が意図的に演習の実施と北朝鮮がそれに気づいていない可能性があることをリークしたのだ。

24日午後に文在寅大統領が国家安全保障会議(NSC)全体会議を開き、最近の韓半島の緊張緩和を議論した。

米機捕捉できぬ旧式レーダー

 筆者(西岡)は当時、北朝鮮内部につながる筋から次のような内部事情を聞いた。

金正恩は、米軍機が元山沖まで飛来したのになぜレーダーで捉えられなかったのかと、防空司令部を叱責したところ、レーダーが古くてステルス性能を一定程度持つB-1B戦略爆撃機は捉えられないことがわかったという。

なお、元山には金正恩の豪華別荘がある。護衛司令部の別荘管理担当幹部のスマホから位置確認装置がみつかり、同司令部司令官、政治委員ら最高幹部が2018年に処刑されたという。米軍筋は当時、自分たちは金正恩の所在情報を把握していると語っていた。さまざまな情報から、筆者は、金正恩が当日、元山に来ていて、米軍はその所在情報をつかんで演習を行った可能性があると見ている。

2017年9月23日の元山沖の模擬空襲演習の後、金正恩は核実験、ミサイル実験を止めた。そして10月7日に労働党中央委員会総会を開いて妹の金与正を党政治局員候補に昇格させた。内部情報によると、自分の関わる日程、行事すべてを管轄し、保秘と安全確保を担当する権限を与正に与えたという。米国が自分の命を狙う斬首作戦を実行するのではないかと恐れてのことだったという。

軍事圧力でミサイル開発中断

 2017年11月28日、北朝鮮は米国東海岸まで届くICBM火星15をロフテッド軌道で「試射」したが、大気圏に再突入したとき、弾頭が三つに割れてしまったことが判明した。したがって、同ミサイルの大気圏再突入実験は成功していない。それなのに北朝鮮は米国まで届く核ミサイルを完成したと一方的に発表した。

11月29日の朝鮮中央通信は「金正恩委員長は、新型の大陸間弾道ロケット火星15の成功裏の発射を見守りながら、今日ついに国家核戦力完成の歴史的大業、ロケット強国偉業が実現されたと誇り高く宣布した」と伝えた。

12月12日には「米本土全域を打撃できる超大型重量級核弾頭の装着が可能な新型の大陸間弾道ロケット火星15試射の大成功はわが人民が一日千秋の思いで渇望していた国家核武力完成の歴史的大業」と報じている。

その後、北朝鮮は核実験とICBMの発射実験を中止した。米国の軍事圧力に恐怖を抱いた金正恩が完成直前にまで来ていた米本土まで届く核ミサイル開発を中断したのだ。国内向けに米国が怖くて開発を止めるとは言えないから「完成した」と発表したと考えられる。そして、翌年に米国との交渉に乗り出し、米朝首脳会談が実現する。

米国は9月23日に元山沖でB-1Bの空爆演習をしたとき、北朝鮮空軍がスクランブル発進をしてくることも当然、念頭に置いていたはずだ。そこで軍事衝突が起きていれば、北朝鮮空軍の老朽した戦闘機は全部撃墜できたはずだ。ただ、そのとき金正恩が自分自身を守るため、核ミサイルか、休戦ラインに配置している多連装ロケット砲や長距離砲でソウルや米軍基地を攻撃する危険もあった。その兆候があれば米軍は、80発の核装着バンカーバスターを含む対応で被害を最小化しただろう。米朝間で核を使う戦争が起きる可能性があったということだ。

「米の判断支持」明言した安倍氏

 ウッドワード氏によると当時、マティス国防長官は北朝鮮への核攻撃をする決断を下すことについて苦悩していた。マティス長官は「誰も数百万人の人を焼却(incinerate)する権利はない」と語ったという。

「マティス氏は北朝鮮の脅威のため、大統領に核兵器の使用を勧めなければならない状況が来た時に備えて、自分自身に『そうしなければならなくなったたら、どうするだろうか? お前は数百万人を焼却することになるだろう』と苦悩した」「(核兵器)使用は正気の沙汰ではないと彼(マティス氏)は分かっていたが、米国を守るために、考えられないことを本当に考えなければならなかった」とウッドワード氏は書いた。

このような緊迫した状況であることを当時の安倍首相は当然、十分理解していた。その上で2017年に安倍氏は繰り返し、「『全ての選択肢はテーブルの上にある』とする米国の立場を一貫して支持します」と語った。軍事力行使をトランプ氏が決断した場合にもそれを支持すると明言していたのだ。

安倍氏は首相退任直後の9月23日付読売新聞で「(トランプ大統領との)信頼関係は会談だけで築かれるものではない。集団的自衛権の限定行使などの平和安保法制を施行して日米同盟を強化し、『助け合う同盟』にすることができたことが大きい」と語っている。

安倍首相の意を受けて、当時の小野寺五典防衛相は国会で、北朝鮮が弾道ミサイルでグアム米軍基地を攻撃した場合、集団的自衛権を発動して自衛隊が迎撃できると答弁した。

小野寺防衛相は2017年8月10日の衆院安全保障委員会の閉会中審査で、グアムへの攻撃に関して「日本の安全保障にとって米側の抑止力、打撃力が欠如するということは、日本の存立の危機にあたる可能性がないとも言えない」「わが国に対する存立危機事態になって(武力行使の)新3要件に合致することになれば、対応できる」と明確に答弁した。その前日の9日には、グアムの米空軍基地について「日米でさまざまな対応を取るとき、特に北朝鮮有事のときに抑止力の重要な役目を持っている」と答弁していた。

トランプ氏の信頼勝ち取る

 日本政府は、北朝鮮は日本を射程に入れたノドンミサイルをすでに実践配備していると認識している。2020年の防衛白書は「北朝鮮は核兵器の小型化・弾頭化を実現し、これを弾道ミサイルに搭載してわが国を攻撃する能力を既に保有しているとみられます」と書いた。

北の核攻撃をどのように防ぐのか。拡大核抑止、すなわち米国の核による報復で抑止することが基本方針だ。その上で、ミサイル防衛システムで全部ではないが多くの核ミサイルを核爆発前に迎撃するという二段構えの抑止戦略だ。北朝鮮がノドンミサイルを同時多発発射したり、最近彼らが開発している低高度誘導ミサイルで核攻撃を仕掛けたりする場合はミサイル防衛では防げない。だからこそ、米国による核報復、拡大抑止が基本戦略として必要なのだ。

拡大抑止を強固にするためには、米国が必ず日本のために報復核攻撃をすると相手に思わせることが必須条件だ。

その意味で、安倍前首相が集団的自衛権の限定行使を法制化した上で、防衛相にグアムの米軍基地を自衛隊のイージス艦のミサイル迎撃システムで守ると明言させたことは重大な意味を持つ。小野寺氏の答弁からトランプ大統領は「シンゾーが口だけではなく、本気で米軍の軍事行動をサポートすると明言した」と理解したはずだ。

安倍前首相は米軍の核攻撃を含む対北軍事制裁を支持し、その過程で北朝鮮がグアムの米軍基地を攻撃してきた時には、自衛隊を使ってそれを防ぐと明言したのだ。その結果、日米同盟はかつてないほど強化された。

安倍首相でよかった

 2020年の防衛白書は北朝鮮が米本土まで届く核ミサイルを持ったら拡大抑止に重大な穴が空くと次のように訴えた。

「他方、(北朝鮮が)より長射程の弾道ミサイルの実用化に必要な技術を獲得しているかについては、引き続き慎重な分析が必要です。今後、北朝鮮が弾道ミサイル開発をさらに進展させ、ICBMに核兵器を搭載できる技術を獲得するなどした場合は、米国に対する戦略的抑止力を確保したとの認識を一方的に持つに至る可能性があります。仮に、そのような抑止力に対する過信・誤認をすれば、北朝鮮による地域における軍事的挑発行為の増加・重大化につながる可能性もあり、わが国としても強く懸念すべき状況となり得ます」

ここで、「抑止力に対する過信・誤認」と書いている部分は政治的表現だ。北朝鮮が米本土を攻撃できる核ミサイルを持った場合、米国の核の傘は穴が空くことは間違いない。かつてフランスのドゴール大統領は、ソ連が米本土に届く核ミサイルを持ったとき、米国はニューヨークやワシントンDCを犠牲にしてパリを無条件で守るとは言えないとし、独自の核武装に踏み込んだ。日本の今の状況は、フランスが置かれた当時の状況に似てはいないか。

2017年に米国が核攻撃を含む武力行使をしてでも、北朝鮮が米本土まで届く核ミサイルを保持することを阻止しようとしたことは、日本の安全保障にとっても重大な意味があった。そのことを安倍氏はきちんと理解していた。危機に立ったとき、安倍氏のような大政治家を我が国が首相に戴いていたことは本当にありがたかった。

 

 

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・最初の写真:アメリカ空軍の F-15C(Wikipedia より)

(・JINF 国家基本問題研究所「国基研ろんだん」2020-9/24  掲載)