軍に仕え、信仰を最優先に(3)−スティーブ・タウン−

2020年9月12日のコルネリオ会(防衛関係キリスト者の会)の例会(オンライン)で語られた、スティーブ・タウンさんのメッセージ(第3回)です。

 

 

 

米陸軍退役大佐
スティーブ・タウン

 

「軍に仕え、信仰を最優先に」(3)

-2020.9.12 コルネリオ会での証-

第3回>

<第2回より>  <—– クリック

 

9・11事件と予備役召集

 その間、あの2001年9・11事件がありました。そこで予備役達がみんな少しずつ軍に戻されました。私も3年続けて何度も呼ばれましたが、海兵隊の力で呼び戻されることはありませんでした。しかし、最後に2004年にラムズフェルド国防長官が皆に向かって戻っていない陸軍予備役がいればクビになるとのことで、私は、ワシントンDCに呼び戻されました。再び軍に戻り、軍服を身に着けました。

 でも信じられないのは、1992年に現役を退役した時は、階級が大尉でしたが、予備役から戻ったときは大佐になっていました。私はワシントンDCに戻って1年間勤務しようと思っていましたが、「あなたが行くところは、イラクのイラクのアブグレイブというところで仕事を担当して欲しい」と言われました。その時、私はその場所がどういうところか聞いたこともありませんでした。後でニュースなど聞いたのですが、捕虜収容所で規律が大変乱れていた場所だという事がわかりました。

 そして司令官室で「なぜ私がそこに行くのですか」と聞いてみたところ、「あなたが選ばれたのは新司令官として現在の最悪状況を国連の規定に従うように、きちんとしたやり方に戻す任務をして頂きたい」とのことでした。つまり、「そこを片付けて元の捕虜収容所のように良い場所に戻して頂きたい」と言われました。

 私は全くそのような関係の仕事をしたこともなかったのでとても心配でした。けれども祈りました。家族にも祈ってもらい、皆でこのために祈りはじめました。そこに行く2日前に司令官に呼ばれて、私が言われたのは、不思議なのですが、「あなたは日本の東京にあるアメリカ大使館において駐在武官になってもらいたいので、アブグレイブの任務から東京に戻します。」と言われました。

 “神の恵み”が私の上に見られました。私がアブグレイブという極悪状態の環境から大使館勤務になったことは“神の恵み”以外に考えられません。本当に神様が私を守ってくれて、そこで2年続けて予備役として勤務しました。しかし、「米軍では、予備役として駐在武官として勤務できることは1年間だけでも聞いたこともないんだ」と言われましたが、さらにもう1年間、駐日米国大使の命令で2年間勤務することになりました。その後、北朝鮮の問題が出てきた時のことです。

日本のミサイル防空構想のロードマップ作成

 米国国防省副長官が日本に来るとのことで私達は、成田空港に迎えに行き、一緒に東京の米国大使館に戻りました。その間、長官から困った事があり、それは青森にレーダー入れたいのだが誰も日本語で交渉できるミサイル防空構想について説明できる者がいないとの事でした。私がその時に言ったのは、「担当として私が実施できます」と。そして、長官から「日本中のミサイル部隊の統括担当者になってもらいたい」と言われました。それは、2006年の時で、ちょうど北朝鮮がミサイルを日本の上空を通過し始めた時でした。最初は、1998年でしたが、どんどんひどくなり、ちょうど2006年のミサイル4基発射の3日前に青森県内の車力にレーダーを設置することにより、任務を遂行することができました。それで発射の航跡を常時監視できるようになり、みんな驚嘆しました。

 このミサイル情報の流れをちゃんと市ヶ谷まで流せられたことは、日本側にとっても米側にとっても国益にかなうことができました。私はその時から6年間も勤務することができました。

 さらにもう一度、“神の恵み”を見ることができました。私が大学生時代に将来何になるのか悩んでいた当時、ミサイル関係の軍での仕事をするようになるとは、全く考えていませんでした。しかしあの時、米軍教官大尉のアドバイスつまり、日本語専門将校として日本に行くためには、ミサイル将校として勤務をしてから、その後に、日本に行けるとの考えは、まさに“神の恵み”で選ばれたと思います。

 神様は私の祈りを覚えて下さり、25年後に答えを与えてくださいました。その“神の恵み”により、パトリオットミサイルレーダーを日本の経ケ岬に入れて、日米のミサイル防衛のために6年間勤務する事ができたということです。米国大使館の武官勤務の時に日本のミサイル構想のロードマップを作成することができました。

 本当にそれを見てもう一度、“神の恵み”が私をちゃんと助けてくれたという事です。神様は、日本のために私を用いてくださいました。

●「コルネリオ会」ニュースレター(No.155) 2020年12月 掲載

 

<第4回>  東日本大震災における神の恵み「米軍トモダチ作戦」
      〜米軍の災害救助・救援活動の立案と運用に携わる〜
に続く

——> 「コルネリオ会」ニュースレター(No.156)発行後に掲載いたします。

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<紹介>
スティーブ・A・タウン
アメリカ、モンタナ州出身。
宣教師だった父親の関係で小学生まで日本の神戸に暮らす。
アメリカに戻ったのち、アメリカ陸軍の奨学金を得て大学を卒業。
その後、アメリカ陸軍の日本語専門家として沖縄で勤務。
一旦アメリカに戻るが、日本のアメリカ大使館へ武官として赴任。
武官を2年務めた後、陸軍横田基地に戻る。
ちょうどその頃、東日本大震災に遭遇。防衛省のある市谷に日米連絡所を設置し、アメリカの「トモダチ作戦」をサポート。

その後、大佐で除隊。軍事会社に転身した。

著書:『日本人だけがなぜ 自衛隊の実力に気がつかないのか?』
  スティーブ・A・タウン 著
宝島社:2018年 7月3日  発行

  (著者プロフィール より)

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