『キリシタン史からのメッセージ』
高槻・Ukon:第19回
久保田 Ukon 典彦
阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰
キリシタン時代における 一般信徒の働き
● 一般信徒 ・ 平信徒。
最近では、レイマン layman ・ レイウーマン laywoman という言葉もよく使われるようになってきました。
キリシタン時代だけではなく、現代であっても、いつの時代であっても
神に関する働きは、特別な人たち ・ 司祭や牧師によってのみ 進められるものではありません。
主イエス ・ キリストによる [ 大宣教命令 ]
「 全世界に出て行って、あらゆる国の人々を 弟子としなさい。教えなさい。」 ━━ というのは、
一部の人たち ・ 司祭や牧師に語られた 命令ではありませんでした。
すべてのクリスチャン ・ 信徒に対する命令です。
● キリシタン時代の日本以上に、初代教会の頃は、
毎日毎日、人々が救われて クリスチャンになっていきますが、使徒たち、働き手は 少ししかいませんでした。
「 家の教会 」 と呼ばれますが、世話をする 一般信徒が中心となって、人々は 家々に集まり、礼拝をささげ ・ 交わりを深め ・ 働きを進めていきました。
いわば、司祭と信徒 ・ 牧師と信徒 が一つとなって、神さまの働きを進めていきました。片方だけでは、十分なことは出来ません。
● 日本に初めて キリスト教を伝えた フランシスコ ・ ザビエルにしても、日本のことが何もわからず、日本語もまともに話せない状態で、キリスト教を伝えていくことなど 出来ません。
ザビエルは、マラッカで出会った 弥次郎など ・ 最初の日本人3人に、まず 適切 ・ 堅実な教育をすることに 配慮しています。
ザビエルの、最初の宣教活動の成果は、大部分、この3人の信徒 ・ とりわけ パウロ弥次郎 の協力によるものでした。
その後の働きにおいても、元 琵琶法師だった ロレンソ了斎の貴重な働きがあってのことでした。
● その後も、多くの宣教師たちが 尊い働きをしていきますが、
宣教と教理を語る仕事は、たいていの場合、日本人の平信徒の手によって進められ、
司祭たちの活動は、秘跡を授けることと、そのような キリシタンリーダー を教育していくことでした。
このような 連携による結果、
積極的で ・ 広範囲にわたる 宣教の働きが可能となっていったのでした。
キリストの手足となって ・ 司祭たちの手足となって、忠実に励んでいった 一般信徒たち。
これらの人たちは、日本の歴史書には、全然 あるいは ほとんど出てくることはありませんが、
神さまの 「 いのちの書 」 には、しっかりと 書き留められている人たちです。
鹿児島 市来 ( いちく ) の侍 ミゲル
平戸の 木村一家
府内 ( 大分 ) の キリシタン鍛冶屋
尾張 花正の コンスタンチノ
秋月の ミゲル黒田惣右衛門
広島の パウロ志賀親次 ・ ルイス入江左近
東北の ペドロ人見、ディヨゴ
・・・・・・・
そして、
ロレンソ了斎 ・ 髙山右近 ・ 後藤寿庵 ・ 熊谷豊前守元直
━━ といった人たち。
あなたは、何人の人たちを ご存じでしたか?
[ 参考図書 ]
「キリシタンの心」 (チースリク ・ 著、聖母文庫)
久保田 Ukon 典彦
阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰
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「髙山右近研究」をライフワークにしています。
髙山右近やキリシタン達を通して、いっしょに考えていければと思います。