テロ組織ハマスを非難しない日本 ~ 明石清正 ~

The bodies of people, some of them elderly, lie on a street after they were killed during a mass-infiltration by Hamas gunmen from the Gaza Strip, in Sderot, southern Israel, Oct. 7, 2023. Photo: REUTERS/Ammar Awad

 

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

 10月7日の午前6時、イスラエルでは仮庵の祭りの最終の八日目、安息日に、ハマスのイスラエル攻撃が始まりました。こちらに、時系列で整理した、BBCによる記事があるのでご参考ください。

【解説】 イスラエルへの急襲、不可能と思われたが…ハマスはどうやって

 ところで、実にやるせないのは、岸田首相のツイート(X)です。全くイスラエル支持を表明していません。

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①「昨日」というように、その日に非難声明を出していません。
②明らかに、外務省の報道官の焼き写しの発表、彼自身の心からの言葉でないです。
③「武装勢力」と呼び、「テロ組織」とは言いません。
④「ガザからイスラエルを攻撃」と言っていますが、ロケット攻撃だけでなく、国内に侵入したのです。
⑤誘拐、凌辱、死体引きずり等、かつてのISIS、ウクライナでのロシア軍のしているような仕業を、ハマスは行っていますが、言葉があまりにも薄っぺらい、官製の臭いがします。
⑥最も憂慮することは、「全ての当事者に最大限の自制を求めます」という文言です。

 日本の中東諸国に対する立ち位置は、極めていびつなものであることを、ずっと感じてきました。

①そもそも、テロリズムに対する怒りや非難が、かなり弱くなる。容認的ですらある。
②イランは、世界最大のテロ支援国家であるのに、なぜか友好ぶりをアピール。
③パレスチナには、巨額の支援を送っているが、どう使われているか精査がなし。
④G7との歩調について言えば、唯一、日本がハマスを非難していない。

 それから、イスラエル在住の日本人の方々が、イスラエルの日本大使館の対応を批判しています。今現在、多くの飛行機の便が、イスラエルへの出入りをやめています。他国は自国民の救出のために飛行機を手配するところまでしているのですが、大使館は、邦人の安否確認を事務的にしている程度です。このように、日本政府は在外邦人を救出するということは、基本的にしません。これも異様なことで、北朝鮮による拉致事件も、救出という意志が見えないために起こるべくして起こりました。

 日本という国のありようが、テロ組織ハマスへの対応を通して、如実に表れています。