イスラエルとUAEの国交樹立 −明石清正−

 

 

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

 

 

イスラエルとUAE(アラブ首長国連邦)が国交正常化で合意:アラブ諸国と3国目 2020.8.14 (「オリーブ山通信」より 2020.08.14)

 先週流れた、特大ニュースです。歴史的合意とは、こういうことを言います。エジプト(1978年)、ヨルダン(1994年)に次いで、36年ぶりの、アラブ諸国との国交正常化です。私は、自分の最寄りの駅の自宅帰りで、公園に、ニュースの流れる電子掲示板があるのですが、そこにこのニュースが流れ、「おお!ついに!」と叫んでしまいました。

 実際的なところから話しますと、日本人には馴染みの深いアラブ首長国連邦のドバイですが、そことイスラエルが国交を結んだということです。聖地旅行に行かれる方は、エジプトとイスラエル、ヨルダンとイスラエルと組み合わせていく旅程は多いですが、それは、国交正常化がなされているからに他なりません。

 イスラエルを取り巻く中東情勢は、ここ10年以内に瞬く間に変わりました。遠因としては、アラブ諸国はイスラエルと戦っても、必ず負けるという、鉄板のような存在に立ち向かうことはできない現実を味わっていたからです。エジプトのサダト大統領がそのことを知り、ヨルダンは初めから現実路線で、水面下ではイスラエルと長い付き合いをしていました。

 アラブの春において、民主化ではなく、イスラム過激派の台頭が起こり、イスラム国が暴れ始めました。従来の強権的な国政は過激派との戦いが、社会の安定のために必然でありました。ちなみに、それらの国のアラブ人クリスチャンたちは、イスラム原理主義の勢力よりも、はるかに強権国家を望みます。

 そして、イランが覇権を中東全域で拡げていったことが、最も大きな原因です。それでスンニ派の大国サウジアラビアを始めとして、アラブ諸国はイランとイランからの支持や援助を受けているテロ組織と戦わねばなりません。

 イスラム過激派組織にしても、イランにしても、どちらもイスラエルは抹殺すべき敵であり、ゆえに、イスラエルには軍事的に、諜報においても、戦うノウハウを持っています。

 ゆえにアラブ諸国は、イスラエルに急接近しているのです。ここ数年に、ネタニヤフ首相の精力的な外交は際立っていました。もう一つ、外交的に動いている大国はロシアであり、中国ですが、アメリカのトランプ大統領は動いていません。何か、終末の様相をもたらしていますね。ちなみに、日本の安倍外交も、非常に精力的なものであり、日本の国際的な役割も大きく変わりました。

 シェアした上の記事に、聖書預言における視点が書かれています。私も、中東ニュースを見る時に、この視点を基軸にしています。

「さて、エゼキエル38章には、将来、安心して住んでいるイスラエルを攻撃してくるゴグ・マゴグの戦いのことが書かれている。攻めてくるのは、北のロシアやイラン、トルコ、南からは北アフリカ方面の国と考えられている。

これに参戦していないとみられるシェバ、デタンという地域にあたるのが、すでに、イスラエルと和平条約に至っているエジプト、ヨルダン、そして、今回のUAEを含むアラビア半島である。今回、UAEのイスラエルとの国交樹立で、一歩も二歩もこの終末の形に近づいた感がある。」

 そして、もう一つ、強くお勧めするのが、イスラム思想研究者の飯山陽さんの記事です。アラブ諸国が、イスラム教があるからこそイスラエルを撲滅するというイデオロギーに硬直化していたことを良く表しています。日本では、そうしたイスラム教や左翼思想に親和性を持つ人々が、反イスラエルの情報を流し続けているのですが、ここ10-20年で、イスラム教の研究者から、イスラム教の政教一致こそが世界の問題であるという意見が出てくるようになりました。

イスラエルとUAEの国交正常化が「ものすごくいいこと」である理由(「Note 飯山陽」より 2020.08.14)

「ユダヤ人はイスラム教の教義によると、単に屈服させるべき敵であるだけでなく、忌むべきブタでありサルです。なぜなら『コーラン』第5章60節にそう書かれているからです。

その忌むべきブタ野郎どもが、イスラム教徒同胞であるパレスチナ人の土地を不当に占領し、国家を建設したのですから、許せるはずはありません。

この路線を踏襲してきたからこそ、アラブ諸国はイスラエルを何はともあれ「敵」と認定してきたのです。」

 神が確実に、イスラエルと周辺国を中心に、世界の国々を揺り動かしておられます。しっかりと情勢を注視し、またイエス様から目を離さないようにしていきたいものです。