キリスト教文書の発行・出版の危機に思う −井草晋一−

 

 

 

井草晋一
SALTY 編集長
日本メノナイトブレザレン教団
武庫川キリスト教会  協力牧師
Piyo ePub Communications 代表

『キリスト教文書の発行・出版の危機に思う』

 

 10年前の Apple による iPad の発売とともに、実用化に動いた世界の「電子書籍」市場。

当時、キリスト教文書の発行について危惧していたことが出版業会で起こってきています。

 今回「創文社」の解散に伴って、中世の神学者トマス・アクィナスの『神学大全』の邦訳(全45巻)などが絶版になることなく、講談社や東京大学出版会などが引き継いで、「電子書籍」や POD版(プリント・オンデマンド)として続けて発行されるのは幸いでした。

<産経新聞>  2020年 8月7日

・老舗学術出版「創文社」解散の波紋・・・前書籍などを講談社などが異例の引き継ぎ

https://www.sankei.com/life/news/200807/lif2008070001-n1.html

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 日本のキリスト教会(教界)の信仰良書や、貴重な文献、神学書、信仰者の証し、神学校で使う書籍など、これから数年のうちに対応策を考えていかないと、キリスト教書籍の「出版社」や各教団付属「出版局」の活動停止や解散に伴って、日本における「信仰の継承」や神学教育・指導者の養成、クリスチャンの育成、教会学校の子どもたちの聖書教育などに、大きな影響が出てくると思われます。

 教会学校の分級別教案の編集、発行などへの協力のために、神学校入学時の1980年から MB教団(日本メノナイトブレザレン教団)の教育宣教師、ルツ・ウィンズ先生から声をかけられて、その働きの一端を担う経験(編集長、など)を担当した者として、日本のキリスト教会の出版事業の継続には、危機感を覚えています。

<「日本キリスト者オピニオンサイト -Salty-」の記事>

「電子書籍」と「Amazon プリント・オン・デマンド(POD)」、および「オーディオブック」について

https://salty-japan.net/2018/12/03/

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 私たちの MB教団が、1970年代から手がけていたこの出版事業「教会教育推進会」(CEM:Church Education Ministries)は、その後、何回かの資金ショートの問題(在庫倒産?)の危機をくぐり抜けてきました。

 アメリカの「スクリプチャー・プレス社(その後、クック・コミュニケーションズ)」の版権を踏まえて、日本独自の分級教案として、また、それぞれの分級別カリキュラムにに基づく教案作成のために、いわゆる<出し切り販売>の 統一教案(「成長」など)と比べると、どうしても、「在庫」を抱えなくてはならない、という課題がありました。

 今年の3月に、「教会教育推進会」は、解散しましたが、40年間にわたって、日本の様々な教団教派の教会に「分級別の教会学校教案」として用いていただけたことは、感謝でした。

 編集スタッフも、執筆する牧師や教師たちも、MB教団の 福音聖書神学校 で、「キリスト教教育」や「教授法」「視聴覚教育」「児童教育」「青年教育」「成人教育」「婦人活動」「発達心理学」「課外活動」「組織と管理」などの授業を受けた者たちとして、また、教会学校の現場での教育活動やキャンプなどの実践を体験したことも、教案執筆、編集、発行を進めていく上で、大きな力となりました。

皆様のご支援と、関係者一同の祈りと奉仕によって進めてきたので、「小回りのきく教案発行組織」として続けてこれたと感じています。

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 独自の「オリジナル高校科分級別カリキュラム」に基づき、CDのデータ(教師用、生徒用)と印刷本で発行した、「高校科教案・グループ聖書研究」の『RooTs』のみ、「電子書籍」と「POD版」として、再発行しました。

 すでに発行した「電子書籍」とともに、8月末には、「生徒用」6冊、「教師用」6冊の POD版(プリント・オンデマンド)が発行されます。

・Amazon Kindle ストア  『RooTs』

https://amzn.to/3470GfU

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 日本のキリスト教会、各教団、教派、に属するお互いとして、ともに祈りつつ、貴重な日本のキリスト教文書、書籍の「電子書籍化」と「POD版発行」に取り組んでいきたいものです。

もちろん、新規出版での「電子書籍」「POD版」発行のためにも。

● ピヨ イーパブ コミュニケーションズ
代表: 井草晋一
http://piyo-epub.com

「ピヨ バイブル ミニストリーズ 」代表
http://piyo-bible.com/