歴史的事実に基づいて反論せよ −西岡力−

写真:史跡佐渡金山(Wikipedia より)
(Photo by Aney, 2005-08-27)
多くの設備が操業当時の姿のまま残されている

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆

歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

佐渡金山の世界遺産登録

 昨年12月28日、文化庁の文化審議会は「佐渡島の金山」(新潟県)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産登録推薦候補に選定した。ところが政府が今回の推薦を見送る方向で調整しているという報道が出ている。
 佐渡金山が推薦候補に選定されるや韓国外務省は「強制労働被害の現場である佐渡鉱山を世界遺産として、登録を目指すことに対して非常に嘆かわしく、これを直ちに撤回することを求める」とコメントを発表した。韓国マスコミも「朝鮮人強制労働の現場を推薦するな」との報道を続けている。
 政府はこのような圧力をはね返し、粛々と推薦手続きを進めるべきだ。そして官民が協力して歴史的事実に基づいた反論を行わなければならない。慰安婦や戦時労働者についてきちんとした反論をせず中途半端な対応をしてきた結果、問題はこじれにこじれた。そのような轍(てつ)をもう踏んではならない。歴史的事実に踏み込んだ国際広報こそが求められている。

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寄り添い世代とアニマル・スピリット世代のコラボ −亀井俊博−

写真:武庫大橋と子どもたち/「環境神学」あとがき  p.103

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

寄り添い世代とアニマル・スピリット世代のコラボ

2022・1・15

ほほえみの国、日本!

 先日あるベテラン・エコノミストが某TV番組で話していました。コロナ禍が始まる直前の事、香港に仕事で行ったとき、空港であるパンフレットを見てショックを受けたと言う、そこには“ほほえみの国、日本ツアー案内”とあった。“ほほえみの国”と言えば、かつてはタイであったはず、いや私を含め今でもそう思っている人が多いでしょう。しかし中国人から見れば、もはや日本はかつてのエコノミック・アニマルの儲け話にぎらつく目を止め、厳しいビジネス競争に疲れた香港人はじめ、中国のビジネス・パーソンを癒す、優しい“お・も・て・な・し”のこころをたたえた“ほほえみの国”になった、と見えている,と言うのです。エコノミスト氏だけでなく、私もかなりショックでした。

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「わが体験的コリア論」~西岡力先生から信仰を学ぶ~ −明石清正~

 

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

 正月に、本書を完読しました。

「わが体験的コリア論 ―― 覚悟と家族愛がウソを暴く」(西岡力著)

 拉致被害者を救出する「救う会」の会長で、朝鮮半島の研究者である西岡力先生による著書です。実は、ご本人から贈呈いただきました。日本キリスト者オピニオンサイト-SALTY-の仲間です。西岡先生が主筆で、私は論説委員の末席を汚しています。

論文の主張が、日本国を動かした

 本の内容は、これまで西岡先生が取り組んでこられた主に二つの事が、体験的に書かれています。一つは慰安婦問題、もう一つは拉致問題です。西岡先生のライフワークの二本柱です。

 この二つの領域において、彼の働きは、日本国そのものを動かしたと言っても全然言い過ぎではありません。慰安婦問題においては、文科省が、21年9月、教科書の記述について「従軍慰安婦」ではなく単に「慰安婦」とするのが適切であるとしました。拉致被害者救出運動については、拉致そのものがタブー視されている状況から、金正日が拉致を認め、日本政府が拉致問題対策本部を設置し、米国が核問題で北朝鮮に対する圧力外交をするにあたって、拉致問題を取り入れて交渉するほどにまでなっています。

とても小さな事でも真実を見続ける

 しかし、初めの時は、非常に小さなところから始まっています。真実、事実をもって嘘を暴き、それが次第に大きなうねりを持っていって、国全体まで動かしていく様子が克明に描かれています。それはあたかも、山に雨が降って、それが小さな水の流れとなり、川となって、下流は大きな河川となっているようなうねりです。そこで大事なのは、どんなに小さなことであっても、真実と正義に基づいて動くという初心から、決して離れないことです。そして勇気を持っています。恐れとの戦いに一つ一つ取り組み、戦い抜いています。

 例えば、西岡先生が、三十年前、拉致事件を論文として発表した初めての人ですが、その時のエピソードを書いています。 “「わが体験的コリア論」~西岡力先生から信仰を学ぶ~ −明石清正~” の続きを読む

新しい年にあたって −西岡力−

 

 

西岡 力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY- 主筆

新しい年にあたって

 年末に『同性愛は生まれつきか? 同性愛の誘発要因に関する科学的探究』(2020/5/30)という本の訳者である、韓国人キリスト者学者の楊尚眞(ヤンサンジン)弘前学院大学教授とお話しする機会があった。

 楊尚眞教授が訳出した同書では、韓国のキリスト者学者らが同性愛問題に科学的に取り組み、遺伝や先天的なものではないという最近の学会の研究成果をわかりやすくまとめた上で、同性愛にどう取り組むべきかを真摯に論じている。楊教授自身も2021年7月に『同性愛と同性婚の真相—医学・社会科学的な根拠―』という力作を出版されている

 楊尚眞教授は韓国のキリスト教界に比べて、日本のキリスト教界が同性愛やLGBTの問題に科学的に取り組む姿勢がほとんどなく、一部は社会的弱者を守るというヒューマニズムに傾斜して過激な左派の家族破壊運動に加担していると嘆いていた。

 

 私は昨年上梓した『わが体験的コリア論 覚悟と家族愛がウソを暴く』で「被害者もウソをつく」という大変重たい問題提起をしたと話した。拙著で正面から取り上げた慰安婦問題について、やはり、日本のキリスト教界が社会的弱者を守るというヒューマニズムに傾斜して過激な左派がまき散らしているウソに加担してきたと、楊尚眞教授の嘆きに共感した。

 聖書は十字架以外に救いはないと教えている。その意味するところは、人間は全員、罪人であっていくら被害者であっても弱さと自己中心性を心に持ち、ウソをつくこともある。その弱さと自己中心性はもちろん私にもある。

 パウロ先生も「私は、したいと願う善を行わないで、したくない悪を行っています。…私は本当にみじめな人間です」と告白しているとおりだ。その罪をあがなうことができるのは唯一イエス・キリストの十字架の救いしかない。

 ソルティ(SALTY)は今年も、日本のキリスト教界にはびこる被害者中心主義という反キリスト的ヒューマニズムに立ち向かいたい。

 

令和4年初春
ソルティ主筆 西岡 力
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家族会前代表・飯塚繁雄さん逝去に思う −西岡力−

<写真> 中央:家族会の飯塚繁雄代表と安倍首相
(2019年2月19日 首相官邸にて撮影)

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授

家族会前代表・飯塚繁雄さん逝去に思う

西岡力 / 2021.12.20 (月)

 12月18日、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)前代表の飯塚繁雄さんが亡くなった。83歳だった。飯塚さんは拉致被害者田口八重子さんの長兄だ。初代家族会代表の横田滋さんの後を継いで2008年から14年間、家族会代表を勤めた。横田さんの代表在任期間は10年8カ月だったから、それよりも長い年月、拉致被害者を取り戻すための国民運動の先頭に立っていたことになる。

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日米開戦80周年と、淵田美津雄さんの講演 −亀井俊博−

写真:<左> 『真珠湾からゴルゴダへ』淵田美津雄 著
(注1)著書の購入をご希望の方は、文末をご覧ください。

写真:<右>『机上で聞いた神の声』横山一郎 著

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

 

「日米開戦80周年と、淵田美津雄さんの講演」 2021・12・5

トラ・トラ・トラ

 トラ・トラ・トラ(ワレ奇襲ニ成功セリ)、1941年(昭和16年)12月8日、帝国海軍が米国ハワイの真珠湾を奇襲攻撃した際の、合図の暗号電文である。アカデミー賞の米映画の題名にもなったので知られている。今年はこの日米開戦の80周年記念の年である。かつての敵国同士が80年後の現在、これ以上ない平和な関係、同盟国になろうとは予測すらできなかっただろう。ここに一文を捧げ平和の礎となられた方々に謝意を表し、この奇跡的な平和関係をもたらされた摂理をもって歴史を導かれる、和解と平和構築の神に感謝をささげたい。

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戦後民主主義の初めの愛 −亀井俊博−



 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

「戦後民主主義の初めの愛」 2021・12・1

戦後民主主義の揺籃期に学ぶ

 本誌編集委員の方から、NHK R2、8/9~9/6、5回カルチャー・ラジオ、ラジオ・アーカイブス「声でつづる昭和人物記」で、“丸山眞男・南原繁と戦後日本社会” と言う放送があるので、お聞きになってはいかがとお勧めを頂きました。

 戦後民主主義揺籃期の民主主義普及に尽力された、故丸山眞男東大政治学教授、氏の恩師、故南原繁元東大総長のお話しのアーカイブスでした。昭和史の作家保坂正康氏の解説があり興味深く拝聴しました。以下、その紹介と私の感想です。

・カルチャーラジオ NHKラジオアーカイブス「声でつづる昭和人物史~丸山眞男」1 (2021年8月2日 再放送/「丸山真男と戦後日本  第1回 民主主義の発見」1996年11月18日放送、ETV,聞き手:社会教育史家、久田邦明さん)

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『わが体験的コリヤ論』(西岡力著)の出版 −後藤献児朗−

 

 

 

 

 

日本キリスト者オピニオンサイト-SALTY-代表
有限会社サーブ介護センター 代表取締役

2021年11月8日

日本人であれば誰もが関心を持つ「北朝鮮拉致問題」に、クリスチャンとして人生をかけ取り組んで来られた西岡力先生が、信仰を前面に出した『わが体験的コリア論』を出版されました。

「拉致なんてない」と政治家自らが拉致を否定していた時代がありました。また、その言葉に同調し、キリスト教界もが「拉致」を否定していた時代があります。そんな頃から活動を続けて来られた西岡先生の孤高の戦いが、今に至るまで続いてきました。そして今も尚、拉致被害者の方々の完全奪還を目指し、全国を飛び回っておられる西岡先生のパワーはどこから出ているのでしょうか?

そう! 紛れもなく信仰から出ているのです。拉致された方々やそのご家族に対する「愛」ゆえの活動です。朝鮮半島情勢を誰よりもよく知る西岡先生の本です。楽しみにしておりました!!

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美田を残す、元気印老人の夢 −亀井俊博−

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写真:「西谷の森公園」宝塚市

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

「美田を残す、元気印老人の夢」

2021・11・3

人生120年時代の到来

 先日、芦屋キリスト教協議会と言う、芦屋市内のカソリック、プロテスタント等市内キリスト教会のほとんどが参加する団体が主催する“市民教養講座”で、“モーセ”についてお話しくださいと依頼を受けました。そこで“人生120年時代のヒント、モーセに学ぶ”と題してお話ししました。

 モーセと言う人は120才まで生きた人で、超長寿社会到来(“人生120年時代が来る「抗老化」研究最前線リポート”週刊朝日2021・7・23)の現代人の生き方モデルとなると思います。

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「亡国の環境原理主義」から思う似非キリスト教 −明石清正−

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

 

 COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が、10月31日から11月12日まで、英スコットランド・グラスゴーで行われている中で、本書を読了しました。内容は、著者ご本人が以下の記事で書いています。

亡国の環境原理主義

 個人的に、地球温暖化問題には苦手意識があり、避けてきた問題でした。一つに、あまりにも二極化が進み、気候変動に対する懐疑派との対立が非常に大きいことがあります。もう一つは、数字との戦いがあり、私は理系肌では全くないので、避けてきました。

 しかし、もはや個人的には避けられない問題かもしれない、いや、世界規模の諸問題に通底する考え方が一つの線につながってきた思いがし、それを言葉にして述べる勇気を得ました。

 きっかけは、たまたま、教会に、関連する分野をお仕事にしておられる方がいることです。彼が私に、「環境”正義”、気候”正義”という言葉が欧米で使われています。その正義って、キリスト教があるから出てくる発想ですよね?」と感想を求めてきました。日本では二酸化炭素を「減らす」ことで貢献ができるというのが理解だけれども、二酸化炭素自体を悪と見なす二元論が気になっている。それは、もしやキリスト教から来ているのでは?ということです。

 一般の日本人で、この分野に詳しい人であれば、キリスト教が背後にあるのでは?という発想をするはずだと、私も強く思いました。案の上、本書では、次のようなくだりがあります。 “「亡国の環境原理主義」から思う似非キリスト教 −明石清正−” の続きを読む