最近の韓国のアンチ反日の動きについて(2)−西岡力−

<写真> 2021年1月26日(火)に首相官邸にて、「ソウル中央地方裁判所の慰安婦判決に抗議する日韓法律家・知識人共同声明」を加藤勝信官房長官に手交した時の写真( HARC 1/26 より)

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

最近の韓国のアンチ反日の動きについて(2)

*『 歴史認識問題研究 』 第8号 (2021年3月19日)より転載

<その1より>

Ⅰ 実証主義歴史学者による啓蒙活動 (1)

1)植民地近代化論論争と慰安婦タブー

 すでに韓国史学界では主として経済史専門家らによって、侵略と収奪という従来の学界の見方に反対して、日本統治時代に近代化が進んだとする植民地近代化論に立つ実証研究が1980年代から積み重ねられていた。(注2)しかし、学界内部では激しい論争が続いているが、韓国社会全体に対する啓蒙活動はそれほど活発ではなかった。(注3)

 特に、慰安婦問題や朝鮮人戦時労働者問題など、日韓の外交紛争については、結果的に日本側を弁護することになる実証研究結果を対外的に明らかにすることはほぼなかった。あるいは大きなタブーがあって、事実上できなかった。(注4)

 このタブーを破ったのが李栄薫ソウル大学教授(当時)だった。

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