新型コロナ・ウイルス感染症の神学的考察(4) −亀井俊博−

・写真:梅の花(能勢川バイブルキャンプ)

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

 

「新型コロナ・ウイルス感染症の神学的考察(4)」

執筆:2021年1月13日

<第4回(最終回)>
・4回の連載で掲載いたしました。(SALTY編集部)

<第3回>より    <—– クリック!

 

(D)実践神学的考察

(a)コロナと宣教学(ミッシオロジー)

 世界宣教の使徒パウロは、議会サンヘドリンに訴えられた訴状で「この男は、疫病(ロイモス)のような人間で、世界中に」伝道している人物と紹介されています(使徒 24: 5)。今、世界の教会はパウロに倣ってコロナ感染の“疫病”に勝る、福音宣教力(感染力?)を頂く聖霊によるリバイバルの好機にいると信じます。
京都学派今西スクールの生態学者、梅棹忠夫の著作「文明の生態史観」にほとんど注目されませんが、興味深い疫病と宗教との関係を取り上げた、論文があります。梅棹によると、感染病はヒトの体に感染する様に、宗教も精神的に感染するので似ている。まあ、疫病と宗教を似ていると言うのは、冒涜的に思いますが、我慢してお聞きください。コロナ時代の宣教学に参考になる事もありますから。

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新型コロナ・ウイルス感染症の神学的考察(1)−亀井俊博−

・写真:ビオラの花

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

 

「新型コロナ・ウイルス感染症の神学的考察(1)」

執筆:2021年1月13日

<第1回>
・4回の連載で掲載いたします。(SALTY編集部)

(一)コロナ論議

 こんなに長期戦になるとは思っていませんでした。新型コロナ・ウイルスとの戦いです。戦争ならどこか遠くに戦線があって、夕食のTVニュースを見ながら心を痛めているのですが、この戦いは私たちの日々の生活が最前線で、私の様な後期高齢者にはいつ弾が当たって感染、死に至る病になるか戦々恐々です。医療者、経済界、教育者、政治家、ジャーナリスト等、様々な観点から意見や、行政の取り組みに批判を述べています。中には宗教界からも、コロナ封じの御祈祷の勧めがなされています。まさに総力戦の観を呈しています。私も今まで、その時々に意見を述べてきましたが、ここにキリスト教福音派の視点で神学的な考察を試みてみます。なお参考資料の「拙著」は電子図書で刊行されています。

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新型コロナウイルス感染拡大と教会(2)−大橋秀夫−

・写真:あべのハルカス

大橋秀夫牧師の『新型コロナウィルス感染拡大と教会』の<第2回>です。
世界各国の危機的な状況の中で、日本の教会が直面している課題を明らかにしつつ、今後の歩むべき道を問いかけ指し示しておられる内容です。
皆様、ぜひ、ご一読くださいますよう、ご案内いたします。

第1回 より  <—– クリック!

● 3回の連載:<第2回>

 

 

大橋秀夫
「日本教会成長研究所」
(現、JCGIネットワーク)
コメンテイーター、理事、全国講師
日本福音自由教会
クライストコミュニティ教会  顧問牧師

 

2,教会の対応

 ではキリスト教会の対応はどうなのか。コンコーダンスによると、「疫病」と言うウイルス性の感染症を表すだろう言葉は66回ある。そのうちの1回だけが新約聖書ルカの福音書21章11節にある。そこには次のように書かれている。
「大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい光景や天からの大きなしるしが現れます。」と。これは終末の前兆を知りたがる弟子たちの求めに対して語られたのであるが、他の福音書はもとより、ヨハネの黙示録の終わりの日に下される災いの中にも「疫病」は含まれていない。今回、終末論に結び付けて対応するという過去の間違いを踏襲しなかったのは、教会の成長と言えるかもしれなない。

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