城の維持管理 −久保田典彦−

※写真:芥川城跡説明板より

『キリシタン史からのメッセージ』

 高槻・Ucon:第34回 

 

 

━ 久保田 Ucon 典彦 ━

阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主催

城の維持管理

━ 久保田 Ucon 典彦 

● わが町 ・ 高槻にも、城跡が遺(のこ)されてきているものとして、

「 高槻城 」 と 「 芥川城 」 が ありますが、

お城 というと、とかく、天守などの建物や 土塁 ・ 石垣 ・ 堀 が 関心の中心に なりますが、築城された後の 維持管理が、実は、なかなか 大変だったようですョ。

● 城には、配備される 軍勢 ・ 城兵が、有事でなくても、何十人規模で 常駐することになります。
彼らを いっさい、理由もなしに、城外に出してはいけませんし、何か用事があって 城外へ派遣する場合は、特別に、城主が出す手形を 門番の兵に見せて、外出することになります。
臨時的な ・ その場しのぎの城でなく、ある程度の期間 使おうとする城の場合、維持管理が出来ていないと 意味がありません。

● 城内で、多人数が生活するからには、いろんなものが 必要になります。
燃料などに使う 草木が、必要不可欠 になります。
草木採取のためには、城兵が 城外に出て 確保することになりますが、城外なら どこでも自由に 採取出来たわけではありません。
周辺地域の百姓の 権益を侵してしまったり、敵地に侵入してしまう可能性もあるわけです。

● それなりの数の 備品の 常備と維持管理も 重要です。
具足 ・ 兜 ・ 鉄砲 ・ 弓 ・ 槍 ・ 鉄砲玉 ・ 火薬 などの 武器関係。
板 ・ 薪 ・ 縄 ・ 松明 ( たいまつ ) など。
米 ・ 塩 ・ 味噌 ・ 油 ・ 豆 ・ 干物 などの食糧、それらを貯えておく大樽 ・ 小樽 など。
水がめに、飲料水 ・ 料理用の水を確保しておくことも、必須です。

● 備品の中でも、生きていくために、兵粮 ( ひょうろう:食糧 ) の確保が 不可欠です。
米の備蓄。 しかし、過度の消費を 押さえなければ なりません。
“ みだりに 餅 ・ 飯 を食うべからざる事 ”  ( 「 城掟 」 )
“ 置兵粮を、城衆へ 配るべからざる事 ”

米を 物々交換して、他のことに使ってしまうことが あったようです。

芥川城・主郭御殿 跡で

● 城内で生活をする以上、毎日の掃除が 大事な仕事でした。
城兵たちに、掃除が 義務づけられましたし、城内の 草刈りも必要でした。
やっかいだったのが、人間や 馬などの 糞尿の処理でした。
毎日、大量に出されますが、城外へ持ち出して、城内を清潔にしておく必要が ありました。

● モノや 空間を キレイにしておくだけではなく、
建物 ・ 塀 ・ 柵 ・ 土塁 などの メンテナンスも 必要です。
時は、戦国の世です。敵方の攻撃によって 破壊されたものは、すぐに 修復しなければ なりません。
大雨や 暴風 ・ 落雷 などの 自然災害による 被害も出ますので、対応していかなくては なりません。

● 城には、在城衆 だけでなく、外から さまざまな階層の人たちの出入りがありますので、きっちり 監視しなければ なりません。
城外からの 不法侵入を防ぐため、厳しい警備体制が 必要です。
すきを窺がっている 敵方の 間者 ・ 忍者 ・ 盗賊 などもいます。
特に、夜間の 備えが必要で、不寝番 ・ 夜回り が行われました。
失火にも、気をつけなくては なりません。
城兵に、ストレスが たまっていきます。

だからと言って、寄合い酒や 博打 ( ばくち ) などは、トラブル ・ 喧嘩 ・ 犯罪の原因ともなりますので、禁止されます。
「 城掟 」 ( しろおきて ) が作られ、こまごまと 指示し、徹底していくことになります。
門限 ・ 掃除 ・ 夜中の点灯 ・ 火の用心 ・ 許可証提示による ヒトやモノの出入り ・ 備品管理 ・ 博打 ・ 飲酒 ・ 喧嘩 ・ 落書き ・ 小便 ・ 堀への ゴミ捨てなどの禁止・・・・

● 築城は したものの、その 維持 ・ 管理は、なかなか 大変だったようですネ!

建物や 石垣 ・ 堀 ・・・・・ だけを見ていて、 「 お城フアン 」 というのでは、大事な 何かが 足りないような ・・・・・・・ 。

【 参考図書 】
「 戦国の城の一生 」 ( 竹井英文・著、吉川弘文館・発行 )

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久保田 Ucon 典彦

阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰

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「髙山右近研究」をライフワークにしています。
髙山右近やキリシタン達を通して、いっしょに考えていければと思います。