変わりゆく世界の教会と変わらない日本の教会(2)− 大橋秀夫 −

・写真:秋の花_エルサレムアーティチョーク

● 3回の連載:<第2回>

 

 

大橋秀夫
「日本教会成長研究所」
(現、JCGIネットワーク)
コメンテイーター、理事、全国講師
日本福音自由教会
クライスト・コミュニティ教会 顧問牧師

 

変わりゆく世界の教会と変わらない日本の教会(2)

—–> <前回、1. 聖書の読み方が変わった  より続く>

2. 教会の構造が変わった

 宗教改革が打ち立てた大きな三つの原則は「聖書のみ・恵みと信仰のみ・信者のみ」で、これには変りはありません。しかし、いわゆる「信者のみ」に基づく万人祭司に基づく教会の構造的な変化が世界中で起こりつつあるのです。

 宗教改革者 マルティン・ルターがこだわったのは、恵みと信仰による救いでした。反対に彼がほとんど関心を示さなかったのは、当時のカトリック教会の礼拝儀式です。彼は「礼拝の儀式などは、福音に反しない限りどちらでもよいこと」(アディアフォラ)として儀式の多くを残してしまったのです。

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変わりゆく世界の教会と変わらない日本の教会(1) − 大橋秀夫 −

・写真:秋の花_エルサレムアーティチョーク

この度、SALTYからの執筆依頼に快く応じてくださった、大橋秀夫牧師から寄稿文が届きました。
長らく伝道・牧会に携わり、また、「日本教会成長研究所」の講師として、様々な教団教派の牧師の継続教育や育成に尽力されてこられた、大橋牧師の論説は、世界の教会の動向に対して、日本の教会の課題を明らかにしつつ、危機感を持って問いかけておられる内容です。

3回の連載として掲載いたします。

● 3回の連載:<第1回>

 

 

大橋秀夫
「日本教会成長研究所」
(現、JCGIネットワーク)
コメンテイーター、理事、全国講師
日本福音自由教会
クライスト・コミュニティ教会 顧問牧師

 

変わりゆく世界の教会と変わらない日本の教会(1)

はじめに

 過去2000年にわたって教会は変化し続けて来ました。ここで言う変化とは<刷新>と言う方が適当かと思います。そこには二つの刷新、すなわち霊的刷新と構造的刷新がみられます。

 そもそも教会が誕生したペンテコステの出来事を通して、そこに誕生した群れを最初の教会と呼ぶならば(*注1)、誕生した教会はそれまでのユダヤ人社会の中に存在していた形態、コミュニティーの伝統と形を全く変えてしまうほどの教会でした。

「信者となった人々はみな一つになって、一切の物を共有し、財産や所有物を売っては、それぞれの必要に応じて、皆に分配していた。そして、毎日心を一つにして、宮に集まり、家々でパンを裂き、喜びと真心をもって食事をともにし、神を賛美し、民全体から好意を持たれていた。主は毎日、救われる人々を加えて一つにしてくださった。」(使徒の働き2章44~47節)

ーー
(*注 1)
「教会」と訳されている言葉は、旧約聖書では「全会衆」であり、やがてそれはギリシャ語で「共同体」と訳されます。したがって、教会は旧約聖書の時代から存在していた と主張する人たちもいます。
ーー

 こうした当時のユダヤ人社会ではありえない出来事、革新的な掟破りの行為が教会の誕生でした。以来教会は、2000年の間に様々な変化を経験して今日に至ってきました。私たちのプロテスタント教会もその変化=刷新の結果誕生したと言えます。(無論、「私たちの教会の精神は、初代教会から連綿と引き継がれてきた」と主張する人々がいないとは申しませんが、所詮それは、被宣教国である日本でいくら主張したところで意味を持たないことです。)

 そこで私は近年起こっている教会の変化について考えてみようと思います。

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2019 AMCF 東アジア大会を終えて − 石川信隆 −

写真:2019-AMCF 日本宣教大会-開会礼拝_2019-0829_横浜指路教会

石川信隆 JMCF会長

 

 

石川信隆
コルネリオ会 会長
防衛大学名誉教授

 

2019 AMCF 東アジア大会を終えて

-イエス・キリストにあって一つ-

1.     はじめに

 「イエス・キリストにあって一つ(ガラテヤ3:28)」。このみことばは、AMCF(世界軍人クリスチャンの会)のモットーです。このみ言葉を体験するため、毎年、東アジアの軍人クリスチャンは、大会 (Conference)(約100人規模)とリーダー研修会(Interaction)(約30人規模)を開催しています。大会の目的は「交わりと励まし」であり、研修会の目的は、軍人クリスチャンとしての祈り方と聖書の学び方と証しです。

 今回の東アジア大会は、1986年の日本で開催した第1回目以来、第5回目になります。私は日本で開催された5回の大会にすべて参加できる恵みを得ました。10年に1度の世界大会(約1000人~3000人規模)も3回参加しました。

AMCF-2019_日本宣教大会_チラシ

 しかしながら、日本のコルネリオ会(防衛関係キリスト者の会)という小さなグループ(実動会員 約10名)が、このような大きな大会を開催するのは至難の業です。ひとえに主の憐れみとコルネリオ会員、牧師先生方のご協力および各教会および会員家族、さらに金学根牧師(日本自衛隊宣教会 代表)の献身的な働きのお蔭によって成り立ちました。

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主の両腕における連携と連帯による平和づくり − 井草晋一 −

世界軍人クリスチャンの会『2019年 東アジア大会』
「証し」 8月31日(金) 08:30ー09:20

 

 

 

井草晋一
日本メノナイトブレザレン教団
武庫川キリスト教会 協力牧師
ピヨ バイブル ミニストリーズ 代表
コルネリオ会 教職顧問(関西地区)

主の両腕における連携と連帯による平和づくり

 兄弟姉妹の皆様、おはようございます。私たちの主イエス・キリストの御名を賛美いたします。

私は、井草晋一と申します。
日本メノナイトブレザレン教団の牧師で、大阪の近く(兵庫県尼崎市)の武庫川キリスト教会の協力牧師を担当しています。メノナイトブレザレン教会は、歴史的平和教会の一つです。

2005年から「日本防衛関係キリスト者の集い(コルネリオ会)」の教職顧問を担当しています。

 最初に、私の家族を紹介いたします。私の妻は、井草和子と申します。私たちには二人の息子があります。
長男は恵一と言い32才です。陸上自衛隊の隊員であり、8年前の2011年2月から8月までの7ヶ月間、ハイチの震災復興のために350人のPKOメンバーの一人として派遣されました。

 次男は聖二といい、30才です。 2010年の9月に、アメリカのカンザス州ウィンフィールドで開催された「世界フィンガーピッキング・スタイル ギターコンテスト」でトップ5を受賞しました。現在、プロのギタリストとして活躍しています。

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世界軍人キリスト者の会(AMCF)の「東アジア大会」が開催!

*写真:8/31(土)「派遣礼拝」— 説教:朝岡勝牧師(徳丸町キリスト教会)

世界軍人キリスト者の会(AMCF)の「東アジア大会」が開催!

 8月29日(木)から31日(土)にかけて、横浜(桜木町)で、世界軍人キリスト者の会(AMCF)の「東アジア大会(日本宣教大会)」が開催されました。

テーマは、「平安があなた方にあるように(ヨハネ 20:20)」です。

石川信隆 JMCF会長
石川信隆 JMCF会長

 今回は、日本の「防衛関係キリスト者の会(JMCF・コルネリオ会)」(会長:石川信隆 防衛大学名誉教授)が主催し、韓国(32名)、台湾(11名)、モンゴル(10名)、中央アジア各国、(カザフスタン:2名、キルギスタン:2名、タジキスタン:1名)、アメリカ(5名)、スリランカ(2名)、日本(40名近く)の、100名ほどの参加。

 横浜オンヌリ教会(西山慎一牧師)を会場に、8/29(木)と8/30(金)の夜の「宣教大会」は、約160年前にヘボン宣教師が来られてスタートし、日本で二番目に創立された横浜指路教会(藤掛順一牧師)で行われました。

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激動する朝鮮情勢と日本 – 金井 望 –

SALTY論説委員 金井 望

 

  1.三・一独立運動、提岩里事件から100年

 提岩里(ていがんり、チェアムリ)事件が起きてから今年で100年になる。これは1919年4月15日、朝鮮京畿道水原郡郷南面提岩里(現在の華城市郷南邑提岩里)で日本の軍隊によって29人の住民が殺害された痛ましい事件である。三・一独立運動の影響で住民が暴徒化し、放火事件や巡査殺害事件などが起こっていたことが、この事件の背景にある。

「堤岩里教会虐殺事件」の真相~殉国記念館(この記事は各種の資料を比較して、真実に迫っている)
単行書・八年陸乙七一・朝鮮騒擾経過概要(この歴史的文書では三・一独立運動は「朝鮮騒擾」と呼ばれている)

 2月27日に日韓親善宣教協力会所属のキリスト教徒17人が、提岩里の三・一運動殉国記念館を訪れ、提岩教会の礼拝堂で床にひざまずいて謝罪した。

日本のキリスト教徒17人が韓国・提岩里訪問 「過去の侵奪を謝罪」

彼らは宗教的信念に基づいて、純粋に善かれと思ってしているのだろう。しかし、「善い」と思ってしたことが「善い」結果を生むとは限らない。韓国の反日運動が度を越して、日韓関係が危険な状態になっているこのタイミングで、火に油を注ぐようなことをするとは!
韓国は国民の約3割がキリスト教徒の国である。そのため、多くの日本人には理解しがたいほど、このような行動が大きな影響を与える。このような暴走を止められない日本のキリスト村を、筆者はその一員として残念に思う。

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日本語指導の必要とその宣教的ポテンシャルについて −金井 望 −

(トップの写真の出典:神戸YMCA 日本語会話クラス)

論説委員 金井 望

 外国人材受け入れ拡大法(改正出入国管理・難民認定法)が12月8日未明に参議院で可決・成立しました。政府は、2019年度から5年間に14業種で最大34万5150人の受け入れを、見込んでいます。少子高齢化が進行し、人口減少・人手不足が深刻化する日本社会の現状を考えると、これは避けて通れない道でしょう。しかし、問題課題は山積しています。

「改正入管法が成立 外国人労働者の受け入れ拡大 10日に国会閉会へ」(産経)

「「移民流入」世界4位の日本で、頑なに「移民」と言いたがらない安倍首相の頭の中」(文春)

日本の保険証が狙われる ~外国人急増の陰で~(NHK)

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日本葬送宣教論 (4) 伴天連追放令 -金井望‐

トップの絵:フランシスコ・ザビエル上陸の図


金井 望(カナイノゾム)
日本キリスト者オピニオンサイト –SALTY–  論説委員

【前回】日本葬送宣教論(3)「家」と「村」-金井望‐

伴天連追放令

 キリシタン時代の始点は1549年、イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルの鹿児島上陸である。それからおよそ100年の間に来日した宣教師が、およそ300名いた。各地の大名は、ポルトガルとの貿易が利益をもたらしたため、宣教師を歓迎し、自らキリシタンとなる者もいた。16世紀後半、ローマ・カトリック教会の宣教はめざましい勢いで、日本全土に拡大した。 “日本葬送宣教論 (4) 伴天連追放令 -金井望‐” の続きを読む