コーヘン駐日イスラエル大使への SALTY単独インタビュー(1) ~ 明石清正 ~

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

(*動画は、下をご覧ください。)

 間もなく降誕節を迎える12月20日、イスラエル大使公邸にて、ギラッド・コーヘン大使に、ソルティーとしてインタビューをさせていただいた。イスラエルは、8日間に渡るハヌカー(神殿奉献祭)を終えたばかりであり、かつ、10月7日にハマスに拉致されたイスラエル人のご家族の訪日の日程を終えたばかりであった。

コーヘン大使と共に。論説委員の中川晴久氏(右)がインタビュー撮影

 我々ソルティーは、ハマスによる大虐殺を強く非難し、イスラエルを支持する立場をキリスト者として明確にしなければいけないということで、一致していた。ちょうどその時に、主筆の西岡力が、救う会の会長として大使に呼ばれ、翌朝の代々木公園での連帯を示すランニングに参加した(大使館のFacebook投稿)。そして私(明石)は、大使の主催された、日本の教会リーダーたちとの懇親会に招かれた。(同Facebook投稿)教会の牧師たちを招いたというのは、駐日イスラエル大使館が始まって以来、初めてということだ。何か、歴史的なものを感じる。

11月30日、大使公邸にて、大使主催のキリスト教会リーダーたちと懇親会(イスラエル大使館Facebookより)

 このような経緯で大使閣下と大使館の方々と知り合い、大使公邸のソファでのインタビューは、コーヘン大使のお人柄も手伝って、とても和やかな雰囲気の中で、自由に語っていただくことができ感謝している。

 今回のコーヘン大使とのインタビューは大使の日本人へのメッセージをそのまま伝えることを約束している。ゆえに、全ての日本人に届けられ読んでいただくためのものとなっている。大使もその意図でインタビューに答えてくださっている。その意味でも、イスラエルと日本にとって非常に重要なメッセージだ。数回に分けて連載させていただく。

 インタビューは、今の戦争のことではなく、大使の日本への愛と、日イ関係の深化について尋ねるところから始まった。

質問1. 私(明石)は、以前から大使のSNSをフォローしており、大使のご活動を拝見していました。日本各地を数多く訪問され、相撲などスポーツもお好きで、日本のことがとても好きなのだと感じました。それに加えて、日本とイスラエルの二国関係に対する情熱を感じています。2014年に、ネタニヤフ首相が時の安倍首相と協定を結びました。日本からイスラエルへの投資額が急増しました。私(明石)自身も、今年5月末にイスラエルのエル・アル航空の直行便を利用させていただきました。

尋ねてくださって、ありがとうございます。日本は、私にとって妻と家族の次に愛している存在です。妻も日本が大好きです。2021年に大使に就任しました。それ以前は、アジア太平洋担当だったので、日本でも働いていました。

大使の日イ関係への情熱

日本、その文化、スポーツが大好きです。相撲だけでなく、登山もします。富士山、また北海道にも行っています。スキーやダイビングもします。和食も、相手を敬う文化も好きです。寺、芸術、禅のような思想があります。日本は宗教にも寛容です。キリスト者であっても、仏教徒であっても、神道の人も平和に暮らせます。

イスラエルも同じです。どの宗教の人も平和に暮らせます。中東地域の中で、イスラエルが唯一、キリスト教徒が、自由に礼拝し、信教が守られています。キリスト教国であったレバノンは、もはやそうではなくなったし、エジプトなどもそうです。しかし、キリスト教の発祥の地では守られています。

今、イスラエルは戦争中で、困難の中にあります。我々は勝利します、しないといけません。善は悪に打ち勝たないといけません。我々は歴史の中で善に立つものです。二国が共に行ったすばらしい事柄は、再開できると思います。

盟友関係

日本はイスラエルの味方です。イスラエルも、日本にとって盟友です。二日前も、私は、北朝鮮の日本に向けたミサイル発射を抗議するXポストを書きました。北朝鮮はイランやハマスと連携していますが、これで分かりますね、あっち系と、こっち系(You can see where they are, where we are)なのです。

ですから、私は日本の味方であることに、誇りを持っています。日本がイスラエルと共に立ってくださっていることに感謝しています。上川外務大臣が、イスラエルに訪問し、連帯を示して、人質の家族に会ってくださいました。

外務省HPのスクリーンショット

https://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me1/il/page4_006037.html

二国協定

大事なのは、どのようにして関係を築くかです。安倍首相とネタニヤフ首相の屋台骨について言及してくださいましたね。共に、強固な関係のための土台固めをしてくださいました。これは、互いの投資による経済から始まりました。貿易の拡大のために、自由貿易協定の交渉を始めています。

そして、来年3月に、テルアビブ・成田間のエルアル空港が再開します。通年、週に二・三回、運航されます。日本の方、クリスチャンの方に来ていただきたいです。イスラエルは安全になります。今も安全なんですけどね、私も家族もそこに住んでいますし!アイアン・ドームがありますし、地下シェルターもあります。けれども今は、観光にすぐには行けない状態ですが、戦後、再開することを願っています。

経済だけでなく、防衛など安全保障でも協力しています。日本も、イスラエルと同じ、課題があります。ミサイルやサイバー攻撃などです。イスラエルには、解決する手段がありますので、日本もそれを持つことができます。その他も、科学、文化、教育、健康など様々なことを話し合っています。代表団がそれぞれ行き来して、2024年には、ハイレベル訪問があるでしょう。(参考記事)

ワーキング・ホリデー

すでに合意した協定に沿って実施していきます。ここ大使公邸で今年3月(注:4月か?)に署名しています。「ワーキング・ホリデー協定」です。

外務省HPのスクリーンショット

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_001456.html

毎年、200人の日本の青年が一年間、働くことができます。若者はお金のないもの、私も、バックパッカーをしていました。働くことで、イスラエル社会を知ることができます。イスラエルの青年も、一年間、働いて、日本を探求できます。これは、ごく一部で、他にもいろいろな協定が結ばれるでしょう、良いことが起こります。

イスラエルの人たちには、私がそうであったように、日本が大好きになってほしいです。見てほしいです。昨日、エルアル航空の代表者と話しましたが、週に何回まで飛ばしても、満席になるのか?という問いですが、彼は週二回と言いましたが、私は三回と言いました。

共通の価値観を持っている者同士

要は、二国の骨格は強固なものだと言いたいのです。民主主義の、同じ価値観を持っている両国です。人権もあります。(あとでガザの状況について話しますが)民主主義です。自由を大事にします。

そして法の支配です。海上においても法の支配を信じています。フーシー派がイエメンで行ったことがありますね。海上船舶が守られないといけません。日本の経済のためにも必要です。イスラエルのためだけでなく、世界のためにも守らないといけません。

私たちは同じ価値観を持っています。日本の政府に対してだけでなく、国民に対しても、知らせていきたいです。ひかえめな(?)日本のクリスチャンたちにも、(知らせていくことを)お願いしたいです。いつも、イスラエルを支持して、もっと困難になっている今も、支持してくださることに、大変感謝しています。

“ひかえめな”日本人クリスチャンへのお願い(コーヘン大使)

 以上、一つ目の質問に対するお答えだった。たぶん、最後の言葉が、コーヘン大使が、日本のキリスト者、特にイスラエルを支援する人々に語りたかったことだと思われる。キリスト者で、イスラエルのために祈る人は多い。しかし、それを公に声にし、共に寄り添うことを、一般社会に対して見える形で行動に移している人々は、意外にも、イスラエルを支援している人々の間でさえ少ない。

 我々はもしかしたら、社会に対して福音にある塩気を知らせることに、慣れていないのかもしれない。少数派が社会に声を出したところで、届くわけがない・・というあきらめの気持ちがあるかもしれない。

 しかし、私(明石)が、先の記事で書いたように、キリスト者を知り、良く思っているユダヤ人は、祈ることはもちろんだが、声を上げてほしいと一様に強くお願いしている。ホロコーストの歴史でも、ユダヤ人が最も苦しい時に、キリスト者は沈黙していた過ちがあった。あとの質問で答えていただいたが、今こそ、イスラエル人が、建国以来、最も苦しい時なのだ。今、声を上げずして、いつ上げられるのだろうか!と、私(明石)は訴えたい。

 

➡️ 第2回に続く