慰安婦問題の嘘と戦う新動向 −西岡力−

令和3年3月1日 産経新聞「正論」コラム(一部修正)

 

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授、
歴史認識問題研究会会長

慰安婦問題の嘘と戦う新動向

 戦前わが国は公娼制度を持っていた。慰安婦はそれを戦地に持ち込んだものだ。慰安婦となった女性たちは貧困の犠牲者だった。そのことは日本人も韓国人もみな知っていた。ところが1990年代初め日本の一部反日勢力が、日本軍が国家総動員法に基づく挺身(ていしん)隊として奴隷狩りのように朝鮮女性を連行し慰安婦にさせたという荒唐無稽な嘘を大々的に発信した。

 ≪嘘と戦う韓国の学者ら≫

 激しい論争の結果、国内では権力による強制連行ではなく公娼制度の一環だったという見方が支配的になった。外務省も重い腰を上げて2019年から外交青書とホームページで強制連行、性奴隷、20万人という3つの嘘に反論を加え始めた。しかし韓国と国際社会にはまだ「朝鮮人の若い娘20万人が日本軍によって強制連行され、性奴隷となった」という嘘のイメージがはびこっている。わが国にとっての慰安婦問題とはこの嘘をどうやって打破するのかなのだ。

“慰安婦問題の嘘と戦う新動向 −西岡力−” の続きを読む

令和3年の決意、ノアから私が学んだ敬虔さ−西岡力−

 

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長

令和3年の決意、ノアから私が学んだ敬虔さ

 「なぜ、父なる神さまはこのようなことが起きることを許しておられるのか」

 キリスト教を信じるようになった後、多くの信者が心に抱く疑問だろう。少なくとも私は40年間の信仰生活で何回もこの疑問に直面して悩んだし、いまも悩んでいる。

 昨年6月に、40年以上前に愛する娘を北朝鮮によって拉致され、ずっと救出のための国民運動の先頭に立ってこられた横田滋さんが天に召された。愛するめぐみさんに会えないどころか、その消息さえ正確に分からないままで、だ。

“令和3年の決意、ノアから私が学んだ敬虔さ−西岡力−” の続きを読む

慰安婦判決に抗議する歴認研声明 −西岡力−

本日(1/9)SALTYの西岡力主筆より、韓国のソウル地方裁判所の「慰安婦判決」に対する「歴史認識問題研究所」の『慰安婦判決に抗議する歴史研声明』の紹介がありました。

時宜的にも重要な内容でもありますので、SALTY として原文を掲載いたします。

 

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授
歴史認識問題研究会 会長

慰安婦判決に抗議する歴認研声明

1月8日、韓国のソウル地方裁判所は、日本国に対して韓国人元慰安婦ら(遺族を含む)12人に1人あたり1億ウォンの賠償を払えという判決を下した。日韓関係の根底を揺るがす不当判決であり強く抗議する。

そもそも、国際法上の主権免除により、日本国が他国の裁判で被告になることはあり得ない。日本政府は韓国の文在寅政権に対してその立場を伝えていた。ところが、ソウル地裁は訴えを却下せず「公示送達」(日本政府が受け取りを拒否していた訴状を掲示して受け取ったと見なすこと)という便法を使い判決を下した。国際法違反であり、認められない。

“慰安婦判決に抗議する歴認研声明 −西岡力−” の続きを読む

2017年秋、米朝は開戦直前だった −西岡力−

写真:アメリカ空軍の F-15C (Wikipedia より)

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授

2017年秋、米朝は開戦直前だった

 平成29年(2017年)秋、米朝関係は戦争直前だった。当時から私を含む少数の専門家が指摘してきた通りだが、米紙ワシントンポストのボブ・ウッドワード(Bob Woodward)副編集人の新著「Rage(怒り)」がその生々しい状況を明らかにしている。トランプ大統領との17回のインタビューをもとに出版された同書から当時の生々しい状況を知ると、当時の日本の総理大臣が安倍晋三氏で良かったと心から思う。

RAGE 怒り』  (日本語) 単行本  – 2020/12/19 発売予定
ボブ・ウッドワード 著/日本経済新聞出版  

“2017年秋、米朝は開戦直前だった −西岡力−” の続きを読む

コロナ禍における礼拝の自由 −明石清正−

・写真:Grace Community Churchの礼拝の様子

 

 

 

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

 

 我が国の政府の新型コロナウイルス対策で、世界の中で特徴的なのは、「強制力がない」ということです。世界中で、同じ自由民主主義体制の国々で、数々起こっている公権力の暴走、監視社会の拡大が見受けられる中で、日本国憲法を遵守し、私権を守るべく抑制しています。アメリカ、韓国、オーストラリア、イスラエルと比べ、そして日本を考えてみましょう。

礼拝を献げることによる罰金や逮捕

 こちらの世界宣教の祈りの課題をご一読ください。

【9月1日世界宣教祈祷課題:米国】

 アメリカの多くの州では、屋内で礼拝を献げると罰金、もしくは逮捕までされるという状況になっています。私は、ここで取り上げられている教会と同じカリフォルニアにある教会とのつながりがあり、注視していました。3月における流行では確かに、ほとんどの教会が知事の命令に従っていました。5月になってもその禁止令が解除される様子がなく、多くの教会がペンテコステ礼拝(5月31日)を契機に再開を始めました。ある時は、「礼拝は献げてよいが、賛美の歌は歌ってはいけない。」とされ、そして今は屋内の礼拝を禁じています。

 ここで大事なのは、感染対策は取る最善の努力をしていると訴えても、一律に禁じられていることです。確かにクラスター現象は教会などの集会で起こっています。けれども、感染する可能性として同等はそれ以上かもしれない施設や集会は許されているのに、教会には厳格な基準が設けられてるという不公平感が残ります。この記事に出てくるGCCは、今現在、教会が借りている公の駐車場が使えなくされ(記事)、9月10日には、逮捕もしくは罰金の判決を、ロサンゼルス高等裁判所が下しました。(記事“コロナ禍における礼拝の自由 −明石清正−” の続きを読む

被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その3)−西岡 力−

・写真:

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長
モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その3)−西岡 力−

<その2>より

  • 4つの疑惑―まずは寄付金の行方

 元慰安婦の李容洙氏が30年間共に活動してきた反日運動体の挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会、最近、正義連に改称)とそのリーダーで令和2年(2020)4月の総選挙で国会議員に当選した尹美香・元挺対協代表を激しく批判したことが契機になり、挺対協と尹美香氏の偽善ぶりが連日暴露され、ついに検察が挺対協への家宅捜査を断行する事態になった。

 韓国マスコミが暴いた尹氏と挺対協の疑惑は大きく分けて4つだ。

“被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その3)−西岡 力−” の続きを読む

被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その2)−西岡 力−

・写真:「反日種族主義」李栄薫 編著/文藝春秋(2019-11/14)

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長
モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その2)−西岡 力−

 

<その1>より

  • 慰安婦像撤去を求める韓国良識派のデモが始まった

 しかし、真実は強い。昨年、李栄薫・前ソウル大学教授らが、「慰安婦は日本軍の管理下にあった公娼だ。朝鮮王朝時代は両班という支配階層が身分の力でキーセンや奴婢という被支配階層の女性の性を搾取した。日本統治時代に公娼制度が導入され、当初は日本人が日本から連れてきた女性の公娼を利用していたが朝鮮経済の近代化が進むにつれ朝鮮人が多数利用するようになり、それにつれて朝鮮人公娼も増えた。慰安婦制度は公娼制度を戦地に持ち込んだものだ。韓国独立後も、韓国軍と在韓米軍には慰安婦制度が維持された」という学問的主張を『反日種族主義』という本にまとめて韓国で出版し、10万部を超えるベストセラーになった。日本語訳が日本でもベストセラーになっているが、もともと韓国人に歴史の真実を伝えるために書かれた本だ。

“被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その2)−西岡 力−” の続きを読む

被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その1)−西岡 力−

・写真:朝日新聞の慰安婦報道を批判する論文を収録した私の最初の単行本。(1992-8/1)

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長
モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その1)−西岡 力−

 

●研究・社会活動と信仰は不可分

 研究と社会的活動は道徳、あるいはその根源にある信仰抜きには成り立たない。私は、人間はこの世に生まれてきた以上、自分の命を犠牲にしても実現すべき価値、善が存在するという立場に立っている。その信念にもとづき、これまでの研究と実践を行ってきた。言い換えるとその信念があるからこそ、これまで研究と実践を行うことができた。

 私は昭和52年(1977)に初めて韓国に留学して以来、40年以上、韓国・北朝鮮研究を続けてきた。韓国人に会うと「私は親韓派ではなく愛韓派だ」と自己紹介している。ただし、相手を尊敬しているならば、紛争が起きたら率直にこちら側の言い分を主張して論争するはずだ。

 相手を対等と思っていない場合に、先に謝ってつかみガネを渡しその場を取り繕う。話が通じない相手だと考えているから、言うべきことを言わない、言えないのだ。私はそのような関係を対等ではない、差別、蔑視の関係と考えている。1980年代以降の日韓関係は、まさにそうだった。

 しかし、絶対的善があるという立場に立つなら、そのようなその場しのぎの関係は許してはならないものだ。

“被害者もウソをつく、私の体験的「慰安婦問題」(その1)−西岡 力−” の続きを読む

キリスト者の社会的責任とは? −西岡 力−

・写真:横田拓也さん提供(2020年6月8日 葬儀)

 

 

 

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長
モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

キリスト者の社会的責任とは?

〜横田滋さんの決断と召天に寄せて〜

 横田滋さんの召天により、北朝鮮による拉致問題に対する関心がまた、高まり出している。その中で、安倍政権が結果を出していないことを激しく批判する一部の政治家やマスコミに対して、横田めぐみさんの弟の哲也さんが、安倍政権はよくやっている、拉致を否定していた勢力が、その結果、被害者救出が遅れているのに、今になって安倍政権批判をするのは卑怯だという趣旨の発言をされた。
(6月9日:横田滋さん死去で家族が記者会見)

その会見の席にいた私は全く同感だった。

 そして、2002年に北朝鮮が拉致を公式に認めるまで、大多数のキリスト教関係者が冷たい態度をとっていたことを想起して、様々なことを考えた。

 キリスト者の社会的責任とは、一部の政治勢力に同調して政権批判をすることなのか。自分の頭でしっかり現実を認識して、サタンの手先とも言える北朝鮮個人独裁政権、中国共産党政権による重大な人権侵害、そこには信教の自由侵犯も含まれている、に声を上げることこそ、日本のキリスト者に今求められている社会的責任ではないかと強く思っている。

 安倍政権をいま批判する勢力が過去に横田めぐみさんたち救出運動をいかに妨害してきたのかを、産経新聞に寄稿した。ぜひこれを読み、キリスト者の社会的責任について深く考えるきっかけにしてほしい。

“キリスト者の社会的責任とは? −西岡 力−” の続きを読む

「滋さんの思い出」− 西岡力 −

6月8日、川崎市にある中野島キリスト教会で行われた横田滋さんの葬儀で、西岡力(SALTY 主筆)が語った「滋さんの思い出」です。

西岡力
日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)会長

 

私もキリスト者の末席を汚す者ですので、聖書の言葉をまず引きます。

新約聖書エペソ書2章8〜10節

あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。それは、自分自身から出たことではなく、神からの賜物です。
行ないによるのではありません。だれも誇ることのないためです。
私たちは神の作品であって、良い行ないをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行ないに歩むように、その良い行ないをもあらかじめ備えてくださったのです。

天国に召された滋さん

 滋さんとお目にかかって23年以上が経ちます。滋さん、早紀江さんご夫婦と、日本全国そして米国、韓国などさまざまなところにご一緒させていただきました。その中で、日曜日にあたり、なおかつ少し時間の余裕があるときは早紀江さんと近所の教会に行ったり、ホテルにて二人で聖書を開き祈る時をもつことがありました。そのとき、滋さんはあまり良い顔をされませんでした。
「早紀江がキリスト教を信じることは、それがなければ悲しみのため精神がおかしくなったかも知れないから良かったと思う。しかし、自分は信じない。神がいるならなぜ、愛する娘を突然奪うこのような不条理を許しているのか。どの神さまでも拝んだらめぐみを連れてきてくれるなら拝みます。神は弱い人間が心の安定を図るために拝むものだ。一番苦しいのは北朝鮮にとらわれている娘だ。彼女が苦しんでいるのに、父である自分だけが宗教に頼って心の安定を得たら申し訳ない」

 このような趣旨のことを話されるのを何回か聞いたことがあります。ただの人間にしか過ぎない私には、なぜ、神さまがめぐみさんと横田滋、早紀江ご夫妻にこのような過酷な試練を与え、いまだに解決を与えないことについて、理由を説明できません。わからないことの方が多いです。しかし、滋さんがキリストを信じて洗礼を受けられました。それは滋さん本人や早紀江さんなどの努力によるものではありません。滋さんが良い行いをしてきたことへの報いでもないです。ただ、不思議な神さまの賜物、プレゼントでした。

・横田滋さんの葬儀(横田拓也さん提供 3枚)

 しかし、聖書は言います。人にはこの世でなすべき良き行いがあらかじめ備えられている。滋さんにとってそれは強いられた「良い行い」だったかもしれません。しかし、その道を勇敢に戦い抜きました。よくやった、もうこれくらいでいいよ、天国で休んでめぐみさんを待ちなさいと神さまに言われて、天国に旅立ちました。

“「滋さんの思い出」− 西岡力 −” の続きを読む