大きく揺らぐ韓国の学問の自由 − 西岡力−

 

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆

歴史認識問題研究会会長・モラロジー道徳教育財団教授・麗澤大学客員教授

大きく揺らぐ韓国の学問の自由 − 西岡力−

 

慰安婦問題の大学講義で

大学の講義で慰安婦についての自身の学問的見解を述べ、名誉毀損(きそん)罪に問われた延世大学の柳錫春(リュ・ソクチュン)・元教授(以下、柳教授)に、韓国の検察は懲役1年6月を求刑した。来年1月11日に判決が下されるという。韓国の学問の自由は大きく揺らいでいる。

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キリスト教信者から見た旧統一協会問題 −西岡力−

 

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆
歴史認識問題研究会会長・国基研企画委員兼研究員
モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

キリスト教信者から見た旧統一協会問題

2022.10.31 (月)

 私事で恐縮だが、私はキリスト教信者だ。その中でも新旧約聖書は間違いのない神の言葉であり信仰と生活の唯一の規範だと信じるプロテスタント福音派だ。
イエスは処女マリアから生まれ、死人を生き返らせ、十字架で処刑された3日後に復活した、などと聖書に書かれている超自然的な内容をそのまま信じている。

 キリスト教の立場からすると、文鮮明を救い主だと教える旧統一協会の教えは到底受け入れられない。また、日本人は朝鮮支配の原罪があるから韓国に仕えなければならないとする旧統一協会の反日思想に対して、私は日韓関係研究者として歴史的事実に反すると人生をかけて反論してきた。

 我が国にはカトリックとプロテスタントを合わせ100万人程度のキリスト教信者がいる。だから、1億2000万人の全人口からすると、100人に1人のごく少数だ。毎週日曜日に教会に集まり神への礼拝を行い、少なくない金額の献金もしている。これらすべては自発的に行っていることだ。信じている内容も行っている行動も、大多数の日本人とはかなり異なっていることを自覚している。その立場から、政府と国会が現在進めている旧統一協会への対応に恐怖を感じている。

●信教の自由が侵される

 なぜなら、信教の自由という憲法で保障されている大原則によってこれまでできないとされてきたことが、次々とできることにされているからだ。

 岸田文雄首相は、宗教法人解散の要件は「刑法の不法行為」(刑事犯罪)だけとしてきた従来の立場を突然変更して、「民法の不法行為」も含まれると国会答弁を修正した。過去に宗教法人の解散命令は2件出されている。地下鉄サリン事件のオウム真理教と霊感商法詐欺事件の明覚寺だが、両者とも代表役員が刑事罰を受けている。

 しかし、旧統一協会の幹部が刑事罰を受けたことはない。文科省は首相の突然の立場変更を受けて、解散命令を視野に入れた質問権行使の準備をやはり突然開始した。
その上、国会では与野党が旧統一協会被害者を救済することを目的にして、本人に代わって家族などが献金を取り戻せるようにする新法を制定する協議を行っている。

●宗教的少数派が感じる恐怖

 これらが突然実行される理由は、世論の変化とそれに伴う岸田政権の支持率低下だ。ではなぜ世論が旧統一協会に急に批判的になったのか。誰が見ても許しがたい被害事例が最近明らかになったからではない。安倍晋三元首相へのテロ犯人が20年ほど前に母親の多額の献金によって生活が苦しくなったことで旧統一協会を恨んでいたという情報が奈良県警からリークされた後、ワイドショーを中心とするマスコミが旧統一協会たたきを始めたことが契機になったのだ。

 世論が変われば憲法に定められた信教の自由、私有財産処分の自由などの枠組みがいとも簡単に崩れていく。多数派の日本人とはかなり異なる少数派の信仰を持つ私は、それを目撃して、その矛先がいつ私たちに向くかもしれないという恐怖を感じるのだ。(了)

JINF:国家基本問題研究所
2022.10.31 (月) 掲載記事より

平壌宣言20年に思う拉致の戦い −西岡力−

写真:2017年11月6日 · トランプ大統領とメラニア夫人、安倍首相、
拉致被害者の御家族(首相官邸 facebook より)

平壌宣言20年に思う拉致の戦い

(産経新聞令和4年9月16日掲載)

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆

歴史認識問題研究会会長・モラロジー道徳教育財団教授・麗澤大学客員教授

平成14(2002)年の小泉純一郎首相の訪朝から20年が経(た)つ。いまだに北朝鮮に拉致されている横田めぐみさんをはじめとする多数の拉致被害者を助けることができていない。本当に申し訳なく慚愧(ざんき)に堪えない。

拉致問題解決は最優先課題
 だがこの20年間で達成した2つの大きな成果がある。

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安倍晋三元首相を追悼し、国葬儀が平穏のうちに行われますよう、祈ります

・写真:首相官邸のホームページより

安倍晋三元首相を追悼し、国葬儀が平穏のうちに行われますよう、祈ります。

第一次内閣を含め、長期にわたり首相としてその責務を果たし、拉致問題の解決にも被害者のご家族とともに尽力されました。
国際的な指導力を発揮され、また、日本の安全保障の面で重要な平和安全法制等の整備に貢献されました。
心より哀悼の意を表し、9月27日の国葬儀が平穏のうちに行われますよう、祈ります。

2022年 9月13日

代表:後藤献児朗
主筆:西岡力
編集会議一同

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第二回 SALTY特別講演会(東京)開催!

写真:東京会場(お茶の水クリスチャンセンター)

 

 

 

 

日本キリスト者オピニオンサイト-SALTY-代表
有限会社サーブ介護センター 代表取締役

第二回 SALTY特別講演会(東京)開催!

2022年8月15日(月)。

 東京お茶の水クリスチャンセンターにおいて、『戦争反対で戦争は防げない』というテーマで、「第二回 SALTY特別講演会(東京)」が開催された。

 8月11日(木・祝日)の大阪会場(大阪市中央公会堂 大会議室)に続いての開催です。

 日本キリスト者オピニオンサイトSALTY主催、防衛関係キリスト者の会「コルネリオ会」協賛による開催で、第一部は、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)会長、そしてSALTYの主筆でもある西岡力氏による特別講演「ウクライナ戦争からキリスト者が学ぶべきこと」がテーマ。

第二回 SALTY特別講演会(大阪)開催!

『戦争反対で戦争は防げない』 

(大阪会場:2022年 8月11日)

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY- 主催の『第二回 特別講演会』が、大阪市中央公会堂(大会議室)で開催され、来会者一同、熱心に講師の語る内容に耳を傾けました。

 

第1部 主題講演

「ウクライナ戦争からキリスト者が学ぶべきこと」(講師:西岡力 氏)

第2部 パネルディスカッション
 講演:「これからの時代の日本宣教」後藤牧人 氏      

 講演:「民間人のための戦時国際法」後藤望 氏

YouTube (画像をクリック)

 

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安倍晋三元総理大臣殉職に対する家族会・救う会声明 −西岡力−

「総理大臣官邸で拉致被害者御家族等と面会」 平成30年1月25日
写真:「総理大臣官邸で拉致被害者御家族等と面会」

平成30年1月25日
(首相官邸のホームページより)

安倍晋三元総理大臣殉職に対する家族会・救う会声明

 ライフワークとして北朝鮮拉致問題に取り組んできた安倍晋三元総理大臣(以下、安倍総理と呼ばせていただく)が襲撃され殉職された。拉致というテロと戦ってきた安倍総理がテロに遭うという事態がなぜ起きるのか。悔しくて悲しくて言葉にならない。

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「第2回 SALTY特別講演会」のお知らせ

第2回 SALTY特別講演会 のお知らせ

暑中お見舞い申し上げます

8月に、『SALTY特別講演会(第2回)』 を開催いたします。

大阪(8/11)、東京(8/15)の各集会にぜひ、お越しくださいますよう、ご案内いたします。
皆様のご出席を心よりお待ちしています。

(開場:13:30〜) 

*ご注意

<大阪会場>の当日、8月11日(木・祝)は、祝日のために大阪市中央公会堂周辺は、車の乗り入れができません。
自動車で来会される皆様は、北側と南側の川を渡ったコインパーキングなどをご利用ください。
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●  SALTY特別講演会【大阪】
8月11日(木・祝) 14時から
会場:大阪市中央公会堂 B1F 大会議室
https://osaka-chuokokaido.jp/map/

 
● SALTY特別講演会【東京】
8月15日(月) 14時から
会場:お茶の水クリスチャンセンター 8F チャペル
https://ochanomizu.cc/access/

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日本民族「性悪説」の檻から出よ −西岡 力−

写真:日本国憲法(国立公文書館デジタルアーカイブ)

 

 

西岡力

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY-  主筆

歴史認識問題研究会会長・モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授

日本民族「性悪説」の檻から出よ 

 わが国が主権を回復して70年になる。ところがロシアの侵略戦争を前にしても憲法を改正して国軍を持つという主権国家なら当然なすべきことを未(いま)だにできないでいる。その根本的理由は日本民族「性悪説」の檻(おり)に閉じ込められ、精神における主権回復ができていないことだと、私は考えている。

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拉致問題・慰安婦問題、今後どのように向き合うべきか ~ 明石清正 ~

 

明石清正
SALTY論説委員
カルバリーチャペル・ロゴス東京 牧師
ロゴス・ミニストリー 代表

 ユニークな起業家たちが集まって、お互いの熱い思いを語る「ビズテリア・クラブ」という集まりがあります。私、明石清正は、毎月、「激動の世界情勢を聖書から読み解く」という勉強会を担当させていただいています。

 ソルティーの主筆である西岡力先生にも、かつてビズテリアでお話ししていただいたことがありました。昨年11月「わが体験的コリア論」という新著を出されて、ソルティーでも私が書評を書かせていただきましたが、それを見た、ビズテリアの代表、勝山牧生さんが、「ビズテリアの共創トークで、出演していただけませんか」とのご依頼を受けました。

 ところでビズテリアには、笠ひろふみ議員が関わっておられます。笠先生は、長年、拉致議連で積極的に関わっておられ、西岡先生ともよく知り合っている仲です。そこで笠先生にもご出演をお願いし、今回のトークが実現しました。

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