『キリシタン史からのメッセージ』
高槻・Ukon:第1回
久保田 Ukon 典彦
阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰
「 集団改宗 」・為政者たちのための祈り
今から400年前の 戦国時代、主の霊による 大いなる救いのわざがなされていきました。「 集団改宗 ・ 集団洗礼 」 が 本来、神の働きであるとしても、人が用いられて行われていくものであることも確かなことだと思います。
あの 「 出エジプト記 」 で、100万人を超える イスラエルの民が、 「 出エジプト 」 出来たのは、エジプトのパロ王の心を 主なる神が支配し、モーセを指導者として 用いられた結果でした。
キリシタン時代に 多くの人たちが救われて、信仰をもっていった様子を見てみますと、それぞれの時の為政者たちが、キリスト教に理解を示し、宣教の許可を与えています。河内で 73名の集団改宗があった時の 三好長慶 がそうでしたし、織田信長や、ある時期までの 豊臣秀吉も そうでした。
武将たちは それぞれ家臣ですし、一般民衆も 領民です。
こういう人たちが、キリスト教信仰に 堂々と入信していくためには、領主たちが、自身が キリシタンかどうか とは関係なく、キリスト教に理解を示し 寛容であり ・ 許可を与えているかどうかが、アクセル、あるいはブレーキの働きをすることになります。
それがなければ、人々は、本来、心の真実に従って行動し、歩んでいきたいと思っています。
「 集団改宗 」 の意味するもの
「 集団改宗 」 は、何か 権力が使われて、強制されて 集団で改宗していったのではなくて、権力者たちの許可のもとで、人々が 行動していった結果として起こっていったことでした。「 集団改宗 ・ 集団洗礼 」 といっても、改宗 ・ 洗礼は、一人一人が決断し ・ 応答して、行動していくものです。
● 九州の有馬で、領主の有馬義貞が、1576年に 洗礼を受けました。 有馬アンデレ義貞。
その結果、家臣や 領民の間で、多くの人達が 洗礼を望むようになり、コエリョ神父達は、受洗を願う人々の願いに答えるために、休む間もなく、忙しくて 霊肉の健康の限界を越えた働きをしなければならないほどでした。
総数にして、15,000人の 人達が信仰をもち、洗礼を受けていきました。
● しかし、義貞が亡くなり、その後を継いだ 有馬晴信が、反キリスト教政策をとり 迫害を始めますと、家臣 ・ 領民たちも 不本意ながら、それに従わざるを得ませんから、形の上では 背教していくことになります。
しかし、3年後に 晴信が 洗礼を受けて キリシタンとなり、有馬プロタジオ晴信 となりますと、背教していた 7000人が 信仰に戻り、更に 新たに 4000人が キリシタンとなっていきました。
● 天草での集団改宗には、領主 ・ 天草鎮尚の存在が 不可欠ですし、「 伴天連追放令 」 後も、天草は 小西行長の領地となりました。
加えて、小西行長の家臣だった 内藤如安が 宇土で、ヤコボ小西美作 ( みまさか ) が八代で、ジョルジ結城弥平次が矢部で、それぞれ 指導者となりましたので、多くの人たちに 火が燃え移るようにして、二万五千人 ・ 四千人 ・ 二千人 ・ 二千五百人 ・・・・ といった人たちが 次々に 入信 ・ 洗礼を受けていったのでした。
こうした状況も、江戸時代になり、政治のしくみが変わり、「 キリスト教大禁教 」 政策がとられていきますと、決定的に変わっていくことになってしまいます。
● 聖書で 勧められています。
「 すべての人のために、王たちと 高い地位にある すべての人のために、願い ・ 祈り ・ とりなし ・ 感謝をささげなさい。」( テモテへの手紙 第一 2章1節)
為政者たちのための祈り
天皇陛下ご夫妻や 安倍首相 ・ トランプ大統領 ・ 金正恩委員長 ・ 習近平主席 ・ 文在寅大統領 といった 政治の指導者たちのために祈りなさい、と勧められています。彼らが救われたら スゴイことですが、たとえ そうでなくても 関係なく、彼らのために祈ることが求められています。彼らが、ミスリード していくことのないように!
かつて、あの 豊臣秀吉が、ロレンソ修道士に 冗談のように言いましたョ。
「 もし 貴殿らが、多くの婦人たちをかかえることを禁じさえしなければ、予は キリシタンとなるのに、別に支障ありとは考えておらず、その禁止を解くならば、予も キリシタンになるであろう。」
「 殿下、私が許して進ぜましょう。キリシタンに おなりください。なぜなら、殿下だけが、キリシタンの教えを守らず、地獄に行かれることになりましても、殿が キリシタンになられることによって、大勢の人が キリシタンになり、救われるからでございます。」
※【推薦図書】「キリシタン史考」(H.チースリク・著 / 聖母文庫)
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久保田 Ukon 典彦
阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰
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「髙山右近研究」をライフワークにしています。
髙山右近やキリシタン達を通して、いっしょに考えていければと思います。