あなたもできるデジタル出版

ピヨ バイブル ミニストリーズ

 

井草晋一

日本キリスト者オピニオンサイト -SALTY- 編集委員

ピヨ バイブル ミニストリーズ / Piyo ePub Communications  代表
日本メノナイトブレザレン教団 武庫川キリスト教会 協力牧師

 あなたもできるデジタル出版

 ~「第二の宗教改革」の備えとしての「電子書籍とPOD版出版」
   12年の取り組みと今後の可能性~

◎「第7回 日本伝道会議」<分科会 9> 発題  2023年9月20日

<参考記事>  待った無し! キリスト教会の出版革命「電子書籍」

日本発の「第二の宗教改革」 ~南原繁の挑戦を受けて~

私は、1980年4月に 福音聖書神学校(EBS)に入学しましたが、その前年の7月に、大阪キリスト教書店で南原繁著『国家と宗教』を購入しました。

著書の最後、第4章「ナチス世界観と宗教」の後に「補論  カトリシズムとプロテスタンティズム」の論文があり、その中の「六」に記されていた、将来、「日本発の『第二の宗教改革』」が起きるとの預言的な一文が、非常に心に響きました。

 

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旧統一教会事件から学ぶ −亀井俊博−

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「芦屋福音教会」名誉牧師
「聖書を読む集い」牧師

“旧統一教会事件から学ぶ”

2022年12月1日

一年を振り返る時期

 キリスト教会では待降節を迎え、2022年も終わりに近づきました。一年を振り返る時期です。各自個人的な忘れがたい出来事があった事でしょうが、社会的には多難な年でした。世界的にはコロナ禍が続き、ゼロ・コロナからウイズ・コロナへと、頑なにゼロ・コロナ政策にこだわる中国を除いて、多くの国々で舵を切り替えました。またロシアによるウクライナ侵略に、欧米・日本等グローバル・ノース(主に北半球の先進諸国で帝国主義時代の旧宗主国が多い)先進諸国は憤りロシア制裁・ウクライナ支援を開始。中国・インド始めグローバル・サウス(主に南半球の発展途上国で、旧植民地が多い)の国々は結構な数が中立を決め込み、かつてのグローバル・ノースの植民地支配へのトラウマと反発を思い知らされました。

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戦後民主主義の初めの愛 −亀井俊博−



 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

「戦後民主主義の初めの愛」 2021・12・1

戦後民主主義の揺籃期に学ぶ

 本誌編集委員の方から、NHK R2、8/9~9/6、5回カルチャー・ラジオ、ラジオ・アーカイブス「声でつづる昭和人物記」で、“丸山眞男・南原繁と戦後日本社会” と言う放送があるので、お聞きになってはいかがとお勧めを頂きました。

 戦後民主主義揺籃期の民主主義普及に尽力された、故丸山眞男東大政治学教授、氏の恩師、故南原繁元東大総長のお話しのアーカイブスでした。昭和史の作家保坂正康氏の解説があり興味深く拝聴しました。以下、その紹介と私の感想です。

・カルチャーラジオ NHKラジオアーカイブス「声でつづる昭和人物史~丸山眞男」1 (2021年8月2日 再放送/「丸山真男と戦後日本  第1回 民主主義の発見」1996年11月18日放送、ETV,聞き手:社会教育史家、久田邦明さん)

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最後のマエストロ達(2) −亀井俊博−

 

 

 

 

バイブル・ソムリエ:亀井俊博

「西宮北口聖書集会」牧師
「芦屋福音教会」名誉牧師

「最後のマエストロ達」(第2回)

 

(第1回)より

(c)最後の丸山眞男

(1)日本精神の執拗低音

 さらに無教会の内村鑑三の弟子、政治学の南原繁の下に学んで日本政治思想研究から戦後民主主義の旗手となったマエストロ、丸山眞男(1914~1996)を取り上げます。小著ながら今も色あせない「日本の思想」で、中心の無責任、周辺の無限責任と言う日本(政治)思想の特徴を摘出。これは日本の古代神話思想構造から由来するものである。即ち哲学者和辻哲郎が解明した記紀の神々の系譜研究、すなわち祀る神々と祀られる神々の系譜。そして祀られる神々は一見上位に見えるが、結局祭り上げられ、実権は祀る神々が握って恣にする精神構造に由来します。

 丸山は「政治」の古語“まつりごと”(政事)は、下位の者が上位の者に奉る、上奏するものであり、上位者は“きこしめす”関係にある。即ち日本では権力の上位者は祭り上げられ、政治の実権・意思決定デシジョン・メイキングは下位者が行使する構造になっている。さらに地上の最高権力者天皇も高祖の霊に上奏し、天上の八百万の神々は最後に上奏すべき至高者がいない、一神教的責任者のいない無責任構造になっていると解明。丁度戦前の軍部が天皇を祭り上げて、実質国家を操り破滅に向かわせた。そして敗戦の責任を最高責任者は取らず、末端の兵や将校を絞首台に送る連合国軍の報復「東京裁判」で決着をつけさせた。日本精神の執拗低音(バッソ・オステイナート)の解明です。彼の思想の中核は中心の無責任であり、日本の記紀の神々の多神教構造では、神々の会議で“共同責任は無責任”な結論しか出ない。一神教的最終責任体制の欠如に問題の所在がある、とした。恩師のキリスト者南原繁の影響が強くその日本政治思想史研究ににじみ出ている。

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日本学術会議の刷新 −SALTY取材班−

<写真:日本学術会議 庁舎_Wikipediaより>

11月に入り、国会の予算委員会などでは連日、「日本学術会議」の任命拒否問題の質疑がなされ、テレビや新聞、各メディアの公式WEB、各種のSNS上で取り上げられています。

この度、「南原繁研究会」の代表の樋野興夫氏(新渡戸稲造記念センター長、順天堂大学名誉教授、順天堂大学医学部病理・腫瘍学客員教授)の J-STAGE(*注1) の2001年の論説向上心のある虫 -学者の風貌-の紹介を受けました。

この中で、<「総合科学技術会議」VS「日本学術会議」>の課題について、筆者は次のように述べています。

樋野興夫教授:南原繁シンポジウム_2016

「『科学する心』には、『政治にゆがめられた科学する心』と 『政治にゆがめられない科学する心』の2種類がある。  行政機関である 『総合科学技術会議』 は立場上当然、前者である。
一方、『日本学術会議』 は、当然後者であるべきである。  もし、後者であることを放棄すれば、『もし塩が塩けをなくしたら……。もう何の役にも立たず、外に捨てられて、 人々に踏みつけられるだけです』(マタイ5章13節) の運命である。」
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第17回『南原繁研究会シンポジウム』開催

 南原繁研究会主宰の 第17回『南原繁研究会シンポジウム』が、2020年11月3日(火)午後1時から学士会館を会場に開催されました。

今回は、新型コロナウィルスの感染拡大の第二波の最中でもあり、会場の学士会館での参加人数を制限しての開催と、ZOOM でのオンライン開催として行われました。

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 基調講演の前川喜平氏は、「教育勅語」の研究を踏まえて、戦後の教育基本法の制定、日本国憲法の制定、及び、2006年の教育基本法の改正の経緯とその背景、その意味する事柄などをわかりやすく語られました。
基調講演:前川喜平氏

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