「面従腹背」型の キリシタン − 久保田 Ukon 典彦 −

『キリシタン史からのメッセージ』

 高槻・Ukon:第18回

 

 

 

 

久保田 Ukon 典彦
阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰

 

「面従腹背」型の キリシタン

● 豊臣秀吉が、1587年に出しました 「 伴天連追放令 」 ですが、髙山右近の所にも、秀吉から、使者が遣わされて来て、“ 信仰を捨てて、秀吉だけに仕えるように ” 命令してきます。

 右近は、「 関白秀吉様のことを 大切に考えて、お仕えするつもりに 変わりはありませんが、神 ・ デウス への信仰を捨てるということは、話が違います。
神 ・ デウス への信仰を捨てる、ということは出来ません。」と、はっきりと 答えました。

 絶対的権力者である 関白豊臣秀吉の命令に従わない!
━━ ということは、大変なことです。

領地召し上げ、は勿論のことですが、命を奪われることになっても仕方がないほどのことでしたので、周りの友人たち ・ 武将たちは、必死に忠告します。

“ 形だけでも、秀吉の命令を受け入れて、心では 信仰を持ち続けていけばいいではないか。 ”
いわゆる 「 面従腹背 」 ということですよネ。

そのように勧めますが、右近は、ガンとして、受け入れません。
たとえ、全世界を手に入れても、天国 ( パライゾ ) に入る生命を失うことになってしまうような ・ 神にそむくことになってしまうようなことは、決してしない!
ということを 堅く決意し、
その結果 起こって来ることは、すべて、神のみこころとして 受け止める。
━━ という信仰を、最後まで持ち続けました。

そして、結果は どうなったのでしょうか。

 右近は、 秀吉か 神か ━ という 重大な選択を迫られる中で、あくまでも、神 ・ デウスを選び取りましたので、すべては、取り上げとなり、すべてを失うことになりました。

領地も、名誉も、地位も、財産も、家臣たちも ・・・・・・・
信仰以外の、すべてのものを失って、無一物となりました。

髙山右近、35歳。 働き盛りの年齢! 一大決断です。

● 一方、「 面従腹背 」 の方を選択した 小西行長や 黒田官兵衛 といったキリシタン武将たちは、領地や身分は、一応 保障されましたが、その後、多くの苦難を経験していくことになります。

 「 文禄の役 」 「 慶長の役 」。
朝鮮 ・ 韓国の国を侵略していくという、トンデモない 侵略戦争の総大将となっていったのが、小西アゴスチーノ 行長です。 黒田シメオン 官兵衛も、当然ながら、朝鮮侵略の手先となって、奮戦していくことになります。

 髙山右近は、どうだったんでしょうか。
もし同様に、「 面従腹背 」 の方を選び取っていたとしたら ・・・・・
“ 朝鮮侵略者 ” としての道を歩んで行き、多くの人たちを殺し、村々 ・ 家々を焼き、そのために 大奮闘していくことになったはずです。

しかし、髙山右近は この時期、加賀百万石の 前田利家の配慮によって、招かれて、金沢の地にいます。
朝鮮侵略の戦いには、右近は、無関係な状態で、守られて、過ごすことが出来たのです。

 2017年 2月7日に、髙山右近は、カトリック教会で 「 福者 」 として 列福されましたが、もし、髙山右近が、「 面従腹背 」 型のキリシタンだったとしたら、「 列福 」 などというようなことは、ありえないことだったでしょうし、

この 私自身も、“ 髙山右近の 信仰や生き方から 学んでいきたい ” と思って、「 髙山右近研究 」 を ライフワーク にしておりますが、そのようなことも、ありえなかった、ということになります。

● ただ、小西行長や 黒田官兵衛たちのために、ひとこと 弁明をしておきますと、主なる神さまは、「 面従腹背 」 型のキリシタンだった彼らを、見捨ててしまわれたのか?
━━ と言いますと、それは、そうではありません。

 彼らは、真実ではありませんでしたが、主なる神さまは 真実な お方です。アーメンである お方です。
心に痛みを覚えながら、悔い改めながら 生きる者を、主なる神さまは、完全に 見捨ててしまわれるようなことは ありません。
イスカリオテのユダは、見捨ててしまわれましたが、悔い改めるペテロを、見捨ててしまわれるようなことは、決してありません。

そのような中で、彼らを整えて、彼らを作り直して、すべてのことが益になるようにと、導いていかれるのです。
彼らの不真実をも、すべてのことを働かせて、益となっていくように、用いていってくださるのです。

 髙山右近の、「 伴天連追放令 」 の後の生活のことを 考えてみましても、小西行長が、右近たちを、行長の領地であった 小豆島にかくまう
━━ ということがなかったとしたら、どうなっていたか わかりません。

朝鮮侵略の戦争の時にも、秀吉による 無謀な戦争を、少しでも早く終わらせようとして、決死の覚悟で ニセの使節をたてて、秀吉の所に送ったりしています。

 みんながみんな、髙山右近のようなキリシタン ・ クリスチャンだったら、それは、すばらしいことではありますが、現実的には、髙山右近のようなクリスチャンは、少数派です。
小西行長型のクリスチャンの方が多いのが、現実だろうと思われます。

「 熱心に 悔い改めなさい。」 と勧められています。
私たちに 内住してくださっています 聖霊なる神さまに、 罪を示されましたら ・ 神さまに対する不真実を示されましたら、すぐに、悔い改めて ・ すぐに、的外れになっている方向を修正して ・ すぐに、神さまの所に 立ち返って歩んでいくことこそ、私たちに求められていることですよネ!

●(添付絵) 回文「右近死すまで増す信仰」
(久保田さんのお孫さん 作)

 

久保田 Ukon 典彦

阿武山福音自由教会 教会員
「髙山右近研究室・久保田」主宰
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「髙山右近研究」をライフワークにしています。
髙山右近やキリシタン達を通して、いっしょに考えていければと思います。